ふるさと納税は2008年から実施されています。
各自治体へ寄附をすることにより、寄付金額の内、負担金2,000円以上の支払った金額に対しては税金控除が受けられるシステムとなっています。
また、各自治体より返礼品として、各地場産などの特産品が送付されて来ます。
このように非常に良い制度と言えるふるさと納税ですが、システムそのものは国が構築しています。
国のルールに則って運用されているため、税控除を受けるためには申請などの手続きをする必要があります。
こごては、税控除するための申請方法についてご説明させて頂きたいと思います。
税控除を受けるための方法について
先述したように、ふるさと納税はお金を各自治体に寄付して、返礼品をもらって終わりというわけではありません。
きちんと税控除を受けるための申請を行わなければならないのです。
申請方法は2通りあり、
1. ワンストップ制度を活用して自治体に書類を送付して税控除のための手続きをしてもらう方法
2. 自分で税務署で確定申告を行う方法
があります。
ワンストップ制度と確定申告の違い
ワンストップ制度とは、各自治体に申請書を送付することで税控除の手続きを行ってくれるものです。
申請書とマイナンバーに関する資料などを同封して各自治体に送付するだけでOKです。
確定申告は、自分で税務署に行って申請を行うこととなります。
ここでは、各自治体より送付されて来る寄付金受領証明書を添付し、税務署で定められている所定様式に必要事項を記入して提出をすることになります。
確定申告を行うことのメリットについて
ワンストップ制度は税控除を受けるための手続きが簡単であるため非常に便利ですが、5つまでの自治体にしか寄付することができないという限定条件が付与されています。
例えば、欲しい返礼品が複数に渡ってある場合、5つの自治体までに絞って選ぶ必要かせあります。
しかし、確定申告を行う場合では、この5つの自治体までという限定条件が解除されます。
欲しい返礼品が複数あれば全ての自治体に寄付することができるのです。
また、税控除についても仕組みが違ってきます。
ワンストップ制度では、住民税から税金が「控除」されることとなります。
勘違いされておられる方も多いのですが、あくまで「控除」ですので、お金が戻ってくるわけではありません。
給料から住民税を天引きされておられるような方については、例えば、本来支払わなければいけない月々の住民税が2万円だったと仮定すると、ふるさと納税に伴う税控除を適用させると月々1万5,000円になるといった仕組みとなっています。
しかし、確定申告をすることによって全額ではありませんが、「還付」されるお金も発生します。
例えば、年収が600万円の人は所得税率が10%となります。
仮に6万円を寄付したとすると、実質自己負担額は2,000円となります。
所得税から還付されるお金は、寄付金6万円の10%で6,000円となります。
残りは住民税となりますので
寄付金:6万=所得税還付額:6,000円+住民税控除額:5万2,000円+自己負担額:2,000円
となるわけです。
このように、確定申告を行うことによって、手元に現金として戻って来る「還付」と天引きされる住民税より「控除」されるものが発生します。
また、小さな話かもしれませんが、ワンストップ制度の書類を郵送するのに自己負担となります。
仮に5つの自治体に書類を送付するとなると、410円かかることとなりますので、この諸費用についても削ることができます。
便利な確定申告方法について
具体的に、確定申告とはどのように行うのかということです。
税務署に行くと、確定申告に必要な書類を無料でもらうことができます。
そこに計算により算出した各項目ごとの金額を記入していき必要事項を記入します。
必要事項の記入にあたっては計算方法なども理解しなければならないことから非常に難解であると言えるでしょう。
しかし、国税庁のホームページに「確定申告書等作成コーナー」というものがあります。
≪画像元:国税庁≫
ここでは、必要事項を入力するだけで自動的に所定様式へ計算結果を反映させて申告書を作成することができるのです。
手元に源泉徴収票と寄付金受領証明書を用意して、作成を進めるだけです。
煩わしい税金に関する計算を一切することなく、所定様式へと反映させてくれますので、大変便利です。
最初は見慣れないかもしれませんので作成に時間がかかるかもしれませんが、一度作成すると容易さがお分かりいただけるかと思います。
年1回しか作成しませんが、次の年からは慣れていれば30分程度で作成することが可能となります。
手続きは思った以上に簡単です
以上、ふるさと納税に伴う確定申告についてご紹介させて頂きました。
最初は確定申告と聞くだけでものすごくハードルが高いと感じてしまって忌避される方もいらっしゃいます。
私自身もそうだったのですが、実際に確定申告をしてみるとものすごく簡単であったため、今では毎年確定申告をするようになりました。
確定申告をすることのメリットも非常に多くありますので、ぜひともご利用されてみては如何でしょうか。