1. 非正規雇用者が増えている

 「非正規雇用者」とは、明確な規定はないが、雇用形態としては、契約社員や派遣社員パート、アルバイトなどのこと。一般的に、労働時間は週40時間以上働く正社員より、勤務時間が短く、給与は正社員よりも少なくなるのが一般的。正社員は雇用期間の定めがない無期雇用だが、非正規社員は有期雇用がほとんど。

 非正規社員が雇用者に占める割合は、2003年に30%だったが、2013年には37%まで上昇した。今後は、さらに非正規雇用が増えていくと考えるのが妥当だろう。

2. 激しい競争にさらされている企業としては当然の選択

 企業は、雇用調整がしやすいことや社会保険料の負担が少なくて済むことを理由に、非正規の割合を高めてきた。非正規社員の約7割は女性だが、最近の傾向として顕著なのが、男性の非正規社員の割合がアップしてきていること。長引く景気低迷で、新卒社員の正社員枠が減り、非正規として働き始めた人たちが、正社員になれないケースが増えてきている。

3. 限定正社員という雇用形態とは?

 非正規社員は、能力開発の機会が少なく、技術や知識が身につきにくいという面がある。そのため、政府は正社員と非正規社員という区分ではなく、「限定正社員」という中間的な雇用形態を打ち出した。「限定正社員」は転居を伴う異動がなく、労働時間は正社員よりも短いが、給与や福利厚生は非正規社員よりも手厚くなるというしくみ

 企業としては、社会保険などの経費率のアップにつながることであり、グローバル社会で生き抜いていくためには、及び腰にならざるをえないのが現状ではないか。また、この「限定正社員」については、政府もまだ手探り状態であり、国民に認知されていないのが現状だ。

4. 日本社会での給与の決め方は?

 一般的な日本企業の従業員に対する給与の決め方は、1人の勤労者が最低限生活に必要な食費、住居費、衣服代などの必要経費分を、1カ月単位で設定していく「必要経費型」だ。

 家族が増えることによって食費、住居費、衣服代なども増えるので、「年功序列型」という考え方に基づいた賃金形態になっている。仕事もできない中年おじさんの給与が高くなるのは、このしくみのためだ。

5. だれもが「非正規雇用者」になる可能性がある

 現在そして将来も、企業は世界レベルで激しい競争にさらされている。企業存続のためには、できるだけ経費を削減して、勝ち抜いていくという選択をするだろう。企業はできるだけ優秀な人材を確保していきたいだろうし、雇われる側はできるだけ「正社員雇用」を望むことになる。

 つまり、優秀な人材を確保をするために、企業は少数精鋭の「正社員」と、それ以外の「非正規社員」を分けて考えるようになる。誰もが「非正規雇用」になる可能性を秘めているのだ。今後は、その点を考慮した上で、個人のライフプランニングを考える必要があるのではないか。(執筆者:釜口 博)