アセットアロケーションとは 資産配分の方法はマーケット状況で変わる»マネーの達人

アセットアロケーションとは 資産配分の方法はマーケット状況で変わる

アセットアロケーションとは



アセットアロケーションとは、投資の基本的な考え方の一つです。運用に伴う様々なリスクを低減しつつ、効率的なリターンを目指す上で、投資資金を複数の異なった資産(アセット)に配分(アロケーション)して運用することを言います。

つまりアセットアロケーションとは、最低限のリスクでもっとも効率的な資産配分は何かを探るものです。ファイナンシャルプランナーがよく語っていて、金融機関もお客様に商品販売の際に用いているようです。

主にその分散する先の資産(アセット)には、日本株式、世界株式、日本債券、世界債券、不動産、オルタナティブ、コモディティ(商品)があります。

投資する人(FPや金融機関から見ればお客様)が許容できるリスクの度合いや、求める期待収益率(リターン)から、資産をどのように分散するのがよいかを、具体的にどこに何パーセント配分するかを決めるのです。


日本債券に資産を配分する必要はあるのか



アセットアロケーションの際、なぜ日本債券に資産を入れなければならないのかがずっと疑問でした。

ある人に聞けば、それは、昔の教科書にこだわるあまり、日本債券というものが残っているのだとの答えで、今の日本債券の状況ではあえて資産を入れる必要はないと言っていました。

でも多くの人、というかアセットアロケーションを語る人すべてが、日本債券への資産配分を取り上げています。

今後株価が上昇するとするなら債券価格は下落します。ましてや今は日銀が積極的に国債を買っていて、かなりの低利回りになっています。どう考えてもここから債券価格が上昇することは考えられません。

上がらない資産に、なぜ資産を配分しなければならないのでしょう。

国債そのものへの投資であれば、年2回の利払いが出ますので、満期まで持って入れば、発行体のデフォルトがない限り、ほぼ投資資金はプラスになります。しかし公社債投資信託だと、分配金は再投資され、結局は売却益頼みとなり、その投信自体の価格上昇が期待されない以上、公社債投資信託を買う意味がないといえるのではないでしょうか。

いまだにアセットアロケーション理論を展開する際には日本国債への資産配分があることが、まさに時代を無視した、単なる昔の教科書どおりの話をしているだけに過ぎないと思われます。

私たちは投資家としてのリテラシーを高めることは重要です。それはセルサイド(金融商品売り手側)の情報を鵜呑みにしないということでもあります。金融の世界において(それは保険や不意動産も含めて)、「良い」商品とは、売り手側にとって「都合の良い」商品であることが多いことを忘れないように。


資産配分の方法はマーケット状況で変わる



リスクテイクの壁を自分で乗り越えて、リターンを追求する姿勢が投資家として大事です。リスクを考えることは資産管理にとって重要です。それは投資をするうえで当たり前のことです。多くの個人投資家に欠けているのはこの資産管理で、すぐに全力買いを行います。資産分散も大事ですが、その前に投資する金額と現金で持っておく金額をきちんと分けておくことが重要です。

分散先のカテゴリーは、マーケット状況によって異なります。直近ではREIT指数は下落しています。いくら長期で見るとはいえ、不動産市況は株式とは違います。同じ目線で不動産市場と株式市場を見てはいけません。性質がぜんぜん違います。

むしろ投資する金額と現金保有の割合をしっかりと決めることです。持っている資産を全部投資するということはよくありません。投資シナリオを立てて、この投資先にお金を入れたら早く決済するとか、この部分は長期で見てみるとか、それぞれで投資戦略を変えていくことです。

戦術(目先の儲けるためのテクニック)に走るのではなく、大まかな戦略(相場環境を理解して投資先を選び、投資期間もそれぞれで考える)を立てることが重要なのです。


変化読み取り、投資リテラシー高める努力を



インド株がいいとかトルコリラが儲かりそうという概念で、金融機関に言われるがままに飛び込めば、多くの場合失敗することが多いと思われます。

また、よく年齢別年代別投資とか女性向け投資とか、あたかも特別なものがあるかのように言われますが、そもそも投資は相場環境を見て行うもので、年齢や性別で投資の仕方が変わるものではありません。アベノミクス初動のときは、年齢に関係なく、男性だろうが女性だろうが、投資をすべきだったのです。

年齢年代で投資を区別するとするなら、それは総資産のどれくらいをリスク資産に振り分け、どれだけのキャッシュを手元に残すかの違いではないでしょうか。

誤解を恐れずに言うならば、若いときは投資への拠出額も少ないので100%リスク資産に投じるのがよいと考えています。

大事なのはなぜ投資をするのか、何のために投資をするのか、そのためにリスクをとる覚悟があるのかないのかということです。女性に関しても同じで、一般的に女性は投資の知識がないと思われているのでしょうし、女性はリスクを取りたがらないというイメージで語られているのではないでしょうか。

会社勤めの男性の方も、投資の知識が低い方、投資を敬遠する方は多いです。それは女性に限った話ではありませんね。マーケット関係者でも多くの女性が大変活躍されています。ようは本人が投資と向き合う意志があるのかないのかです。

投資をする上で、教科書が必ずしも正しいわけではない、ましてやマーケットは生き物で、その状況は刻々と変わっていくものです。その変化を読み取ることこそが大事なのですね。長期投資でもマーケット変動チェックは重要です。いったん組んだ分散バランスも定期的に見直すことは重要です。

楽して儲けることはできません。ましてや人任せで運用なんてできるはずがないのです。当たり前の話なのに、ここを忘れているから騙されるのです。私たち一人ひとりがもっと投資リテラシーを高める努力をする必要がありますね。(執筆者:原 彰宏)

この記事を書いた人

原 彰宏 原 彰宏»筆者の記事一覧 http://www.spway369.com/

株式会社アイウイッシュ 代表取締役
関西学院大学卒業。大阪府生。吉富製薬株式会社(現田辺三菱製薬株式会社)、JTB日本交通公社(現(株)ジェイティービー)を経て独立。独学でCFP取得。現在独立系FPと して活動。異業種経験から、総合的に経済、企業をウォッチ、金融出身でないことを武器に「平易で」「わかりやすい」言葉で解説、をモットーにラジオ出演、 セミナーや相談業務、企業労組の顧問としての年金制度相談、組合員個別相談、個人の年金運用アドバイスなどを実施。個人投資家として、株式投資やFX投資を行っている。
<保有資格>:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP

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