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「マイナス金利」は他人事ではない これからお金をどう運用すべきか

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「マイナス金利」は他人事ではない これからお金をどう運用すべきか

 金利がマイナスになることがあるでしょうか?

 答えをご存知の方も多いと思いますが、答えは“ある”です。

 日本はその手前のほぼゼロ金利ですが、ヨーロッパの幾つかの国ではマイナス金利となっています。

 例えばドイツ国債は2年物で-0.22%、5年物で-0.066%。スイス国債は10年物でも-0.065%などとなっています。(3月2日現在)

 マイナス金利は主に国債の取引や、中央銀行と市中銀行の間で発生していますが、一部では銀行預金やローンでもマイナスとなっています。個人銀行預金では100万円預けると、1年後に戻ってくる金額は99万9800円。ローンでは、1000万円を借りて総返済額が998万円。そんなイメージです。

 こんな状態が想像できますか? あきらかに歪な状態ですね。損失確定のマイナス金利で銀行にお金を預けますか? そんなバカげたものには預けない! 確実に減ることになるものを利用する訳がありませんね。

ゼロ金利時代にどうお金を運用すべきか

 ではお金をどうやって運用すべきなのか? これを考えることが大切です。この異常事態における、いくつかお金の預け先を考えてみました。

1・・同じ預金でも金利を稼ぐことができる外貨建て預金を使う。
2・・もう少し金利が稼げる社債、または安定度の低い社債(ハイイールド債)へ投資する。
3・・投資信託などを利用して分散投資を行い、できるだけ安定させる中でも収益を取りに行く。
4・・生命保険を利用し超長期投資とすることで、少しでも多くの利回りを稼ぐ。

 このようなものでしょうか。

 どの方法でもよいのですが、ポイントは何れにしてもリスクが伴うことです。生命保険はリスクが無いようにも感じますが、超長期間固定の低金利で縛られることは、ある意味金利変動リスクや収益機会損失のリスクが伴っていると言えます。

マイナス金利は日本でも発生している


 でも、そんなありえない状態はユーロ圏の話であって、日本に住む私たちは関係ない…そんな声も聞こえてきそうですが、そうとも言えないようです。日本でもマイナス金利が発生していると言えるからです。

 時間外ATMの利用などによる手数料を考慮するとマイナス金利が発生していると考えられます。しかしそれ以上に、物価上昇との比較(=実質金利)でマイナスが発生していることを知っておくべきでしょう。

 今年に入ってからのインフレ率は、原油価格の下落などもあり落ち着いた状態ですが、今後も雇用関係や円安などの影響、金融政策、財政赤字の対応策などからインフレは継続すると私は考えています。このため、遠い世界の話でなく私たちに直接関係する話なのです。

中長期での株式投資がおすすめ

 であれば、このマイナス金利に対してどう対処するのか? 改めて真剣に考えなければいけません。どうせ、なんらかのリスクを取らなければいけないのであれば、前出の4つの項目以外の、株式投資にチャレンジすることはいかがでしょうか

 その理由は、長期投資とした場合、株価は利益の増加にほぼ連動するため、成長する可能性の高い銘柄選択が行いやすく、収益率もイメージしやすいことです。一方、前出の1~3は為替リスクを負うことになるので、他力本願の成り行き任せの感が否めません。4は預金金利よりはマシですが、インフレ率に勝てないでしょう。

 そして何より、世界的低金利、金余り状態のもと、株式投資に資金が向かい、株価の追い風になる可能性が高いことです。

 さまざまな運用商品を繰り返し売買する「トレード」は時代背景にはあまり影響されません。株式も同様です。現在のような金余り時代の後押しを利用するためには、株式を使ったトレードでなく成長資産に中長期で投資する方法をお勧めします

 成長が期待できる株式を安く買うことができれば、株式投資はそれほど大きなリスクを伴う運用ではありません。

 反対に、ここまで低金利となった時代の国債投資はお勧めできません。値下がりリスクと期待収益の大きさがあまりにもアンバランスだからです。

 もちろん、投資は分散投資が基本ですが、ここまで歪んでしまった世の中だと言うことを優先すべきでしょう。単純に、国債を分散投資の一つに加えることは今一度よく考えてみるべきです。(執筆者:山副 耕一)

《山副 耕一》
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「長期個別株投資」推奨ファイナンシャルプランナー メイキット有限会社 代表取締役 京都府在住。関西大学経済学部卒業後、独立系FP会社に入社。平成7年メイキット有限会社を設立。現在に至る。FP資格講座や経済セミナー講師業務、原稿執筆などを行う中で、現在は「投資」としての「長期個別株投資」の普及活動を中心に活動中。「株式投資」には、本来の意味である企業への「投資」と、株式を使った「トレード」が併存するが、後者の情報やセミナーばかりになっていることが現状。これを少しでもバランス良くするための情報発信をすることが天命と考えている。 <保有資格>:CFP、1級FP技能士 寄稿者にメッセージを送る

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