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相続税大増税で地主が絶滅危惧種に指定 譲渡税とのダブル課税に

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相続税大増税で地主が絶滅危惧種に指定 譲渡税とのダブル課税に

 コラムを初めて投稿するというのに、過激なタイトルになってしまった事をお詫びしたい。ここで、断っておくが初稿という事で高揚感もあり、タイトルを考える事に殆どのエネルギーを割いてしまったので、本文は余力でささっとながす事になるが、勘弁してほしい。

 諸君には興味はないと思うが、初投稿では自己紹介が慣例のようなので、少しお話すると。年齢は、今年11月に還暦を迎えるアラカン。元住宅メーカーの営業マンであり、一昨年にシニア起業した。事務所は自宅の2階の息子が独立して空いた6畳の部屋を愛犬ソックスとシェアしている。

知っておきたい「取得費加算」

 さて、タイトルの相続税大増税については、メディアで報じられているのでご存知の方も多いと思う。しかし、殆どの方が相続税の基礎控除の見直しと、最高税率が50%から55%になるという知識にとどまっている。確かに、基礎控除の縮小で相続税が他人ごとではなくなった。

 このところ、税理士や相続の専門コンサルタントの間では、「相続破産」という単語もプロ同士の会話に登場している。諸君! 相続税の改正で見落としてはいけないのは「取得費加算」である。取得費加算とは、相続税納税の為に土地を売った事で、譲渡税も課税すると税金がダブルでは過酷すぎるとして、土地を売って相続税を納税する方の負担を軽減する制度である。

平成27年から相続税と譲渡税の「ダブル課税」に

 平成26年中はこのルールで相続税を納税できる。では、平成27年の1月1日からの相続税はどうなるかというと、相続税と譲渡税がダブルで課税されるケースが多くなる

 少し解説すると、

A自宅・B駐車場・Cアパートを相続して、相続税を1億円支払う場合に、Bが一億円で売れた場合は、一億円が取得費となるために、譲渡税(現在20%)は掛からない。

改正後は、Bに課税された相続税額のみ取得費として加算となるので、Bへの課税額3,300万円とて売却価格も同じとすると、1億円-3,300万円=6,700万円に20%譲渡税の1,320万円が課税される。

 つまり、相続税の納税額が1,320万円分足りなくなるので、アパートか自宅を売るか預金か借り入れをして納税する事になる。相続税を支払う為に、駐車場やアパートといった収入源を失い、自宅を売らない場合は現金がなくなるか、借金をする事になってしまうのだ。このままでは、地主は絶滅だろう。(執筆者:岩宗 繁樹)

《岩宗 繁樹》
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岩宗 繁樹

岩宗 繁樹

全国定期借地借家権推進機構連合会の調査研究 理事 埼玉県定期借地借家権推進機構 事務局長 一般財団法人 相続土地活用研究会 代表 1954年11月宮崎県生まれ。都内の大学を卒業 平成24年に積水ハウス株式会社を早期退職して株式会社ライフステージらしくを設立。サラリーマン時代に300棟以上の賃貸住宅や住まいの建築のお手伝いをしてきた経験を活かして、地主さんの相続対策、土地活用のコンサルタント、ユーザーの為の持家作戦のサポートをしている。平成6年に日本初となる本格的定期借地権分譲事業である、さいたま市(旧大宮市)の14区画を担当したことで定期借地権事業の実務家の第一人者として業界では認識されている。最近は、「地主さんの相続対策」「家族信託と定期借地権」「無借金の土地活用」「目からウロコの持ち家取得」etcとして、JA・住宅メーカー・実務家向けにセミナー講師をし、分かりやすくて面白いという評判を得ている。還暦で電子書籍を出版しましたので、「あなたにも電子書籍が簡単に出版できる方法」のセミナーを準備中です。 埼玉県定期借地借家権推進機構のホームページhttp://www.teisyaku.net/ <保有資格> 不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、FP技能士2級、上級定借アドバイザー 寄稿者にメッセージを送る

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