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洪水・土砂災害への備え リスク確認と情報収集、火災保険の補償について

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洪水・土砂災害への備え リスク確認と情報収集、火災保険の補償について

 広島で起きた大雨による土砂災害は大変な被害になってしまいました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に謹んでお見舞いを申し上げます。また広島のほかにも各地で集中豪雨による被害が発生しています。皆様もくれぐれもご注意ください。

 ここ数年毎年のように大規模な自然災害が発生していますが、自然災害はいつどこで発生するか分かりませんし、発生してしまうと自然の猛威の前では人間は無力です。しかし、だからこそできる限りの備えが重要になっていると思います。

1) リスクの確認

 まず日頃から自分が住む地域の災害リスクを認識しておくことが最低限必要です。あらかじめリスクを認識している人とそうでない人とでは、実際に災害が発生したときの行動が違ってくると考えられるからです。

 そのために参考になるのが「ハザードマップ」と呼ばれるものです。これは想定される自然災害の被害範囲や避難経路などを地図化したもので、各自治体のホームページや公民館・コミュニティセンター等で開示されています。また国土交通省は全国のハザードマップをまとめたウェブサイトも作っています。(※記事文末にリンク掲載)

 新しく家を建てる(購入する)場合も、事前に購入予定地のハザードマップを確認しておいた方がよいでしょう。

2) 災害発生前・発生後の情報収集

 今回、広島市の避難勧告が遅れたことが指摘されています。各自治体には防災計画や勧告・指示の発令体系をしっかり見直してもらいたいと思いますが、一方で個人としてもできる限りの情報収集が大切です。

 突然発生する地震と違って、洪水や土砂災害は一定の降雨量の蓄積により発生します。気象庁の「高解像度降水ナウキャスト」は、細かい地域(250m四方)ごとにリアルタイムの降水量や1時間先までの降水予測を見ることができます。(※記事文末にリンク掲載)

 また最近はツイッターやフェイスブックなどのSNSに、雨の状況などを投稿する人も多いです。自宅にいると分からない地域の道路の冠水状況や川の水位などがSNSの投稿を見て分かることもありますし、SNSの方がテレビやラジオよりもピンポイントで詳しい情報が得られる場合もあります。そういう意味でSNSも情報収集・情報伝達のツールとして無視できない存在になっていると思います。

3) 災害被害の補償

 洪水や土砂災害によって住宅の流失、倒壊、床上浸水などの損害が生じた場合、「水災」をカバーするタイプの火災保険に加入していれば保険金支払いの対象になります(土砂災害も水災にあたります)

 ただ水災を補償に含めるか否かで保険料がずいぶん違うため、「まさか洪水や土砂災害はないだろう…」と水災の補償はあえて外して契約するケースも少なくありません。契約している火災保険が水災をカバーしているかどうか把握していない人は、一度確認しておくことをお勧めします。

 また最近の火災保険は再調達価額ベースが主流ですが、住宅購入時に長期契約で火災保険に加入した人の中には時価額ベースの契約の人もいます。その場合、支払われる保険金は経年減価した時価額で評価されるので、従前と同程度の家を再築するには十分な金額を受け取れません。これもよく確認しておくことをお勧めします。

 尚、ニュースを見ていると車が水没したり土砂に埋まった映像も見ますが、自動車の損害は加入している自動車保険で「車両保険」を付帯していれば補償されます。

 人の力では防ぎようのない自然災害だからこそ、万が一被災したときの経済的な補償もその後の生活のためには重要です。見落としがないようによく確認してみてください。

 危機管理の格言に”Never say never”という言葉があります。「絶対にないとは決して言うな」というような意味ですが、まさに自然災害に絶対に安全な場所はありません。昨今の災害を見ていると過去の経験や統計も当てにはできません。上記に挙げたこと以外にも備えられること、備えるべきことはあると思いますが、転ばぬ先の杖で思いつく備えは何でもしておいた方がいいかもしれません。(執筆者:長尾 真一)

【外部参照】
ハザードマップポータルサイト(国土交通省)
高解像度降水ナウキャスト(気象庁)

《長尾 真一》
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長尾 真一

Life Design Concierge  代表 メーカー・商社の海外営業を経て、ファイナンシャルプランナーに転身。個人のライフプラン・住宅ローン・相続等の相談、生命保険・損害保険の取り扱い、中小企業の確定拠出年金導入サポートのほか、これまでに中四国地方の高校等で、大学進学資金やキャリアプランの講演を100回以上実施。「かけがえのない一度きりの人生に、未来への安心を届けたい。」という理念のもとに「生活設計のコンシェルジュ」として活動しています。 寄稿者にメッセージを送る

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