来年4月1日から消費税が5%から8%に引き上げられることが正式に決まりました。

 消費税の3%アップにより税収は約5.1兆円の増収が見込まれますが、このうち4.6兆円は現在の社会保障制度を維持する「安定化」に使われ、残りの5千億円は、保育所の整備など待期児童対策に3000億円、医療提供体制の改革などの医療・介護に2000億円が充てられる予定です。

 待期児童対策は保育所の整備や保育士の雇用の拡充に使われ、医療・介護分野では低所得者の国民健康保険料軽減策や難病患者への医療費助成などに使用される模様です。2013年現在、国・地方併せて社会保障費は約38兆円ですが、2017年には約45兆円に上昇すると見込まれます。

 つまり、今後も消費税を上げていっても社会保障費の増加が上回るため、2015年には相続税の控除額の引き下げをすることで、実質相続税の増税が予定されています。

 また、消費税率が10%になる2015年に「軽自動車税」を増税する方向を打ち出しています。

 これまで、政治家は負担は少なく、給付を手厚くという、国富の再分配を行うことで、選挙を戦ってきたのですが、今後は国民に負担を求める政治に変化していくことでしょう。

 現在の社会保障制度は、現役世代から高齢世代への所得移転によって成り立っています。公的年金の保険料が、自分の支払った保険料を将来自分が受け取るのではなく、現在の高齢者の年金に充てられている事は、理解されている方も多くいらっしゃると思います。

 健康保険料もその内訳は、自身の医療費分+後期高齢者支援分+介護分(40歳以上)となっており、被用者保険全体で、後期高齢者支援金3.1兆円 国保への前期高齢者納付金2.8兆円を拠出しています。

 2015年には、15歳から64歳の生産年齢人口が60.7%に対し老齢人口(65歳以上)は26.8%ですが、2030年には58.1%対31.6% 2055年には51.2%対39.4%と確実に現役世代の負担率が上昇していきます。

 社会保障改革というネーミングは、これまでの制度より良くなるイメージを持ちますが、実際には社会保障制度減少策となっていくと、思われます。

 アメリカでの、共和党と民主党がオバマ大統領の新医療保険制度の導入に対し、デフォルト寸前までいった対立を見ましても、今後の社会保障のありかたには、他人事ではすまない時期がきたと考えられます。(執筆者:渡邉 誠)