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【1棟貸しゲストハウス投資】2030年には6000万人を見込むインバウンド需要を最大限活かす「成功への5つの秘訣」

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【1棟貸しゲストハウス投資】2030年には6000万人を見込むインバウンド需要を最大限活かす「成功への5つの秘訣」

インバウンド需要が高まるなか、全国各地で積極的なホテル開発が進んでいますが、同様に個人投資家のゲストハウス投資や他業種が新規事業として宿泊施設へ投資・参入する動きが目立ってきています。

しかし、宿泊施設運営を成功させるためには建物やエリア等の見極めが非常に重要であり、また通常の不動産投資とは異なる視点も不可欠です。

今回は、社会問題にもなっている空き家に価値を見出し、ゲストハウスとして再生する際の着眼点や成功へと導く5つの秘訣を紹介します。

インバウンド需要を 最大限活かす 「1棟貸しゲストハウス投資」成功への秘訣



1. 宿泊者のターゲットを明確にする

ホテルや旅館とは違う1棟貸しのゲストハウスの場合、ターゲットを明確にすることが最も重要になってきます。

空き家の戸建てをリノベーションして宿泊施設にするので定員は広さにもよりますが4~10名程です。

マーケットを調査してターゲットとなり得る客層の仮説をたて、競合となる宿泊施設と差別化をはかり、1棟貸しのゲストハウスならではの強みを発揮できる道を探ってみましょう。

インバウンド需要の高まりと外国人特有の思考

駅の看板や電車内のアナウンスが多言語に対応し、街なかでも外国人を目にすることが多くなっている昨今、日常生活の中でも訪日外国人が急増していることを肌で感じます。

2013年に初めて1,000万人を突破して以降、2016年には2,000万人、2018年には3,000万人を超えました。

そして、政府は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年には4,000万人を目標とし、さらには2030年に6,000万人と掲げています。

また、訪日リピーターの数も年々大きく増加し、2020年には2,400万人、2030年には3,600万人を見込んでいます。

まだまだインバウンド需要が伸びることを期待し、政府は外国人観光客の誘致に向けて世界の一流ホテルを国内に50か所設ける考えを示しました。

「諸外国と比べて、日本には5つ星ホテルが少ない」のは確かですが、果たして5つ星ホテルを作っても需要があるのでしょうか。

さて、1棟貸しのゲストハウスの場合、外国人旅行者のグループを狙うべきなのは明らかですが、具体的には国まで考える必要があります

日本に1番多く来ている中国人は、ひとつ屋根の下で大勢が過ごすことができる「家族一緒」を好みます

また、地方に行くと、日本風の暮らしを「体験したい」という欧米系の外国人にとって1棟貸しのゲストハウスは魅力的であり、ホテルとの差別化ができるのです。

国内観光需要の変化

少し前までは、高齢化社会に向けてシニア向けの宿泊プランがよく目につきましたが、実際に「旅行年報2019」に記載されている性・年代別日本人国内宿泊旅行者数(2018年)をみると、男性20代、女性10代未満および10代以外は、前年と比べて減少しています。

観光に絞って前年からの伸び率をみると、特に男性60代以上で約2割減と大きく減少しており、シニアに時間とお金の余裕があるから旅行が増えるという訳ではないようです。

日本人国内宿泊旅行における延べ旅行者数の推移

≪画像元:画像元:公益財団法人日本交通公社「旅行年報2019(pdf)」≫

日本人は1年に何回旅行に行っているのか

先程の「旅行年報2019」を見てみると、下表のとおり宿泊旅行市場の5割以上のシェアを占める国内宿泊観光旅行では、

延べ旅行者数:
1億6,501万人/回

国民1人当たりの平均旅行回数:
1.30回/人

国民1人当たりの平均宿泊数:
2.14泊/人

となっています。

日本人の国内旅行における延べ旅行者数の推移

≪画像元:画像元:公益財団法人日本交通公社「旅行年報2019(pdf)」≫

これらのデータをまとめると、インバウンドを狙うべきなのは明確です。

先日、JNTOより2019年11月の訪日外客数が発表されましたが、全年同月比0.4%減の244万1,300人でした。

日韓関係の悪化などで韓国からの訪日客が65%減少したことも影響し、2か月連続で前年同月を下回ったという内容でしたが、市場別では韓国を除く19市場(中国・台湾・香港・タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピンなど)で単月過去最高を記録しています。

引き続き、国をあげて訪日客増加に向けた施策が実施されるため、乱立するビジネスホテルとは違うターゲットやコンセプトを設定する「1棟貸しゲストハウス」は、まだまだ需要が見込めます

2. 同一エリア内競合物件の稼働率や宿泊単価を調査

ターゲット設定の次に大事なのが、同一エリア内の競合物件調査です。

より現実的な収支シミュレーションを組み立てるために、競合物件の稼働率や宿泊単価を調査しましょう。

ご自身で調べる場合には、各種OTA(AirbnbやBooking.comなど)で大体の傾向をつかむことができます。

サイト内の検索画面でエリア、チェックイン・アウト日を入れ、宿泊人数(4~6人)を入力します。

検索結果一覧を表示し、地図でも表示できますので、周辺の単価を参考にします。

また、周辺の施設をひとつひとつクリックして、予約カレンダーの埋まり具合を見ておおよその稼働率を調べます

物件の位置情報だけではなく、観光地や駅、バス停の位置などを地図上に全てマッピングすることで、物件の利便性も同時に調査できます

ホテル業界ではメトロエンジンやMagicPriceなどの競合調査ツールを使用している場合もあります。

「レビュー(口コミ)分析」、「競合施設分析」や需要予測に関係する「イベント情報入手」、市場トレンド把握のための「地域データ分析」など、売上を最大限に伸ばすためには、データを活用した分析は開業後も必須です。

