1. 保険の解約返戻金も財産分与の対象

 終身保険などの貯蓄性が高い保険は、途中解約をした場合、解約返戻金が戻ってくる。この解約返戻金は、夫婦が共有で築いた財産としてみなされる。ですから、裁判所の離婚調停では半分に分けるというのが、基本的な考え方である。

2. 離婚⇒解約は得策ではない

 離婚するからと言って安易に保険を解約して、財産分与するのは得策ではない。解約後に病気に罹患し、保険に加入できないというリスクもありますし、当然のように年齢が上がるに従い保険料が高くなる。

 特に予定利率が高かった時代(平成6年3月まで)の貯蓄型の「お宝保険」であればなおさらだ。夫婦どちらが親権を取るにしても、子供に受取人変更を行い、万が一に備えて保険を継続することも選択肢である。

3. 結婚前から貯蓄型の保険に入っていた場合は?

 結婚前から貯蓄型の保険に加入していた場合は、結婚前の加入期間分の解約返戻金を除外して計算する。

 25歳で60歳払込終了の終身保険に加入し、30歳で結婚、50歳で離婚というケースで考えてみましょう。

50歳時点の解約返戻金が400万円、結婚した30歳時点の解約返戻金が60万円だとすれば、分与対象は、差額の340万円になります。

4. 財産分与における注意点

 財産分与の対象となる財産は、原則として「別居時」を基準に確定される。そのため、離婚前であっても、別居後に取得された財産については、財産分与の対象にはならないと考えられている。これは、たとえ婚姻関係が継続していたとしても、別居後は夫婦が協力して得た財産とはいえないという考え方にもとづいているからだ。(執筆者:釜口 博)