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教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置~実際の手続きは?

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  4月1日から、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が適用され、信託銀行でも商品の販売が始まりました。この非課税措置の要点は、以下のとおりです。

・直系尊属から直系卑属に、教育資金を受贈者一人に1,500万円まで一括贈与出来る。
・教育資金を支出した場合、その領収書を提出して、贈与された金銭を引き出す。
・受贈者が30歳になった時点で、その残っていた金額に贈与税が課税される。

  さて、この贈与が実際行われた場合に、信託開始後に実際に手続きする人(祖父から孫に贈与があった場合、通常孫の親にあたる人です)の視点でみた時に、気になったことをまとめてみました。

実際の手続きにおける注意点

領収書について

  まず領収書。学校諸費は口座振替という所も多いと思います。通帳の適用も、”××学校 諸費”のような、簡単なものではないでしょうか。おそらく、その通帳で大丈夫と思いますが、念のため、学校諸費の内訳が載った振替案内がありましたら、保存しておいた方がよいかもしれません。いずれにせよ、事前に、記帳された通帳自体を銀行で確認してもらった方がよいでしょう。

  領収書の有効期間は一年としている商品が多いので、ある程度まとめて提出は可能と思います。ただし、信託終了前までに要提出です。必ず立替えて、領収書を提出しないといけないかに関しては、直接払込可能と明記されている商品もあります。

払出し手続きをする人について

  次に払出し手続きをする人。受贈者が20歳未満なら親権者になります。通常学費等を立替払いするのは親と思われるので、それはあまり問題なさそうです。

  しかし、各銀行の案内では、20歳以上の受贈者は受贈者自身で手続きするようになっています(親権者が引続き手続き出来ると明記している商品も有)立替払いするのが親だと、出来れば自分で手続きしたいという思いもあるのではないでしょうか。

使い切れなかった場合

  あとはやはり、使い切れなかった場合。大学の学費まで信託していても、受贈者自身が、高校卒業後就職したいと思う場合もありますし、不慮の事故による就学不能など、本人に責任のない場合でも、今のところそういった内容が記載されていない限りでは、残れば贈与税、になっていると思われます。その時に贈与者がお元気だった場合、トラブルのもとにはならないでしょうか。

 まだ始まったばかりであり、今後決まっていく詳細事項もあると思われます。上に述べた内容も細かい部分では変更になるかもしれません。

 いずれにせよ、贈与者、受贈者とその親権者とで、万一使い切れなかった場合等、事前によく話し合うことが必要だと思われます。くれぐれも、”資金贈与したから、大学まで進学して”と、受贈者に無理強いする事態にならないように。

《川﨑 純子》
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川﨑 純子

川﨑 純子

川﨑FP事務所代表   IT関連企業、税理士事務所勤務を経て、FP事務所開業。税金・年金分野が得意ですが、今後は福祉分野に力を入れていきたいと思っています。 <保有資格>:CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、福祉住環境コーディネーター2級、ビジネス法務エキスパート®、年金アドバイザー2級 寄稿者にメッセージを送る

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