保険に加入しようと考え、保険屋に相談に行くと…


私の事務所では、毎月2回、「完全予約制個別相談会」を開催しているが、この相談会に来られる方のほとんどが、「セカンドオピニオン」を求めて来訪される。
  

「保険屋さんからの提案まま加入してしまったが、その提案が自分と家族にとって最適なのかどうかを判断して欲しい」

というような内容だ。
  
保険屋とのやりとりを聴くと、思ったよりもたくさんの保険が必要と言われ、高額な保険料を支払うことになるというパターンが一番多いのである。

例:お子さんが誕生したばかりの30代会社員とその妻が、保険ショップで生命保険を契約。この世帯が加入した保険は全部で6本。

内訳:
1. 世帯主の収入保障保険
2. 老後資金目的の世帯主のドル建て終身(死亡)保険
3. 世帯主の終身医療保険+がん特約
4. 配偶者の終身(死亡)保険
5. 配偶者の終身医療保険
6. 子供の学資保険

保険料総額は月額6万円ほど

保険で確保すべき保障とは?

「保険屋さんから話しを聞いているうちに、その話し自体は筋が通っていると感じ、その場では契約してしまったが、年間72万円ほどの保険料が、はたして自分たちにとって妥当なのか?」

という疑問が湧きおこり、相談会に来訪されたという事例。

私は一般的な会社員のご家庭の場合、必要な保障は、上記1の収入保障保険と上記3の一部であるがん保障(配偶者のがん保障も含む)と考えている。
  
上記2と6は保険に拘る必要はない

内訳:
1. 世帯主の収入保障保険 →必要
2. 老後資金目的の世帯主のドル建て終身(死亡)保険 →保険に拘る必要はない
3. 世帯主の終身医療保険+がん特約 →必要
4. 配偶者の終身(死亡)保険
5. 配偶者の終身医療保険
6. 子供の学資保険 →保険に拘る必要はない

逆に保険で貯蓄をするデメリットから考えれば、他の金融商品で貯蓄する方が賢明である。

以下は、保険で貯蓄をするデメリット

a. 保険会社の破たん…保険会社が破たんした場合の満期保険金や解約返戻金の保証はない。

b. インフレ…貯蓄型保険は長期固定金利型のため、市場金利がアップすると、解約返戻金の価値が低下。つまり、インフレに非常に弱い金融商品になる。

c. 払込期間中の途中解約による元本割れ

また、年間70万円超の保険料が支払える経済力があれば、上記3や5のような入院日額5,000円や1万円を給付する医療保険は不要である。
  
なぜならば、会社員が加入している健康保険には、「高額療養費制度」があり、1か月に支払う医療費には限度額が設けられており、預貯金があれば対処できる範囲だからだ。

上記4の配偶者の死亡保障だが、配偶者の収入で家計のある程度を賄っている場合は別だが、そうでなければ、あえて確保する必要はない。

この家族の場合、世帯主の収入保障保険とがん保険、配偶者のがん保険だけに絞り、一番費用対効果の高い保険商品で確保していけば、年間60万円ほど保険料負担が減ることになる

当たり前だが、保険屋は保険を売ってなんぼ


保険屋は保険を売ることで収入が確保しているため、様々なニーズに対して保険を販売するためのセールストークを持っている。しかも場面場面で、根拠となるデータを出したりしながら、その気にさせるように導くわけだ。

生命保険に加入しようとするならば、保険屋に相談するのは、確保すべき保障と保険期間が明確になった最終段階である。

自分が決めた保障内容を確保する時に、一番費用対効果が高い保険商品を選ぶために、保険屋に相談するという方法ですすめていくのが賢明である。あるいは、最初の段階から相談費用を支払った上で、本当の意味で中立公平な立場でアドバイスをしてくれるFPに、トータルプランニングを依頼するのも選択肢の1つだ。(執筆者:釜口 博)