各ネットサイトを見ていると、「オススメの株主優待」に関する記事がたくさんありますよね。今月権利確定の優待とか、もらって嬉しいオススメの優待、などなど。魅力的な優待商品が数多くあり、優待商品だけで生活してしまう有名人がいるくらいです。

 どんな優待商品があるのか探してみると、これ欲しい! と思える優待商品が見つかると同時に、これちょっと欲しくないなぁ、なぜこれを優待商品に??? と、頭がハテナハテナになってしまう優待商品も…。

 銘柄自体は魅力があるんだけど、優待商品がイマイチ。こんな銘柄を目にしたことがありませんでしょうか? そこで、株主優待商品はもらっても嬉しくないけども、買っておきたいと思える “疑惑的” な株式銘柄を3つ、ご紹介します。

<トーシン(9444)>

優待権利確定月:10月
最低購入金額(11/7終値):57,200円
優待内容:
100株保有で、携帯電話割引優待券、ゴルフプレー特別料金優待券、ゴルフ平日1R無料招待券が貰えます。

 携帯電話割引優待は嬉しいですけど、東海地盤の会社ですので、近くに系列店がなければ使えません。東海地方に住む方限定と言ったところでしょう。また、ゴルフ関連の優待券はゴルフをしない人には全く魅力無し。これまた疑惑的な優待内容です。

 売上や経常利益はよく言って横ばい、悪く言うと後退気味ではありますが、トーシンの配当利回りは、11/7終値ベースで約3.49%。利回り3.0%以上は高利回りの目安ですから、配当狙いで長期保有というスタンスは悪くありません。優待商品は嬉しくありませんが、あくまでも配当狙いということで。

<千葉興業銀行(8337)>

優待権利確定月:3月
最低購入金額(11/7終値):81,000円
優待内容:
(1) 24時間電話健康相談サービス(年中無休)
 健康や医療に関して医師に相談できるサービスで、無料で相談できるというもの。夜間・休日診療を行なう医療機関も紹介してくれます。

(2) 株主優待定期預金
 1年間、スーパー定期の店頭表示金利+0.2%で定期預金できます。(10万円以上100万円以下)

 この優待内容、よく見ると “疑惑的” です。24時間いつでも健康相談できるとは言うものの、相談する機会ってそんなにないですよね。しかも、今はネットで検索すれば、医療に関する情報、夜間・休日診療医療機関など、たいていの情報を得ることができます。大きな魅力を感じません。

 株主定期預金ですが、+0.2%は助かる! と思うかもしれませんが、いやいや数字に騙されてはいけません。千葉興業銀行の現在のスーパー定期金利は、0.025%。+0.2%でも0.225%ですから、1年定期金利0.3%のネットバンクがあることを考えると、特に魅力無し。

 優待内容はイマイチ…。でも、千葉興業銀行の魅力が一つ。11/7終値時点でのPERは5.00、PBRは0.62。銀行株はどちらかというと割安で放置されていることが多い(例:みずほFG PER8.82、PBR0.80)とは言え、この数値はかなりの割安を示しています。押し目買いの機を狙って買っても良いのかと。もちろん、優待商品に期待はできませんが。

<AOI Pro.(9607)>

優待権利確定月:9月
最低購入金額(11/7終値):71,500円
優待内容:
(1) 500株以上保有でクオカード2,000円分
(2) 写真撮影
 専用応募用紙で応募した株主の中から抽選で当選した10名は、当社グループのスタジオ又は居住地付近での写真撮影をしてもらえ、その後その写真でオリジナル写真集を作成してくれるというもの。

 クオカードは500株以上~。100株(71,500円)の投資では受取れません。写真撮影もあくまでも抽選で10名のみ。しかも、プロが撮ってくれるとは言え、写真集を作ってもらえるのが魅力的…? と感じるところですね。率直なところ、必要を感じません。

 でもですね、AOI Pro.の営業益は上昇傾向にありまして、今後の業績に期待を抱けます。PER8.66、PBR0.84ですから、典型的な割安銘柄の一つと言えます。そして、配当利回りもなかなかの高利回り。11/7終値ベースで約3.21%ですから、配当狙いの投資対象としてピックアップしても良いのではないでしょうか。

 以上の銘柄はほんの一例で、優待商品はイケてないけど魅力ある株式銘柄はけっこうあるんですよね。そもそも株主優待というのは、表面的には株主への御礼商品ですが、裏を返せば株主誘致のためのおまけのようなものです。

 ですから、優待商品に振り回されないことが大切です。

 予定優待商品はあくまでも予定ですから、経営状況が悪化すればキャンセルになることも。ですから、魅力的な優待商品を探すのは株式投資の魅力の一つではありますが、会社の経営・財務状況など、企業の基本的情報のリサーチを怠ってはなりません。もらって嬉しくない株主優待銘柄を探ると、意外な教訓が見えてきますね。(執筆者:堀 聖人)