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高齢者宅の耐震は大丈夫?耐震に関する自治体の支援制度を利用して耐震診断や改修費用の助成を受けよう 制度のポイント紹介

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高齢者宅の耐震は大丈夫?耐震に関する自治体の支援制度を利用して耐震診断や改修費用の助成を受けよう 制度のポイント紹介

日本は地震大国です。

ここ最近では震度5を超える地震も珍しくはなくなってきました。

大地震のあった地域では家屋の倒壊もあり、耐震に関心が集まっています。

しかしながら、家の耐震改修にはお金がかかり、改修工事を行うことが難しいという場合もあります。

今回は、そんな時に助けになる「家の耐震改修工事等の支援制度」にスポットをあててみましょう。

耐震改修工事には国の助成制度が受けられるケースあり

自治体によって助成内容が異なる

国は、令和12年までに「耐震性が不十分である住宅を解消していく」という方針を打ち出しています。

それを受けて、地方公共団体等が支援制度を講じています。

対象となる建物は、

建築基準法に定める耐震基準が強化される前の「旧耐震基準」で建てられている、昭和56年以前に建てられた建物

になります。

木造の一戸建てだけではなく、マンションも対象となる場合もあります。

耐震診断・耐震改修にかかる費用の一部助成

支援内容として多いのは、耐震診断・耐震改修にかかる費用の一部助成です。

具体的には、

  • 耐震診断や

  • 補強設計、

  • 建替や除却の費用

になります。

家族内に高齢者がいる場合、実家や住んでいる家が昭和56年以前に建てられた建物であることが、多いのではないでしょうか。

耐震性が不十分なまま現在まで住み続けており、もうこのままでも良いかと思っているかもしれません。

しかし、地震はいつ起こるか分かりません。

耐震改修は、本人や家族を身体的や金銭的に守るためだけではなく、周りの人を巻き込まないためにも必要なことです。

一度、耐震改修などの支援制度の活用を検討することをおすすめします。

地域によって支援内容が異なりますので、お住まいの市区町村の窓口にどのような支援制度があるのか確認してみてください。

参照:国土交通省 住宅・建築物の耐震化について

特に倒壊が心配な木造住宅への支援

市区町村の支援制度について、世田谷区を例に木造住宅への支援内容をみてみましょう。

令和5年度の申請受付は終わっていますが、参考としてご紹介します。

対象建築物

昭和56年5月31日までに着工した建物で、一戸建て住宅・兼用住宅、地上階が平屋建てもしくは2階建ての建築物などが対象です。

助成条件

個人所有の住宅で、住宅のまま耐震改修工事などを行うこと、住民税を滞納していないこと

などがあります。

耐震診断後に受けられる助成事業

  • 補強設計助成…助成限度額30万円

  • 耐震改修工事助成…助成限度額100万円

  • 除却工事助成…助成限度額50万円

など

注意点等

耐震化支援制度を利用するためには、契約前に区へ必要書類を持参し、事前相談を行う必要があります。

事前相談後は、区職員の現地での事前調査があります。

まずは耐震診断士の派遣の申請を行い、耐震診断が実施される場合は、区が耐震診断士を無料で派遣します。

助成金は、助成対象の工事代金の支払いが終わってからの受領になります。

参照:世田谷区 木造住宅耐震化支援事業パンフレット

申請書類をそろえたり耐震診断を受けたりなど、手続きが多いので、高齢者ひとりで手続きを行うことは難しいと予想されます。

また、業者との契約や耐震診断の立ち合いもありますので、家族の協力が欠かせません。

助成金額が大きいメリットはありますが、手続きが複雑というデメリットもあります。

しかし、耐震改修工事は、耐震性がない住宅にとって必要な工事です。

手続きで助成を受けることができるのであれば、頑張って手続きを行う方がメリットが大きいといえます。

工事費用の支払いが終わってから助成金の交付になるため、先立つものがないとあきらめてしまう方がいるかもしれません。

その場合は、【フラット35】地域連携型やリバースモーゲージなどの活用を検討しましょう。

参照:住宅金融支援機構【フラット35】地域連携型

耐震改修工事の必要な住宅にとって複雑な手続きを頑張るメリットは大きい

耐震シェルターや耐震ベッドへの助成もあり

地震発生時にすぐに逃げることが難しい高齢者の方やアパートなどで耐震工事が難しい際には、耐震シェルターや耐震ベッドの設置費用助成の支援制度の利用をおすすめします。

世田谷区を例に耐震シェルター、耐震ベッドの設置費用助成内容をみてみましょう。

こちらの制度も令和5年度の申請受付が終わっていますが、参考としてご紹介します。

助成対象者

65歳以上の方、要介護3以上の方で申請者の年間所得額の合計が200万円以下、区民税を滞納していない方などが対象となります。

助成金の額

耐震シェルター、耐震ベッドの設置に要する費用のうち、30万円

注意点など

助成対象者が住む家が、世田谷区木造住宅耐震改修工事助成金の交付を受けていないこと、賃貸住宅などの場合には建築物所有者の承諾が取れている必要があります。

また、助成金の交付決定前に業者との契約を行うと助成が受けられなくなりますので注意が必要です。

参照:世田谷区 耐震シェルター、耐震ベッド助成パンフレット(pdf)

助成の手続きの流れが複雑なため、耐震改修工事と同じように、高齢者ひとりで手続きを行うことは難しいです。

手続きには時間も手間もかかりますが、家族の命を守るために必要なことだと思い、家族で協力して行うようにしていきましょう。

工事自体は、1日で完成する耐震シェルターもあり、耐震改修工事よりも手軽と言えます。

価格についても、工事に比べれば抑えられている商品もあります。

今住んでいる家にいつまで住み続けられるか分からないし、お金もかかるからと耐震改修工事を迷っている方は、耐震シェルターの購入を検討してみることをおすすめします。

耐震シェルターを設置すると、部屋の見た目や使い勝手が変わりますので、高齢者の方の心身状態に合わせた商品を選ぶようにしましょう。

耐震改修工事よりも手軽に設置できる耐震シェルター(画像提供元:SUS)

悪質なリフォーム詐欺に気を付けて

地震の多い日本では、住宅の耐震改修工事などは重要です。

耐震性が不十分な住宅のおおむねの解消は、令和12年までの国の目標ですので、今後も何らかの支援制度がとられていくでしょう。

助成を受けられる条件に当てはまる可能性が高い方は、申請締め切りを確認し、今年度が難しい場合は、新年度の申請開始の情報がキャッチできるようにしておきましょう。

耐震改修工事を行う上で注意したいのは、詐欺の手口です。

悪質なリフォーム会社が「国の政策で耐震診断を行っています」と嘘をついて、高額な費用を請求するケースがあります。

だまされないためにも、耐震改修工事などに興味がある方はお住まいの地域でどのような助成制度があるのか、手続きはどのような流れなのかを必ず確認しておきましょう。

耐震改修工事などは、大きな金額が動く工事です。

本人や家族全員が納得して工事ができるように申請前・申請後の工事の段階で、その都度、話し合いをしていくようにしましょう。

《佐々木 政子》
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佐々木 政子

執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子 佐々木 政子

ケアマネージャーを7年経験して、現在は現役で老人ホームの施設長を務める介護のプロです。女性ならではの目線も入れながら、介護に悩み困り不安を持つ皆さまにお役立ち情報を提供していきたいと思います。我が家の親も要介護者です。同じ目線で不安と戦っていきましょう! 寄稿者にメッセージを送る

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