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徳川家康に学ぶ「事業承継」 冷静な現状把握や後継者の指名と育成

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徳川家康の事業承継

  江戸幕府初代将軍、徳川家康の将軍在位をご存じですか。関ヶ原の戦いが1600年だから、15年くらい?いやいや、正解はたったの2年です。

  家康の在位期間は、<最後の将軍>徳川慶喜の1年に続く、ブービーで、年若くして亡くなった、7代将軍家継(在位3年間、8歳で死亡)よりも短い。 歴代の将軍には、在位50年の将軍(11代、家斉)もいます。

   将軍就任時(1603年)は、関ヶ原で勝利したとはいえ、豊臣恩顧の大名大勢がいたし、第一大坂には豊富秀頼も健在でした。徳川家で将軍を世襲する。と内外に宣言する意味もあり、わずか2年で息子の秀忠に譲ったということもあるでしょう。

  しかし、この秀忠、関ヶ原の戦いでは、本隊ともいえる精鋭部隊(約4万)を預けられたにもかかわらず、真田昌幸、真田幸村の父子率いる長野の上田城攻めで散々に打ち負かされて、とうとう本戦に間に合わず、家康から大目玉を食らっています。

  さすがの家康も頼りない後継者に、相当憂いがあったでしょう。第2の意味は、秀忠及び若い側近家臣に、経験を積ませ、家康自身は<大御所>として、大所高所から意見を述べ、後継者を育てていこうと考えたのでしょう。

家康の事業承継を現代に応用

  現在に目を移すと、中小企業の経営者の平均年齢は58歳で、6歳近く上昇しています。「まだまだ元気だし、若い者には任せられん!」などと思っていても、社長自身に万が一のことがあった場合、社会の内紛や兄弟の骨肉の争いで、社長が汗と涙にまみれて創った会社も無くなりかねません。

  家康でさえ、約10年を掛けて、『徳川幕府』という、組織を盤石にしたからこそ、265年目立った大戦争もなく、平和な世を迎えられたと言えましょう。

  まずは、家康が『現状を冷静に把握』したように、自社の株式や、事業用資産の所有状況など、会社の事業の現状をしっかり把握することが必要です。ご自分の代で処理できる問題、例えば「借入」などは、可能な限りしっかり処理しておくことが必要です。

  また家康は、3代将軍に秀忠夫妻が可愛がっていた次男ではなく、長男の竹千代を指名しています。

  これも重要なポイントです。後継者候補が複数いる場合には、内紛や分裂を起こさないように、現経営者が現役のうちに後継者を指名することが必要です。加えて家康が<大御所>として、背後からバックアップしたように、社長が会長や相談役として、後継者の経営をバックアップして、後継者に段階的に権限を委譲していく方法も考えられます。

  経営者の悩みは尽きませんが、最後に家康の遺訓をひとつ「人の一生は重き荷を負うて 遠き道を行くがごとし いそぐべからず」。いざという時に慌てないように、元気な今のうちに出来ることから、計画的に手をつけていきましょう。

《中森 学》
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なかもり行政書士・FP事務所代表 商工会議所で10年間勤務後、独立、シニア世代の資産設計や遺言書作成などの相続関係を主業務としております。また基礎から分かりやすく経済問題を解説します。 <保有資格>行政書士、2級FP技能士、貸金業務取扱主任者、マンション管理士、管理業務主任者 寄稿者にメッセージを送る

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