皆さん、こんにちは。今回は「相続の実状」というテーマで述べたいと思います。まず「相続」に関する事を述べていくにあたって、国税庁が発表した税務統計「相続税関係」という資料にもとづいて、相続の実状を述べたいと思います。

相続財産は不動産が減少傾向、現金・預貯金が増加傾向に

1.相続税の対象者

 皆さんは、相続税がかかる人の割合は、全体のどれくらいだと思われますか?

 一般的には、約4~5%つまり「100人に4~5人」と言われています。国税庁が発表した「相続税の申告状況」という資料によりますと、死亡して相続税の課税対象になった人(被相続人)は約5万人で、課税割合(被相続人全体に占める割合)は4.2%となり、前年と比べて増加しています。

2.相続財産・相続税

 相続税の課税価格(つまり相続財産の事)は、10兆4,470億円、納税額は1兆1,754億円で、前年に比べ、こちらも課税価格・税額、全て増加しています。

3.相続財産の内訳

 大きく構成比の内訳で見ますと、土地:48.4%、現金・預貯金等:23.2%、有価証券12.1%となっており、土地の構成比が約半分を占めています。前年と比較すると、土地は減少、現金・預貯金等は増加、有価証券は微増しています。土地の減少は、数量ではなく、最近の不動産市況を反映したものでしょうね。

 ただこの事から分かる事は、相変らず財産と言えば、やはり土地・家屋といった不動産が多いという事です。

 皆さんの中には、ご両親が資産家の人もいらっしゃると思いますが、相続対策を考える時には、この不動産をどうすべきか?これがポイントですよ!その為の勉強は、欠かせませんからね。

 次に分かる事は長期的に見た場合、不動産の比率が減少して、現金・預貯金等の比率が上昇しているという点です。

 これは、やはり資産家の場合は相続税の納税資金を準備しなければいけないからでしょうね。相続税がかかる富裕層の人達は、今所有財産を不動産から分割・納税しやすい現金・預貯金等にシフトしているのかもしれませんね。

 以上が、国税庁が発表した資料にもとづいた相続の実状です。

ひとごとではない相続 トラブルは年々増加

 でもほとんどの人が、「相続なんて、うちは関係ない」と、思った人が多いのではないでしょうか?

 相続税はかからないにしても、遺産分割の問題や、次回以降述べる「配偶者の税額軽減」や「小規模  宅地の減額特例」等の特例を使うと、相続税を払う払わないに関わらず、相続税申告書の提出が必要になります。

 又、遺産分割のトラブルから、家庭裁判所に持ち込まれる案件は、年々増加しているのが実状です。つまり相続税がかかる、かからないに関わらず、相続に関するトラブルは多発しているようです。

 その為、相続に関するトラブルを少しでもなくすという意味から、決してひとごとではなく、しっかり勉強して下さいね!今回は、ここまでです。(執筆者:大川 正吾)