2011年3月11日14時46分、日本観測史上最大とも言われる超巨大地震が東北地方で発生し、今年で4年の歳月が経過しようとしています。ふとYouTubeで当時の映像を振り返ったのですが、涙なしでは見られませんでした。映像の中で一男性が言ったひとこと、「すべてが終わった…」。これがすべてを要約していると思います。

 今まで当たり前のことが当たり前でなくなる現実、それを受け入れられない感情。当たり前のように寄り添っていた家族や仲間、団欒を楽しむマイホーム、足としていた車、いつも見ていた穏やかな風景、それらすべてが津波と恐怖で呑み込まれる瞬間。その場にいた方、いなくても失くしたものがある方、一生背負って生きていかなければならいのです。

 何を書き綴っても無意味だと思えてしまうのですが、ここはひとつ冷静になり、3.11から学べることを書くことが私の務めなんだと。株式相場における3.11の教訓を、唇を噛みしめながら書きたいと思います。

3.11とその後の株価の動き

 3.11の大地震発生は、あと10分少々で東証がクローズする14時46分。地震発生のニュースを聞いて、保有株をすぐ売りさばいた方は少なかったかと思います。3月11日~株価がどんな動きをしたのか、先ずは以下の日経平均日足チャート画像をご覧ください。


≪青丸:3/11、赤丸:3/15≫

 画像で見ると分かりやすいと思いますが、週明けの3/14と15日に株価が暴落しています。日経平均価格変動を以下の表でもご覧ください。


≪数値の単位はすべて円≫

 地震発生後の15時でクローズした株式市場、終値は10254.43円。週明け月曜日の3月14日は、地震被害状況を見極めようという冷静な動きも散見されました。しかし、結果は安値9578.65円をつけ、3月11日の終値から約700円もの下落となり、終値は9620.49円となりました。

 翌日の3月15日は、パニック売りが発生。売りが売りを呼び、安値8227.63円を記録。3月11日終値から2000円以上もの暴落となったわけです。確かに、大地震が壊滅的な被害をもたらしましたから、“すべてが終わった” と、恐怖とパニックで株を投げ売りしたくなる気持ちはよく分かります。

有事発生で保有株はどうする?

 3・11の大地震や津波、火山の噴火などの天災、9・11のテロや戦争などは突然起こるもの。では、有事発生時にあなたは保有している株をどうしたいと思いますか?

即効投げ売り

 有事発生時に株を保有していると、含み益が消えるどころか一気に含み損を抱える危険性も。そうならないために、「常に逆指値注文をしておく」のは一つの手となります。ただし、株を売った後に問題が鎮静化、株価再上昇ということも。長期保有が目的ならば、パニック売りに便乗するのは避けたいところです。

保有継続(塩漬け)

 「何があっても売らない、我慢比べなら負けない」という方は、保有継続でも悪くないと思います。ただし、何事にも潮時というものがあります。応援したい株を保有し続けるのは投資の主旨に沿っているのは確かですが、有事の内容によっては日本経済が壊滅的影響を受け、結果、もらえるはずの配当や優待がもらえなくなることも。ですから、何が何でも塩漬けすると腹をくくるのではなく、ある程度の臨機応変な対応が大切です。

様子見

 パニックが起きた時、必要なのは「冷静沈着」。冷静に現状を把握し、次の一手を見極めることが重要です。もちろん、パニック時に冷静に事を見極めるのは簡単ではないのですが、投資家に求められるのは理性的な売買です。感情的に売買すると、往々にして失敗します。

 3・11の後パニック売りが発生しましたが、その後の株価はどのように推移したでしょうか?


≪2011年2月7日~同年7月8日までの日経平均日足≫

 実は、3月15日の安値8227.63円が底値となり、その後7月初旬には3・11前のほぼ同水準に回復したんです。結果論になってしまいますが、3・11後のパニック売りの時、もし冷静に株式相場と外部要因を把握できていたなら、少なくとも保有株を投げ売りすることはなかったかもしれません。市場がパニックになっていても冷静でいることの大切さが読み取れますね。

株投資の極意をお忘れなく

 もう一つ、3・11から学ぶ大切な教訓を。

 3/11の終値から2000円以上株価急落となったわけですが、その時、冷静に対応できた投資家たちは、株を買増したようです。安くなった割安株や成長株を買うという、いわば株投資の常套手段を遂行したのです。

 それら投資家たちはなぜ株を買えたのか?

 それは、冷静さと資金です。有事に株を買いにいけるかは、この二つの要素がかなり重要なのです。

 冷静さは、今株を買うべきか否かを判断する重要な要素となりますし、安くなった株を買うためには資金がなくては買えません。株投資に使える軍資金のうちの幾らかを有事の時のために取り分けておくこと。これが株投資の極意の一つです。

 もちろん、2008年のリーマン・ショックのような100年に一度の金融危機では、「安くなったから買う」という道理は通用しません。有事と金融危機では対処法が違うこと、お忘れなく。

最後にひとこと

 2011年3月11日の出来事は、人々の心に様々な傷を負わせ、これからも3.11を忘れることはないでしょう。しかし、前を向いて歩きたい。その時に抱いた感情、失ったものと得たもの。すべてを今後の糧とできれば何よりです。(執筆者:堀 聖人)