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投資信託は「複利運用」と「分配金」、どちらを重視して選ぶべきか

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投資信託は「複利運用」と「分配金」、どちらを重視して選ぶべきか

 こんにちは! 国際フィナンシャルコンサルタントの荒川雄一です。さて今回は、投資信託でよく耳にする「複利運用」と「分配金」という2つの言葉を取り上げてみたいと思います。

「単利」と「複利」の違い

 一般的に、「単利とは、利息をその都度受け取り」、「複利とは、利息を再投資する」といった違いがあります。従って、単利で長い間投資を行っても、複利に比べ資産は思ったようには増えていきません。投資信託の場合は、利息は付きませんので、運用結果による「分配金」を受け取るかどうかが、単利と複利の“差”となって表れてきます。

 とはいえ、実際に投資信託の売れ筋商品を調べてみると、人気の上位を占めるのが、この「分配金」の多い銘柄です。たとえ「利益」ではなく、「元本」を削ってでも「高い分配金(特別分配金)」を確保している投資信託の人気が高いのも事実です。おそらく「分配金」を、毎月もらえるお小遣いのような感覚で受け取っている投資家が多いためかもしれません。

 では、「複利運用」と「分配金」といったある意味相反する2つの言葉を解くカギは何なのでしょうか?


「投資目的(投資スタンス)」の違い

 まだ比較的若い人が、将来に向けてコツコツと積み立てていくのであれば、なるべく分配金の支払いが少なく、また分配金が払われた場合も、極力「再投資型」の投資信託を選ぶべきでしょう。

 逆にリタイア後に、資産がある程度ある方が、老後の趣味や生活のために、元本を取り崩していくような場合は、分配金が多い方が良いというケースもあると思います。

 要は、本人の「投資目的(投資スタンス)」次第ということです。

「投資目的」を決めたら、あとは“判断基準”を持つ

 実際には、一人一人、年齢も立場も将来の計画も違います。それによって、選ぶ投資信託もかなり変わってきます。

 仮に、投資目的がはっきりして「分配金の多いファンド」を選ぼうと決めたとしましょう。しかしながら、似たようなファンドは、世の中にたくさんあります。たとえ同じ投資先のファンドであったとしても、どのファンドを選んだらよいのか、その「判断基準」を持たなければなりません。

 逆にいえば、「判断基準」を持たないまま、誰かに勧められたからといって投資をしてしまうと、“失敗する確率”が高まるということです。現在は、各金融機関や情報サイトで、様々な情報が入手できます。それらの情報を基に、自分自身の「判断基準(投資ルール)」を明確にする必要があります。また、自分一人では決められない場合は、投資アドバイザーなどのプロのアドバイスを受ける方法もあるでしょう。

 いずれにしても、何事もはじめが肝心です。まずは、「投資目的」[判断基準]を明確にすることです。そして、しっかり計画を立てて投資に臨めば、「複利運用」と「分配金」といった悩ましい課題も、解決していくことができるでしょう。(執筆者:荒川 雄一)

《荒川 雄一》
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荒川 雄一

荒川 雄一

IFA JAPAN®株式会社 代表取締役社長兼CEO 国際フィナンシャルコンサルタント 投資顧問会社 IFA JAPAN®株式会社ほかリンクスグループ3社の代表を務める。中小企業診断士、日本FP協会認定CFP®。現在、金融機関に影響を受けない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として、国内外の金融商品を用いた「海外分散投資」や「モデルポートフォリオ運用」を専門としている。中でも、海外ファンドを用いた「ポートフォリオ・マネジメント・サービス(PMS)®」の評価は高い。また、投資教育にも力を入れており、国立高知大学非常勤講師など、講演回数700回以上。日本経済新聞ほか、各マネー誌など執筆多数。 寄稿者にメッセージを送る

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