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確定申告で「扶養の範囲」はどこまでOK? 扶養親族の要件とは

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確定申告で「扶養の範囲」はどこまでOK? 扶養親族の要件とは

 もう3月に入り、確定申告も今からが勝負といったところですね。改めて申告書を前にして、なんとかうまく「所得控除」の金額を大きくしたいと思われる方も多いのではないでしょうか? 特に気になるのが「扶養控除」、「配偶者控除」、「配偶者特別控除」、などの人的控除。たった1人でも入れることができれば結構な額にはなりますよね。逆に1人でも抜ければ、痛しといった感じでしょう。

 さて実際、その「扶養控除」ですが、そもそも「扶養の範囲」、どこまでが入ることになるのか、ご存知ですか?

 扶養控除の対象者は扶養親族のうち、「その年12月31日現在の」、「年齢が16歳以上の人」 が、該当します。(昔は0歳~15歳までの扶養親族の方も扶養控除の範囲に入っていたのですが、平成22年度の税制改正により外れることになりました。)

扶養親族の要件とは

 では、「扶養親族」とは具体的にどこまでの範囲の方を指すのでしょう。赤の他人でもOKなのでしょうか?

 答えは、下記の4つの要件の全てに当てはまる人になります

(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)
又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること

(2) 納税者と生計を一にしていること

(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること

(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、又は白色申告者の事業専従者でないこと

 いわゆる”親戚”に該当される方であっても、年間の所得合計が38万円を超えていたり、事業の専従者として従事していたりしたらアウトになります。

 さてここで注意すべきは、(3)のところ。 「収入」と「所得」は、違います

 所得とは、分かりやすく言えば (収入-経費)です。給与所得の場合、「給与所得控除」という金額が、収入の額に応じて定められており、 給与収入-給与所得控除=給与所得、という計算になるのです。サラリーマンにも経費的なものを認めましょう、という趣旨ですね。

 ですのでたとえば給与収入が103万円であれば、給与所得控除は65万円なので、103万-65万=38万、となり、控除対象扶養親族としてはセーフになります。

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 では、給与所得以外に、不動産所得、一時所得、譲渡所得などがある場合はどうなるのでしょうか?

 この場合、年間の合計所得金額が38万円以下であればよいのです。

 例えば、給与収入が90万円、不動産所得が10万円だった場合。

 上記の計算により、(給与収入-給与所得控除)= 給与所得、になるので、給与所得は 90万円-65万円=25万円  合計所得金額=給与所得の金額+不動産所得の金額=25万円+10万円=35万円

 合計所得金額は38万円以下ですから、こちらもセーフになります。

※不動産所得も同様に、(不動産収入-各種の経費) になります。不動産の収入が10万円というわけではありません。

「生計を一にする」の意味

 おおよそは下記のような要件を満たすことと言われています。

(扶養される人と申告する人が)
・同居している場合は、生活する際の財源が同じであること
・同居していない場合は、生活費や学費などの仕送りがコンスタントになされていること

 要するに同居しているか否かは、関係ないことになります。遠い親戚に生活のための仕送りなどしている場合は、扶養の要件に当てはまるか、一度チェックしたほうがよさそうですね。(執筆者:中川 博史)

《中川 博史》
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中川 博史

中川 博史

整理士法人AIO 代表社員 大阪府豊中市出身。関西学院大学卒、その後朝日監査法人(現あずさ監査法人)にて勤務ののち独立し、平成17年2月に中川公認会計士税理士事務所を開設。現在は淀屋橋にてオフィスを構え、スタッフと合わせて総勢10名で大阪・東京を中心に、個人事業から大企業まで幅広く関与、会計・税務全般にわたっての幅広いサポートを行うほか、資産税に関する提案・海外資産への投資や管理等についての富裕層へのアドバイザリー業務等も積極的に行っている。 <保有資格>:公認会計士 / 税理士 / CFP 寄稿者にメッセージを送る

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