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地方への移住を検討している方へ。私の経験から知っておいたほうが良いことをお話します(実生活編その2)

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地方への移住を検討している方へ。私の経験から知っておいたほうが良いことをお話します(実生活編その2)

1. 地方での生活時間


前回の「実生活編その1」に引き続き、今回は「その2」です。

コンビニもない島では、夜9時にもなると外は静まり返っています。飲み屋でもだいたい9時にはお客さんはほとんど帰っています。

私は今までは救急車や消防車のサイレンを毎日聞くような場所に住んでいたのですが、今はたまにしか聞かないので聞くとドキッとします。

夜が早い分朝も早く、夏の今頃は朝5時に起きてももうすでに多くの人が活動を開始しています。

「太陽と行動をともにする」

のは理にかなった行動です。

夜の活動時間を朝にシフトすれば、夜の照明の電気代も不要なので節約にもなります。

2. 地方での子育て

「子供は社会で育てるもの」と思いますが、それを実現しやすいのが地方ではないかと思います。

みんな顔見知りなので、不審な大人と一緒に歩いているとすぐにわかります。遊びに出掛けた子供を探すのに「どこどこで見たよ」と教えてもらえます。地域社会のつながりが防犯に役立つわけです。

学校帰りに駄菓子屋があると子供たちは寄り道しますが、お店のおばあちゃんもうれしそうで生きがいになっていると思います。

子供の人数が少ないので、運動会などのイベントで親が席取りをする必要もありません。

子供の転校

「転校」は子供にとって大きなストレスです。幼少期の頻繁な引っ越しは自制心や成績などに大きな影響を及ぼすという報告もあるようです。転校して友達を一から作り直すのには相当な労力がいります。

一方で、その地域が「転校生」に慣れていると子供の苦労も少し減ります。離島では2~3年毎に教師や警察官など公務員が定期的に異動になることも多いので、毎年のように転校生がやってきては戻っていきます

転校生が珍しがられることもなく、学校側も受け入れ態勢ができているので苦労も減ります

地方での子供の教育


海や山に囲まれた環境の子供は、たくましく育ちます。溺死を防ぐために着衣遊泳の授業があったり、小学生が島1周数十kmを踏破するイベントがあったりします。

また「探検」と称して班になって近所の商店をまわったり、「海浜教室」で磯の生物を観察する機会もあります。

高校卒業後の進路を考えたとき、都市部と違いがあります。地方の中でも、進学校は中核都市にあり、進学を目指すなら都市部のほうが環境は整っているとは言えます。

一方で今はタブレットなどで勉強できる環境も整っていて、塾や予備校に頼らなくても成果を出しやすくはなっています

離島の高校の特徴

離島の高校の特徴は、ほかに高校がなく選べないので、就職を目指す子供から進学を目指す子供まで一緒の学校に通うことです。

勉強への向き合い方は周囲に影響されるので、同じ目標を持つ生徒に囲まれたほうが一般的には成果は出やすいとは言えます。

一方で「みんな違って当たり前」といった多様性を受け入れられる感受性を育てるには、異なった進路希望を持つ生徒が周りにいて、お互いに刺激を与えあうことがいい環境なのかもしれません。

3. 地方での仕事・通勤

移住に当たっては、現役世代はまずは「仕事」をどうするかが最初の関門になると思います。

大都市での通勤ラッシュには本当にうんざりしますが、乗客同士のいざこざや痴漢犯罪も、すいていればそこまで起こらないだろうとも思われます。

通勤時間が長いと家から会社にたどり着くまでに気力・体力の何十%をも失うこともあります。

当然その後の仕事効率にも影響します。日本全体でどれくらいの経済損失になっているのでしょう。その点、地方の通勤は混雑・渋滞は少ないです。

テレワークが可能な職種、クラウドワーカーなどは比較的移住しやすいと言えますが、今後IoT化、AIの活用がますます進み、そのような働き方は増えてくるのではないかと思われます。

「働き方」についての意識

「ワーク・ライフ・バランス」をより意識するようになり、「働き方改革」が進んで「仕事以外の時間をきちんと確保する」といったライフスタイルが今後実際に浸透していくかもしれません。

経済的な豊かさだけではない、精神的に豊かな生活を送るために「地方に住む」というのは1つの有効な選択肢かと思います。

「人生で大切なものを意識して、実際に大切にして、日々生活していく」

といったようなライフスタイルは、都市部でももちろん可能かとは思います。

しかし地方に住むという経験があったほうが、自分や家族の人生についてより考えさせてくれるようになるようにも思います。自分にとっての「当たり前」が、そうでもないことに気づくいい機会になるからです。

海外赴任の経験のある人は、日本との生活環境の違い、特に仕事に対する考え方の違いなどを目の当たりにし、このような実感があるのではないでしょうか?


東京と地方のそれぞれの課題解決に向けて

狭い東京への一極集中は真剣になんとかすべき課題かと思います。テロの標的になったり、災害時に都市機能が一気にマヒすると被害は甚大です。過労自殺などの労働問題も地方のほうが率として少ないように思います。

個人的には、影響力があり第一線で活躍している人たちが例えばの話、港区の高級タワーマンションなどではなく(可能であれば)地方で日常生活を送ることで、都市と地方の課題解決に少しは役に立つのでは思うのですが。

今後都心のオフィスに通勤する必要がなくなれば、都市部にはない住環境を求めて人は地方に移り住むのでしょうか?

日本全体での人口減による課題は残りますが、まずは地方の核となる都市を中心に人口が分散するだけでも様々な「いいこと」があるように思います。(執筆者:日比野 岳)

【この記事シリーズの続編も読んでみましょう】
準備編」 
リスク管理編
実生活編その1
「実生活編その2」←今ここ

《日比野 岳》
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日比野 岳

日比野 岳

FPオフィス カントリー&ライフ 代表 1971年生まれ。京都大学大学院修了(食品生物科学)。味の素株式会社にて、研究開発・消費者調査・マーケティングなどに10年間従事後、翌年FP資格取得し独立。事業理念は「私はお客様一人一人になりきり、生活の質(QOL)の向上に貢献します」です。離島在住ですので、スカイプ等のオンラインにて面談を承ります。「結婚後のライフプランニング」と「節約お得生活」、「賢い住宅ローンの借り方」等の緻密な計算を得意とします。同世代の相談はお任せください。「相談してよかった!」といわれることが一番の励みです。写真、登山、旅行が大好きです。 <保有資格>:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者(日本FP協会)、総合旅行業務取扱管理者(国家資格) 寄稿者にメッセージを送る

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