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投資を専門家にゆだねてしまう行動心理学

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投資を専門家にゆだねてしまう行動心理学

人生は選択の連続

 この言葉は、私のFP事務所「BYSプランニング」メインキャッチでもあります。私たちは日々の生活の中で、いろいろな選択をしながら暮らしている。

 どのスーツを着ていこう、昼食は何を食べよう、といった小さなことから、結婚やマイホーム購入などのような人生の転機にまつわることまで。即断即決できる人もいれば、悩みに悩んで結局自分で決められない人、最初から他人任せの人、さまざまな行動パターンがある。

 そんな選択の過程で、分からないことは他人任せにしたい、その他大勢といっしょであれば間違いがないだろう、と考える安易な心理がはたらくことがないだろうか?


資産運用、投資判断における安易な選択

 投資は自分の大事な資産をかけた選択の連続。

どれくらいまでリスクが取れるのか。
どんな金融商品を買うのか。
その金融商品をどのタイミングで購入するのか、また売るのか。

 これらを決定するには、大きな負荷がかかる。自分なりに情報収集して間違いないと判断しても、相場は生き物。実際は全く逆の動きになることもしばしば。投資で利益を上げるためには、自己責任で選択し続けなければならない。

 FP相談でよくあるのが、

「今何を買えばいいですか?」
「先生は何を買われているのですか?」

 自分で納得いく投資活動をしようと思えば、経済や景気の状況、将来伸びていきそうな業種や商品、また金利や為替などの指数や指標、アナリストの意見などを参考に、自分なりの投資スタイルを確立していくことこそが重要だ。

 ところが、この自分なりの投資スタイルを追求せずに、他人任せの安易な選択に走る人が非常に多いのが実情だ。なぜならば、その方が楽だから…また、失敗しても任せたその人を悪者にできるから…。

 金融機関が実施する無料の投資セミナーに参加して、うまく乗せられその金融機関がおすすめの金融商品を購入してしまう人が多い。これも、この人間行動心理のなせる業だ。

投資に対しての2つの行動心理

 投資に必要な選択を自分でしようとしないのは、行動経済学の2つの心理で説明ができる。

1. 情報過多による思考停止
2. 後悔の嫌悪、責任転嫁

 1についてだが、人間は、二者択一のような簡単な選択であれば、答えを出すことは得意だが、判断を下すまでに多くの情報を多面的に分析して答えを導き出すことが苦手だ。

 株式投資でいえば、世界経済や市場全体の動向から、自分が買いたいと思っている企業の業績見通しなど、多くの要素から多面的に判断するのが面倒なため、手っ取り早く専門家に頼ってしまいがち。

 2についてだが、何かを選択するのは勇気がいることだ。特に株式投資は、自分なり研究して銘柄を選んでも損をすることもある。そんな時、人間は自分のせいにすることを嫌がる。信頼できる人の発言やアドバイスに従うことで、後悔や損することを避ける「逃げ道」を作りたがるのだ。

投資は自己責任

「あの人の分析力はすごいので、銘柄選定も間違いがないはず」
「あの先生は本も書かれているし、投資セミナーの講師であるFPなので、必ずもうかる投資方法をアドバイスしてくれるはずだ」

 と、信じ切ってしまえばとても楽だし、仮に思う通りの結果にならなかったとしても、自分の責任ではなく、銘柄選定や投資のタイミングを誤った「あの人」や「あの先生」のせいにできるのだ。

 しかし、「情報過多による思考停止」や「後悔の嫌悪、責任転嫁」は投資において一番やってはいけないことだ。相場の世界に絶対はない。日夜研究をしているプロの投資家でさえも、多額の損失を出すこともあるわけだ。

 投資は自己責任。自分で、数ある情報に対して自分なりの視点を持ち、自分で判断していくしかないことを理解することが重要なのだ。(執筆者:釜口 博)

《釜口 博》
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釜口 博

㈱ジョイント・プレジャー 代表取締役 保険実務に強いファイナンシャルプランナーとして、また自身の営業経験を活かした営業実務研修は、即実行できる内容との評価が高い。 <保有資格>:CFP  1級ファイナンシャルプランナー技能士 二種証券外務員 相続士 寄稿者にメッセージを送る

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