知らなかった人も多いのではないでしょうか?株式投資は売らないことが基本です。しかし、巷では「利益確定が・・・。株式投資は売り時が難し・・・。」との常識が一般的ではないか!そうお叱りを受けるかもしれませんが、僕の初めての寄稿では、株式投資に向かう際の基本中の基本スタンスからご紹介していきたいと思います。

  もう一度、株式投資とは何か?と確認をしてください。私だけでなく他のサイトやさまざまなテキスト、書籍を見て下さい。「株式投資は、企業の株主となることで、企業活動に必要となる資本を提供する現在の資本主義社会には不可欠なもの。」と書いていませんか。または、「株主となることで企業を応援し、企業の成長の結果である株価の上昇を資産形成に利用する手法。」とも。これが本来の株式投資です。

  ただし、綺麗事の机上の空論で本コラムを埋めるつもりはまったくありません。現状も見なければいけません。現状を見ると。「株式投資は買う時以上に売る時の見極めが大切。」「利益確定して初めて価値が出る。」との教えが世の中を席巻しています。この矛盾はどこから来ているのでしょうか?

  この矛盾は株式投資との言葉を拡大解釈していることから起こっています。本来の株式投資の意味は先述のように、企業の株主になって・・・となります。確認していただきたい点は、ここには、チャンスがあれば株式を売り飛ばしてしまおう!との概念は見当たらないことです。

  一方、一般的には株式投資と呼びますが、本当は間違った使い方をしているものに、「株式を使ったトレード」があります。トレードは本来投資とまったく異なる概念であるにもかかわらず、曖昧な日本人の感性の中で同じように使っているのです。

  この違いは英語にしてみるとよく分かります。投資はinvest。一方のトレードはtrade、で違う単語になります。トレードを株式投資の一つだと考えるのであれば、株式投資は利益確定が大切!となります。しかし、株式投資本来の意味を「株式投資」とすると、株は売らないものなのです。

  デイトレードは明確にトレードですが、それ以外にも、エコやこれからは水だ!等などのテーマで株式を選んでいるときも、その企業を好きになって投資していますか?株価が上がればすぐに売ってやろうと思っていませんか?配当を期待して・・・と言いながら、配当期待で他の投資家も購入するだろう。であれば、株価は上がるだろうからその前に先回りして・・。そんな風に考えていませんか。それは、れっきとしたトレードです。

  投資と株式を使ったトレード。この2つの間には大きな違いがありますが、その違いを認識せずに同列としていることが、現在の日本の株式投資全体における不幸であり、個々の投資家の運用成績にとっての不幸となっています。どちらが優れているのかの議論は行いませんが、2つの混同が良くないことは明確です。

  2つの混同によるもっとも大きな弊害は、

1.投資と思って株を買っている。(焦点が初めからぼやけています。これでは株式投資で利益を上げられません。)

2.株式初心者講座で開始早々チャートを取り出し、「株なんて言うものはゴールデンクロスで買って、デッドクロスで売ることが基本です。」と切り出している。初心者が所詮株式等はギャンブルなんだと思ってしまっている。(トレーダー養成講座で募集しているのであれば問題ないのですが。)

3.本当の投資を志そうとしている投資家が、余りにもギャンブル化しているトレードの情報ばかりに触れることで、株式市場から遠ざかっている。(元気なのは緩くなった信用規制を利用するトレーダー。)

4.株式関連のテキストや書籍を見ても、混同したものまたはトレードについて書かれたものばかりで、投資について学習すらできる機会がない。

  経済新聞までがトレーダーを平気で「個人投資家」と表現する時代です。2つの区別は非常に難しいのですが、株式投資はここから始まります。自分は「投資」を行うのか、それとも「トレード」を行うのか。どちらでも良いのですが、着目点はまったく異なります。そして、圧倒的に簡単なのは「投資」の方です。

  具体的な投資とトレードの相違点。投資限定のメリットの数々。追々本コラムでも情報発信して行きたいと思います。株式は「売らない!」ものです。「売らない」株式投資がこれからの時代に求められています。