私は年金事務所で月に6~7回年金相談員をさせて頂いています。取り扱う業務の大きなものにいわゆる「宙に浮いた年金記録」に関することがあります。

 ご本人から『自分はこの記録が抜けている期間もどこどこに勤めていた』というようなお申し出があればいろいろな方法で検索し探します。すぐに見つかるケースはそれほど多くはありませんが、その場で見つからなくてもマイクロフィルムに当たって見つかることもあります。

 亡くなった方の最後の年金(未支給年金)の手続に遺族がいらしたときにも必ず検索をします。女性の場合、旧姓での記録がそのままになっているケースがよくあります。

 先日も80代後半で亡くなった女性の旧姓で勤めていたときの記録が13年分見つかりました。その方が受給を始めた60歳に遡って年間約70万円の差額が遺族に支払われます。2000万円ほどになります。

 この遺族は2000万円というまとまったお金を手にすることになるのですが、もしそのおばあさんが普通に60歳から毎年70万円ずつ多く年金を受け取っていたとしたらおそらく現在2000万円まとまった額で残ってはいなかったでしょう。

 例えば毎月5万円30年間積み立てをすれば2000万円になるわけで、あらためて積み立ての効果を考えさせられました。と同時に、よく退職までに年金の他に3000万円位用意しておくと老後は安心というようなことを言いますが、年金の方は年額いくらという計算はしてもあまり総額では考えていないことに気づきます。

 それは何歳まで生きるかわからないので、総額が計算しにくいことによるからでしょう。

 しかし老後生活資金のシミュレーションをするにあたっては、年金、手持ち資金のどちらも年額(月額)と総額をどちらもきっちり把握することが大切なので、私たちはお客様にそのあたりをわかりやすく説明しなければと思います。(執筆者:高橋 良子)