今年(2017年)から、地震保険料が大幅に変わります 値上がり&値下がり地域と保険料を安くする方法»マネーの達人

今年(2017年)から、地震保険料が大幅に変わります 値上がり&値下がり地域と保険料を安くする方法

今後30年間に太平洋側で震度6弱以上の地震がくる確率は7割以上



東日本大震災から5年。熊本県で大きな地震が起き、鳥取県でも震度6を記録する大地震が起き、地震に対して不安を抱いている方も多いことでしょう。

地震は、地域によっても起きる頻度は違いますが、地震調査研究推進本部のハザードマップを見ると、今後30年間に、東京や静岡など太平洋側で震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は70%以上あるようです。

そうなると、かなりの確率で建物に被害が出るケースが想定されます。

地震の被害は地震保険でしか補償されない


地震で受けた被害は、地震保険でしか補償されません。たとえば、地震で石油ストーブが倒れて火がカーテンに引火し、火事になったとします。その火が隣の家に燃え移り、隣の家が全焼したとします。

通常なら、隣の家からのもらい火で自分の家が燃えてしまった場合には、隣からの補償は受けにくいですが(よほどの過失がない限り免責になります)、自分が入っている火災保険で補償されます。

けれど、この場合には、隣の出火原因が地震なので、火災保険はおりません。つまり、地震が原因で起きるあらゆることには、地震保険でしか対応できないということです。

しかも、地震保険は、来年1月から料金改定され、地域によっては大幅に保険料が上がることが決まっています。さらに、来年の改定の料金には昨年決まったものなので、今回の熊本県や鳥取県の大地震の状況は織り込まれていません。

ですから、今後はいままで比較的保険料が安かった熊本県や鳥取県なども保険料が上がってくる可能性があります。

そこで今回は、地震保険について考えてみましょう。

各種割引をしっかり利用!



地震保険は、火災保険とセットでないと入れません。入れるのは、火災保険の30%~50%の保険金額の範囲内。

地震保険には、建物の保険と家財の保険があり、建物の上限は5,000万円、家財の上限は1,000万円です。

建物の場合、被害にあった状況で支払額が3段階に分かれます。その3段階とは、全損、半損、一部損。全壊は契約金の100%、半壊は50%、一部損だと5%の支払いです。この保険金の支払い方法も3段階から4段階に改定されます。

全壊とは、焼失したり津波で流されてしまったり、その建物の70%以上が破損したケース。半損とは、土台や柱、壁、屋根などの主要構造部分の損害が20%以上あって全損まではいかないケース。

一部損とは、主要構造部分が3%~20%未満のケース。地震で壁にひびが入ったなどという場合は、多くはこの一部損に該当します。

ただし、地震が発生してから10日経過後に生じた損害については、補償されません

都道府県によって保険料が違います


地震保険の保険料は、都道府県によって違います。地震保険には、保険料が安くなる割引制度も、いろいろあります

耐震基準が新しくなった昭和56年6月1日以降の建物は、「築年数割引」で10%の割引。耐震等級1~3をクリアしている建物は「耐震等級割引」で10%~50%の割引

基準をクリアした免震建築物は「免震建築物割引」で50%割引。耐震基準を満たす建物は「耐震診断割引」で10%割引ただし、この割引は、併用して使うことはできません

まとめて払うと安くなります


また、地震保険は、長期契約すると保険料が安くなります。1年払いよりも、2年分をまとめ払いすると1.9年分になります。

3年まとめ払いだと2.75年分の保険料、4年まとめ払いだと3.6年分の保険料、5年まとめ払いだと4.45年分の保険料になります。

地震保険に入るなら年内に、まとめて支払い、加入し続けること



冒頭で書いたように、地震保険料が来年1月から変わります。

たとえば、耐火構造の建物に1,000万円の補償を付けた場合、愛知県、三重県、和歌山県は15.3%の値下がり、北海道、青森県、新潟県、岐阜県、京都府、兵庫県、奈良県は3.6%の値下がり、大阪府は2.9%の値下がりですが、そのほかのところはすべて値上がりします。

東京都、千葉県、神奈川県、静岡県などは11.4%の値上がり

埼玉県は14.7%の値上がり、茨城県、徳島県、高知県は14.4%の値上がり


ですから、値上がりする地域で地震保険に加入しようと考えている方は、年内に手続きしたほうが安くなります

地震は、いつ、どこで発生するかわかりません。大きな地震が起きると怖くなって地震話保険に入るのに、しばらく地震がないとやめてしまうという人がいます。

けれど、やめた後に地震が来たら、それまでの保険料は払い損になります。ですから、一度加入したらずっと加入し続けることが大切です

そして、ずっと入り続けるなら、前述の有利な5年まとめ払いで入るのがいいでしょう。もし入らないなら、保険料を支払ったと思ってそのぶんは貯金にまわしておきましょう。

保険は地震後の当座の生活資金と考えよ


もうひとつ、心しておかなくてはいけないのは、地震保険では、倒壊した家を新しく建て直すことはできません

冒頭で説明したように、地震保険は最大でも火災保険の半額までしか補償を付けられません。火災保険が2,000万円の家なら、地震保険は1,000万円まで。それも、家が全壊したら支払われる額で、半壊だと500万円、最も多い一部損だと50万円しか支払われません。

ですから、地震保険は、家を建て直す資金というよりも、地震後の当座の生活資金と考えるものと考えておいたほうがいいでしょう

ちなみに、地震保険の保険料は、所得控除の対象。対象になるのは、所得税で5万円、住民税で2万5,000円。5年ぶんをまとめ払いしても、払った額の5分の1ずつの金額は、毎年、保険料控除になります。(執筆者:荻原 博子)

この記事を書いた人

荻原 博子 荻原 博子»筆者の記事一覧 http://www.ogiwarahiroko.com/

経済ジャーナリスト
1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「どんとこい、老後」(毎日新聞社)、「お金は死ぬまえに使え」(マガジンハウス)、「ちょい投資」(中央公論新社)など著書多数。

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