最近、住宅ローンの借り換え相談が増えていますが、少し不思議に思うことがあります。私の素朴な疑問についてお伝えすると、

お客様 「〇や△△△△は、怖くて手が出せません。」

私 『住宅ローンは□□金利ですが、気になりませんか?』

 〇や△△△△、□□に入る言葉は何だと思いますか?

(答え)
お客様 「株や投資信託は、怖くて手が出せません。」

私 『住宅ローンは変動金利ですが、気になりませんか?』

 得をしたい(住宅ローンの金利は上がらないだろう。だから少しでも金利の低い変動金利を…)、損をしたくない(もしも株などで大切なお金が減ってしまったら…)という判断のようですね。

 その結果、住宅ローンは変動金利で借りているけれど、貯蓄は銀行預金という方が、とても多いようです。

 今回は、これまで預金しかしたことがないという方に、投資への最初の一歩について、お話したいと思います。

元本が保証される「個人向け国債」

 債券といわれるものには、会社が発行する社債や国が発行する国債などがあります。個人でも投資(購入)できる社債もありますが、途中で売却すると元本割れになるリスクがあります。また、満期までに発行体である会社が倒産したりするリスクもあります。

 一方で、途中で売却しても元本が保証されるのが「個人向け国債」です。国債は、発行後1年経てばいつでも売却して換金することができます。その際に直前2回分の利子相当額の8割が差し引かれますが、元本は残ります。債権としては、例外的な特徴をもっているといえます。

 個人向け国債は、固定金利型の3年物と5年もの、変動金利型の10年ものの3種類があります。ほとんどの金融機関で1万円から購入することができます。固定5年と変動10年は1月、4月、7月、10月の年4回発行されます。また、固定3年は毎月発行されています。どの国債も、利子は半年ごとに年2回受け取ることができます。

変動金利型の10年国債

 3種類ある個人向け国債の中で、変動金利型の10年国債に注目してみましょう。

 変動金利型10年国債は、市場で決まる長期金利に応じて、半年ごとに利率を見直します。金利が上昇すると自動的に受け取る利子が増える仕組みです。史上最低と云われる低金利が続く中で、預金で思うようにお金を殖やすことはできません。銀行の定期預金で少しでも高い金利を求めると、満期までの期間は1年より5年、5年より10年というように、自ずと長くなります。

 でも、予め利子の額が決まっている預金だと、満期までの間に金利が上がっても、受け取る利子は増えません。

 例えば、10年満期の定期預金に預けている途中で、世の中の金利が上がったら、損した気分になってしまいますねお金が減ってしまうのは怖い、けれど、少しでも安全にお金を殖やしたい。そのような人が、比較的安心して購入できるのが変動金利型10年国債ではないでしょうか。

 今後金利が上がっても、半年ごとに利率を見直してくれるのが、変動金利型10年国債でしたね。「10年間続けて、6ヶ月の定期預金に預ける」と考えれば、定期預金より格段に高い金利は魅力的だと思います。

 資産はすべて銀行預金という方は、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。(執筆者:渡辺 紀夫)

【外部参照】
個人向け国債の購入方法(財務省)