相続税対策で養子縁組を進められる方が結構います

 この対策は有効でしょうか? 親子となる方双方が市役所に行き手続きをすればできます。これにより将来の相続人が増えます。

 例えば、財産が1億で相続人が2人とします。養子縁組により、3人となれば相続税(平成27年以降で)は、770万円→630万円 となり、140万円の節税です。これは、相続税の基礎控除(非課税枠)が相続人の数により計算されるためです。

※お孫さんを養子にした場合は、お孫さんが相続時に支払う税金は二割加算となります。

養子縁組するなら、他の相続人の承諾を得ること

 こんなことがありました。

 父と同居していたAさん、父が亡くなる直前にAさんの妻を父と養子縁組する届けを出していました。無事140万円の節税になったでしょうか?

 問題は遺産分割がこじれたことです。相続税の計算では、遺産分割が成立して初めて税金が安くなることも多いのです。

 父の相続人はA(兄)さんとB(妹)さんの二人でした。Bさんは養子縁組の話を、父の死亡後に聞きました。Aさんにとっては節税の話ですが、Bさんにしてみれば自分の法定割合が知らないところで減らされてしまった訳です。元々、Aさんの妻とBさんとの仲はうまくいっていなかったこともあり、Bさんの怒りは収まりません。

 
 養子縁組するなら、他の相続人の承諾を得るですね。

「離婚した場合」も想定して選択を

 たまたま子が女性ばかりで、娘の夫が婚姻と同時に娘の親と養子縁組するケースもあります。このケースの場合は節税ではありませんが、こんな事例もあります。

 娘の親と養子(夫)がうまくいかないのが原因で、離婚されていることが意外に多いです。ところが、離婚はされていても離縁されていないケースがあります。その場合、娘の親に相続が発生した場合、元夫は相続人になります。また、相続発生時には別の娘が跡を継いでいたりして姉妹の間でもトラブルになる火種はあります。

 子の配偶者を養子縁組する場合は、「離婚した場合」も想定した上での選択が必要です。(執筆者:橋本 玄也)