具体的にどのようなサービスやツールがあるのかは割愛しますが、民泊専門メディア「Airtair」で紹介されていますので下記をご参照ください。

民泊サービス業界マップ

≪画像元:民泊・ホテルテックメディア Airstair

3. 観光エリアへのアクセスや周辺のグルメ情報などを調査

次に重要となるのは、ゲストハウスを開業するエリアの強みです。

宿泊客が食事できるレストランの充実度や、観光スポットへのアクセスなどを調査します。

そもそも、訪日外国人が日本に来て最も楽しみにしていることは何でしょうか。

じゃらんリサーチセンターが発表した「訪日外国人に人気の観光体験ランキング」を見てみましょう。

訪日旅行で経験・実施したこと

≪画像元:Recruit Lifestyle じゃらんリサーチセンター「訪日外国人に人気の観光体験ランキング(pdf)」≫

訪日外国人の上位には「自然景観を楽しむ」がラインクインしています。

ゲストハウスから近いインスタ映えスポットや神社仏閣、桜や紅葉、温泉などの日本らしい文化が体験できるスポットを調べ、アクセス方法も事前に調べておきましょう。

また、ゲストハウスでは食事の提供がないため、近隣の飲食店やコンビニ・スーパーなどを調べておくことも重要です。

訪日旅行で飲食してみたいもの

≪画像元:Recruit Lifestyle じゃらんリサーチセンター「訪日外国人に人気の観光体験ランキング(pdf)」≫

ひと昔前は「寿司」、「天ぷら」、「しゃぶしゃぶ」のイメージがありましたが、上記の訪日外国人が「今後、訪日旅行で飲食してみたいもの」を見ると、「回転寿司」や「スープカレー」、「なめろう」など、より具体的になっていることがわかります。

また、近所に観光農園があるとフルーツ狩りも案内できて喜ばれるかもしれませんね。

SNSや情報メディアの発達で日本に来る前からいろいろ調べている訪日外国人も多いため、日本人の私たちでは想像もつかないような体験を求めていることもあります。

訪日外国人を対象にしたアンケート調査は毎年行われており、調査結果も発表されていますので、とても参考になります。

4. 物件の強みを生かしたリノベーションプランの策定

紹介しているゲストハウスは、空き家に価値を見出してゲストハウスにするため、新築とは少し異なります。

立地やハード面など物件の持つ強みを生かして、魅力的な旅館にするリフォームプランを考えます。

初期投資費用は開業後の利回りに影響を与えますので、予算を超過しないよう管理することが大切です。

しかし、費用をかけるべきところはかけないと、競合施設との差別化が難しくなります

せっかくの物件がユーザーに探してもらえずに埋もれてしまえば宿泊予約が入らない危険性もありますから、注意が必要です。

実例として、京都にある築40年の古民家をゲストハウスに蘇らせた例をあげたいと思います。

昔の住宅らしく土間があり、コンパクトながらも掘りごたつや丸格子などで日本の住宅を再現しました。

また、装飾品でアートの要素を入れて内装にメリハリをつけるほか、丸窓を採用してデザイン性を持たせる提案がオーナー様に好評でした。

リノベーションプランスケッチ

5. エリアや物件の特長を生かし、ニーズにマッチしたデザインを施す

内装には藍染のファブリックや木版画を使用するなど、日本らしさや京都の魅力を発信できる宿泊施設になってほしいとの願いを込めてデザインしました。

訪日外国人の需要が高いシーズンは宿泊施設としてゲストを迎えているほか、オーナー様の自己利用や知人・友人を招待したいというニーズにもお応えできるよう上質感も意識しています。

内装素材・設備

個人投資家も企業も参入できる1棟貸しゲストハウス事業

今回は、空き家を再生した1棟貸し旅館・ゲストハウスを作るときの重要なポイントを説明しました。

・インバウンド需要などの外的要因の調査を行う

・ターゲット分析に時間をかけて、エリアの強み・物件の強みを最大限に生かす

・選ばれる宿泊施設にするにはどうすればよいのかを常に考える

ことが、ゲストハウス運営を成功に導く秘訣です。

現在、日本各地で問題になっている空き家の活用法として私が提案しているのが「ゲストハウス事業」です。

空き家を1棟まるごとリフォームして宿泊施設として蘇らせ、活用できる不動産にコンバージョンします。

このような取り組みは、社会的にも非常に意義のあるものであると考えます。

個人投資家だけではなく、新規事業参入を検討している企業やベンチャーに投資を考えている大企業まで、幅広い方々がスタートできる将来性のある事業ではないでしょうか。(執筆者:浅見 清夏)

《浅見 清夏》
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浅見 清夏

浅見 清夏

ハウスバード株式会社 代表取締役社長 ・青山学院大学 卒(在学中、上海・復旦大学に留学) ・アクセンチュア(株)戦略コンサルティング本部勤務 ・中国・上海にて、幼児教育事業 レインボーバード幼児教室を起業後、ヤマトキャピタルパートナーズに売却 ・政府系VC・産業革新機構にて投資サイドで勤務 寄稿者にメッセージを送る

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