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保険金受取人が認知症になると受け取れない 認知症と判断される前にやっておくべき3つの対策

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保険金受取人が認知症になると受け取れない 認知症と判断される前にやっておくべき3つの対策

推計:認知症患者は2025年に700万人超

65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患する(なってしまう)計算です。

今回はそんな時期が迫っている中、今のうちに対策をとっておくべきお話をさせていただきたいと思います。

認知症リスク対策

期待される生命保険機能とは?

皆様の多くは、葬式代等の準備、相続(税)対策、遺産分割対策、遺族の生活保障、などの目的のために生命保険に加入されていると思います。

なぜ、これらの目的のために生命保険で準備しているかというと、下記のような生命保険機能を期待しているからでしょう。

 
(1) 生命保険金は請求をすれば短期間(5営業日程度)で支払われる

(2) 生命保険金は受取人固有の財産のため他者の影響を受けない

(3) 生命保険金の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)がある

 

支払った保険料以上の保険金を期待してというのはもちろんです。

これらの機能は、口座が凍結される預貯金や遺産分割協議がまとまらないと自由にならない相続財産のことを考えると非常に都合がいいのです。

生命保険契約に登場する三者について

生命保険契約に登場する三者

生命保険契約には、次の三者が登場します。

1. 契約者

生命保険会社と契約をする人のことで通常、「契約者=保険料支払者」です。

契約の事務に関する一切の権限を持っております。

2. 被保険者

生命保険の対象者のことです。

この対象者に保険金支払事由が発生したら保険金が支払われます。

3. 保険金受取人

保険金請求権を持っており、この人が請求して保険金を受け取れる。
 
この三者の組み合わせがどうなっているかで、さまざまな対応(事務手続きや税金など)が変わってきます。

保険金受取人が認知症になると請求はどうなる?

保険金受取人が認知症になると請求はどうなる

上記のような機能を期待して加入する生命保険ですが、保険金受取人が認知症になると請求はどうなるのでしょうか?

それは原則、そのままでは請求できず結果、保険金を受け取ることができなくなります。

そもそも保険金を請求するという認識すらないかもしれません。

これでは、期待した生命保険機能が無意味なものになってしまいます

保険金受取人が認知症になった場合

通常、成年後見制度の法定後見を活用します

この制度を活用して後見人を立ててしか保険金受取人の代わりに保険金を請求できません。

保険会社によっては法定相続人代表者が代わりに請求できる場合があります。

しかし、法定後見制度は手続きが煩雑で時間がかかることや好きに後見人を選ぶことができず、身内でなく専門家が後見人に指定されると毎月数万円の費用が発生します

また、お金の使いみちも制限されたり、チェックされたりと非常に窮屈で使い勝手が悪いものと言われております。

保険金受取人が認知症になる前に対策をとっておくことが最も重要

保険金受取人が認知症になるリスクを回避するには結局、保険金受取人が認知症になる前に対策を打っておくことが最も重要です。

下記のような対策が候補として挙げられます。

対策その1:指定代理請求特約を付加しておく

この特約を付加しておけば、本来の保険金受取人が何らかの理由で請求できない事情があっても、あらかじめ指定された指定代理請求人が保険金受取人に代わって請求できます

対策その2:保険金受取人を変更しておく

認知症はある日突然、急に認知機能がなくなるものではなく、徐々に進行していくものです。

まだ、初期段階のうちに保険金受取人を変更しておくことです。

ただし、保険金受取人を変更すると、本来受け取らせたい相手に保険金を受け取らせることができなくなります

相続(税)対策や遺産分割対策で生命保険加入の場合は、保険金受取人変更には注意が必要です。

対策をとっておくことが最も重要

対策その3:生命保険信託の活用を検討する

生命保険信託とは、信託契約の一つで信託会社等に生命保険金を受け取ってもらい、その保険金を管理・運用して受益者である「本来の受取人」に財産を交付してもらうことです。

信託会社等に任せることにより確実です。

しかし、信託契約手続きの手間やかなりの費用が発生しますので、それなりの生命保険金が見込めなければ難しいでしょう。

その他、任意後見契約や家族信託も対策の候補にあげられるでしょう。

注:どういう対策を打ったらいいのかは、契約者・被保険者・保険金受取人の組合せがどうなっているかなどでも変わります

「認知症」の判断

「認知症になったら」と一口にお話してきましたが、認知症と診断されたらすぐにということではありません。

保険会社が面談などをして認知機能なしと判断されたらという意味です

それを考えたら、どこまで保険会社が保険金受取人の認知機能の把握ができるのかは実務上疑問は残りますので、その点はご留意ください。(執筆者:小木曽 浩司)

《小木曽 浩司》
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小木曽 浩司

執筆者:CFP認定者、1級FP技能士 小木曽 浩司 小木曽 浩司

リップ ラボ 代表 1969年生まれ。大学卒業後、新卒で大手住宅メーカーに入社。約10年間、戸建住宅や賃貸住宅の営業に従事。その後、生損保乗合代理店に転職し、生命保険を使った企業の決算対策や退職金準備などを提案・営業する。そして、平成18年(2006年)6月にリップ ラボ(独立系FP事務所 兼 生損保乗合代理店)を開業し、独立する。現在は、生命保険・損害保険・住宅(不動産)・住宅ローンをひとつの窓口で、トータルにご相談に乗らせていただいております。また、専門家のネットワークを構築し、税金や相続、登記などの相談の窓口にもなっております。 <保有資格>:CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、ライフ・コンサルタント、損害保険プランナー 寄稿者にメッセージを送る

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