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絶好調な百貨店株!実現性はCEOのメッセージでも判断できる 三越伊勢丹・丸井の今後を分析&解説

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絶好調な百貨店株!実現性はCEOのメッセージでも判断できる 三越伊勢丹・丸井の今後を分析&解説

百貨店業界が好調です。

円安でインバウンドの購買力が業績を押し上げています。

※本記事は筆者の知識と経験に基づいた情報提供であり、事例として取り上げた個別銘柄や金融商品の売買を勧めるものではありません。

本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については一切責任を負いません。

投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

絶好調な百貨店株!

第3四半期決算を発表した三越伊勢丹ホールディングスと株式会社丸井グループの成長戦略から、今後も有望か解説します。

今期の営業利益の見込み

今期の営業利益は、両社とも500億円を見込んでいます。

どの事業が利益を稼いでいるかに違いがあります。

今期の営業利益(予定):三越伊勢丹ホールディングス【証券コード:3099】

三越伊勢丹グループは、

「百貨店業」

「クレジット・金融・友の会業」

「不動産業」

「その他」

と4つの事業に分かれています。

営業利益の8割超が「百貨店業」で、410億円を見込んでいます。

営業利益の8割超が百貨店業

参照:2024年度3月期 第3四半期決算説明会

今期の営業利益(予定):株式会社丸井グループ【証券コード:8252】

丸井グループの事業は、「小売」と「フィンテック」の2つあります。

営業利益の9割近くが「フィンテック」で、430億円を見込んでいます。

フィンテックが9割

全社・消去の数値は除いています。

参照:2024年度3月期 第3四半期決算概要

配当は増配傾向

好業績のもと、両社とも前年の2倍近く増配予定です。

右肩上がりの増配は、株主にとってうれしいニュースです。

配当の推移:三越伊勢丹ホールディングス

第3四半期の決算発表で、配当予想を32円に上方修正しました。

18円の増配となり、前期の2倍を超えています。

2024年3月期の配当利回り(予想)は1.51%と前期から3割(前期の配当利回り1.16%)ほど高くなっています。

参照:三越伊勢丹ホールディングス「配当予想の修正に関するお知らせ」

配当の推移:株式会社丸井グループ

第3四半期の決算発表では、配当予想を101円と据え置いています。

42円の増配と、前期の約2倍です。

2024年3月期の配当利回り(予想)は4.15%と前期の6割を超えています。(前期の配当利回り2.57%)

株主還元策で自社株買いを行う

2社とも100億円を超える自社株買いで、株価は急激に上がりました。

自社株買いは1株あたりの価値が高くなるので、株価が上がりやすいです。

自社株買いによる値上がり:三越伊勢丹ホールディングス

250億円の自社株買いを2024年2月2日に公表しました。

翌営業日の終値は120.5円上昇しました。

終値は120.5円上昇

参照:三越伊勢丹ホールディングス「自己株式取得に係る事項の決定及び自己株 式の消却に関するお知らせ」

自社株買いによる値上がり:株式会社丸井グループ

丸井グループは、400億円の自社株買いを2023年5月9日に公表しました。

翌日の終値は330円上昇しました。

翌日の終値は330円上昇

今後の成長性は?中期計画から計画性、経営トップの声から実現性を確かめる

自社株買いで上昇した株価は、さらに伸びるのでしょうか。

それは、今後の計画性と実現性に期待がもてるのかです。

計画性は中期経営計画から、実現性は経営トップのメッセージから両社の成長性を確かめていきます。

経営トップの声:三越伊勢丹ホールディングス

三越伊勢丹グループの2022年~2024年の中期経営計画では、「再生」「展開」「結実」の3つのフェーズに分け、「結実」のフェーズでは「まちづくり」を掲げています。

「まちづくり」の注目は、新宿三丁目の再開発。 新宿三丁目を「賑わいの拠点」と掲げているので、今後の投資戦略に期待が高まります。

CEO細谷氏のメッセージには、実績にもとづく手がたい印象があります。

今期の営業利益には、構造改革による百貨店の再生と、収益拡大を図る連邦戦略による実績が反映されています。

「まちづくり」の実現へのストーリーがロジカルで、細谷氏の経営は、まさに「テッパン」といえます。

参照:

三越伊勢丹ホールディングス 「中期経営計画2022-2024」

新宿区「新宿三丁目駅周辺まちづくり誘導方針」

三越伊勢丹ホールディングス「トップメッセージ」

経営トップの声:株式会社丸井グループ

丸井グループは三位一体ビジネスモデルとして、「小売」「フィンテック」に加え「未来投資」を掲げています。

「未来投資」とは、新規事業と共創事業(スタートアップ)への人材投資のこと。

2026年3月期までに人材投資を120億円に増やす計画です。

未来投資を掲げる

CEO青井氏には、オリジナリティあふれる表現に魅力を感じます。

まず、ステークホルダーが求めることを「インパクト」と表現しています。

「インパクト」とは、下図の4つの輪の中心となる「ikigai(生きがい)」という考え方がベースとなっていて、エモーショナルな印象を受けます。

顧客の感情に訴えていくことで、「バズり」を予感させます。

「バズり」を予感

参照:

株式会社丸井グループ「2022年3月期~2026年3月期の中期経営計画

株式会社丸井グループ「ビジネスモデル

株式会社丸井グループ「マネジメントメッセージ

投資選択に経営トップの声を反映

三越伊勢丹、丸井グループとも、お互いの強みを活かすことで利益を増やし、増配や自社株買いなど株主還元にも積極的です。

今後の成長戦略は、三越伊勢丹は新宿三丁目の再開発、丸井グループは人的資本といった投資の方向性に違いがあります。

経営トップのメッセージもそれぞれ魅力的です。

三越伊勢丹の細谷CEOは「テッパン」

丸井グループの青井CEOは「バズり」

といったキーワードが浮かびます。

新NISAの成長投資枠では、個別株を買えます。

個別株の選び方として、経営トップのメッセージに共感できるかで考えるのもアリではないでしょうか。

《加藤 栄吉》
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加藤 栄吉

ファイナンシャル・プランナー1級(CFP) 加藤 栄吉 加藤 栄吉

上場企業で25年、財務分析が強みのCFP。 2000年代の会計ビックバンの到来期に、グループ連結決算を牽引。 「会計用語が苦手な方でも分かる企業会計」がモットー。簿記や会計の知識がない方にも、身近なことばや図解を使い「それ分かった!」と好評!財務分析スキルを資産運用にも活かし15年の運用歴。 はじめて財務分析の仕事をする方や、投資信託の運用成績を決算書からひも解いてお伝えします。 【保有資格】 ファイナンシャル・プランナー1級(CFP)、日商簿記2級

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