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金地金(きんじがね)を業者に売ったときの税金について

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金地金(きんじがね)を業者に売ったときの税金について

  Q:最近、金や白金の値段が上昇しているため、何十年も家のたんすに眠っている金の置物を業者に売却したところ、1000 万円で売却できました。この金の置物は専業主婦である家内のものですが、所得税の課税対象になるのでしょうか?課税対象になる場合、税金はどの程度かかるのでしょうか?

  解説

  最近、金の相場が上昇し、町のあちこちで金を買い取る業者が増えてきました。しかし、こうした金製品を売却した場合は総合譲渡所得に該当し、所得税が課税される可能性があります。

  1. 所得区分と計算方法
  金地金の売買を業務として営んでいない一般の方が、業者に売却した場合の所得は総合譲渡所得に該当します。総合譲渡所得は譲渡した物の所有期間により下記の2 つの区分に分かれ、それぞれ計算方法が異なります

  (ア)短期総合譲渡所得金額所有期間が5 年以内のもの)
  譲渡所得の金額=総収入金額-(取得費+譲渡費用)-50 万円(特別控除額)

  (イ)長期総合譲渡所得金額(所有期間が5 年超のもの)
  譲渡所得の金額={総収入金額-(取得費+譲渡費用)-50 万円(特別控除額)}×1/2

  2. 取得費が不明な場合
  ずっと以前からたんすに眠っていたなど、取得した時の金額が分からない場合は、取得費を収入金額の5%とすることができます。

  3. 税額のシミュレーション
  例)5 年より前から家にあった金を1000 万円で売却した収入がない主婦の場合(取得価額は不明)

  (1)長期総合譲渡所得の金額
  (1000 万円―1000 万円×5%-50 万円)×1/2=450 万円

  (2)所得控除
  38 万円(基礎控除のみ)

  (3)納付税額
  (450 万円―38 万円)×20%-427,500 円=396,500 円

  4. 平成23 年の税制改正
  「金地金等の譲渡対価の支払調書制度」が創設され、業者が200 万円を超える金地金を買い取った場合、税務署に支払調書を提出する義務が生じました。(平成24 年1 月1 日以後)

  要するに…

  最近、家に眠っている金を業者に買い取ってもらい、収入を得た人は多いのではないでしょうか。一定の場合、その譲渡益は譲渡所得として課税対象となりますので、確定申告を忘れないようにしましょう。なお、他に収入のあるサラリーマンが金の買い取りをしてもらった場合、上記のシミュレーションよりも税額が高くなるので、気をつけましょう。

《小嶋 大志》
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小嶋 大志

小嶋税務会計事務所 代表 税理士  一橋大学商学部卒業後、丸紅株式会社を経て西山会計事務所にて法人・個人の決算申告、相続税申告、株式の評価など担当。みらいコンサルティング株式会社・税理士法人みらいコンサルティング(旧中央青山PwCコンサルティング株式会社)国際ビジネス部部長を経て2010年1月より現職。 寄稿者にメッセージを送る

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