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「リノベーション(リフォーム)」で相続税節税・遺留分対策をしよう

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「リノベーション(リフォーム)」で相続税節税・遺留分対策をしよう

 相続に関するお悩みの中でも、遺産分割に関する問題は多いかと思います。なかでも『遺留分』は、相続における永遠の課題のひとつといえるかもしれません。

 遺留分とは、一定の相続人が最低限相続できる財産の割合のことをいいます(具体的な割合については図をご覧ください)。遺留分が侵害された場合、『遺留分減殺請求』という手続きによって遺留分を取り戻すことになります。


 今回は、遺留分に関してよく聞く、代表的なお悩みを挙げてみたいと思います。

1. 結局いくらの金額を受け取ることができる(支払わなければならない)?

 民法上は遺留分について、取得割合しか記載されていません。仮に遺留分割合が4分の1として、それは何の4分の1を指すのか? というのが第一の課題です。

 人が所有している財産には現金、預金、株式、不動産など様々な種類があります。中でも不動産は“一物四価”と言われるほど、評価目的や評価者の主観・経験等によって評価額が左右される財産です(遺留分の計算においては原則、時価とされていますが、当事者の合意があれば必ずしも時価による必要はありません)。

 いくらが遺留分相当の金額になるのか? これはまさしくケースバイケース。所有財産の種類・評価額にもよりますし、生前贈与の有無などによっても影響を受けます。気になる方は一度、財産や生前贈与の洗い出しを行い、遺産分割の計画を見直してみましょう。

2. 遺留分って無くせないの?

 遺留分を無くすことができれば、遺言等によって法定相続分以上の財産をもらった側としては安心ですが、他者の遺留分は無くせません(自らの遺留分を放棄することは可能です)。しかし、遺留分は無くせませんが、実は減らすことはできます

 第一の方法は養子縁組です。相続人の人数によって遺留分の割合は決まりますので、相続人が2人よりも3人の方が、個別の遺留分は少なくなります。第二の方法が不動産のリノベーション(リフォーム)です。このリノベーション、遺留分のみならず、実は相続(相続税)対策ととても相性が良いのです。

リノベーションと遺留分

 現金で1000万円持っていて、相続人(子)が2名いたとします。遺留分は1/2×1/2=1/4(250万円)です。では、相続発生前にこの1000万円を全額、リノベーションに充てたとしましょう。遺留分はいくらになるのでしょうか。

 リノベーション、例えば耐震性を高めるために使った1000万円のお金。これを客観的に時価評価することはとても困難です。ここに遺留分対策のポイントがあります。

リノベーションと相続税

 相続税との関連もみておきましょう。同じように現金1000万円を持っていると、そのまま現金に対して相続税が課税されます。では、収益用不動産(建物)にリノベーションを施し、耐震強度を高めました。相続税はどう変化するでしょうか。

 相続税における建物の評価額は、あくまでも固定資産税評価額。所得税でいう〝資本的支出〟とは考え方が大きく違うのです。必ずしも「所得税で資産計上=相続税で資産計上」ではない、というところがミソです。

 固定資産税評価額に影響を与えないようなリノベーション(リフォーム)ならば、積極的に行って相続税の節税と物件の起死回生を図りましょう! 消費税増税の過渡期にあたるこの時期はなおさらですね。

 不動産をお持ちの方は、遺言書や生命保険の活用等に加え、遺留分対策案のひとつとして、検討してみてはいかがでしょうか。(執筆者:髙原 誠)

《髙原 誠》
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髙原 誠

髙原 誠

フジ相続税理士法人 代表社員 平成17年 税理士登録、平成18年 フジ相続税理士法人設立。相続に特化した専門事務所として、同グループの不動産評価部門である株式会社フジ総合鑑定とともに、年間200件超の相続税申告・減額・還付案件を手掛ける。不動産・保険・事業承継等への造詣を生かした相続実務に定評があり、各家庭に最もふさわしい「オーダーメイドの相続対策」を提唱している。各地でのセミナー講演、各種媒体への寄稿等多数。 <保有資格>:税理士 寄稿者にメッセージを送る

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