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住宅ローン金利交渉、私が成功した理由2つ ~主婦の金バナ(13)~

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住宅ローン金利交渉、私が成功した理由2つ ~主婦の金バナ(13)~

「住宅ローン見直し」10年で約2,000万円節約できましたの続きです。

とかく評判の悪い(!?)マイナス金利だが、こと住宅ローンに関して言えば、マイナス金利はチャンス! その恩恵を受ける手段である「金利交渉」は、手数料が安く、手間もかからない。

私が数年前に金利交渉をして、成功した理由を考えてみた。

金利交渉は、「銀行の裁量」に委ねられる


住宅ローンの見直し方法には、大きくわけて以下の3つがある。

(1) 繰り上げ返済:毎月の返済の他に、貯金など、まとまったお金ができたときに先々の返済を任意で返す方法

(2) 借り換え:新たに別の金融機関でローンを組み、それを原資に元のローンを一括で返済する方法

(3) 金利交渉:ローンを組んでいる銀行に当初約束した金利より、優遇をしてもらえないか交渉してみる方法

「繰り上げ返済」と「借り換え」は有名だが、「金利交渉」は、数年前まで「やっている人はやっているが、公のメディアで記事を書くのは憚られる」といった感じの「禁断の裏ワザ」だった。

最近、一般的になってきたので、メリットとデメリットを整理してみよう。

メリット

同じく金利を下げる効果がある「借り換え」と違いを比較すると、メリットがわかりやすい

(1) 諸費用が安い。
…「借り換え」の実質的な出費が一般的に20万円~30万円かかるのに対し、「金利交渉」の手数料は約1万6千円だった(私の場合)。

(2) 手続きが楽。
…「借り換え」は司法書士に依頼する必要があるが、「金利交渉」は銀行内での条件変更の一種なので、内部書類を数枚記入するだけでOK

デメリット

「交渉に応じてくれるか?」は、あくまで交渉相手の銀行に委ねられている。ゆえに交渉結果に差が出る

成功ポイント 1 実際に他銀行で借り換えの試算をしてもらうこと

私が金利交渉をしようと思ったキッカケは、「他銀行の住宅ローンが安かったから」。そう、最初は住宅ローンの借り換えをしようと思っていたのだ。

その時点で、既に一度住宅ローンの借り換えを経験しており、借り換えに対しての心理的なハードルは低かった。

試算の結果、他行に借り換えした方が良いと判断したので、元の銀行に対し、借り換えをしたいという主旨のファックスを書き始めた。

実際にいれたファックスの文面 前段


今後の金利動向を見据えた上で、住宅ローンの見直しをすることにしました。

具体的な借り換え先は、○○銀行さんを検討しています。試算結果は下記の通りです。

平成○年○月末現在のローン残高は○○円。

金利(年率○%)、借入期間○年、諸費用も含め、○年間で約○万円の住宅ローンの支払い額減となる試算結果が得られました。

ファックスを書くことにしたのには、理由がある。

初めて借り換えをした時は、元の銀行に対して事後報告だった。

借り換えをするという結果をポンッと突き付けてしまい、ローン担当の銀行員さんのハッと驚いた、無念そうな顔が脳裏に焼きつき、申し訳なく思った。

「あんな顔を、もう二度と見たくない」。そんな理由で、今回の担当者さんには事前に書面でお知らせすることにしたのだ。

文面を書いているうちに、担当者さんとのやりとりを思い出し、「良い人だったなぁ。ここで縁が切れてしまうのは、もったいない」と思い、ダメもとでお願いをしてみた

実際にいれたファックスの文面 後段

ここでひとつお願いがあります。

現在、○年○月末まで○%でお借りしている住宅ローンを○年固定○%(*)にして頂きたい。

私共としましては、○○銀行さんとのお付き合いを今後も是非、続けていきたく、ご相談している次第です。

前向きにご検討頂けますと幸いです。

*交渉する金利は、「今までの半分」を設定した。それでも借り換えを検討していた銀行よりは高い水準である

上記のファックスを送ってすぐ、担当者さんから電話がかかってきた。

「社内で検討してみますので、お時間を頂けますか?」と。社内会議の結果、すんなりと要求が通った

成功ポイント 2 金融機関にとって信用度の高い人になること

なぜ、すんなりと要求が通ったか? 

金利交渉をしたのは数年前なのだが、後から考えて「ああ、そうだったのか!」と参考になったのは、昨年発売されたベストセラー、「お金が貯まるのはどっち!?」という本だ。

著者の菅井敏之さんは、元・銀行支店長。この本には「お金の貸す側の論理」、つまり、金融機関の手の内、心の内が書かれている。

金融機関がお金を貸したいと思う人は、「信用度が高い人」だ。この本を読んで初めて、「我が家は、信用度が高かったんだ」と気がついた。

金利交渉をするまでに、自然とやっていたことが、実は金融機関側にとっては信用度が高まる行為だったのだ。

金利交渉までに我が家がやっていたこと

(1) 住宅ローンの返済が滞ることがなく、繰り上げ返済を何回もしている。

(2) 住宅ローンを借りている銀行で、毎月天引き貯蓄をしており、永続的に付き合っていくつもりである。

菅井さんに取材でお会いした際の言葉も、忘れられない。

それは、

「住宅ローンを貸す側も人間なので、この人のために、社内会議を通してあげようと思えるかどうかは大事」

ということ。機械的に見える銀行員さんにも感情があり、その人が頑張って社内の会議を通してくれなければ、こちら側の要求は通らない。

その事実を忘れないようにして金利交渉をすることも大切ではないか? と、菅井さんの話を聞きながら思った。

「交渉」という言葉には、「話を巧みにもっていって、結果を勝ち取る」といった戦闘態勢なイメージがあるが、単なる高飛車な態度では意味がない。

交渉を有利に運ぶための「材料」を集め、本気で銀行員さんにお願いしてみること。それが大切だ。

住宅ローンが完済した折には、ローン担当者さんに菓子折りを持って御礼に行きたい。実は、ここがポイントだったりする。

我が家がローンを借りているのはメガバンクではなく、地域密着型の金融機関。おそらく勤務地が変わっていたとしても、小1時間で行ける範囲だろう。


金利交渉を成功させるポイント2つ

最後に「材料集め」について整理をして終わりたい。

(1) 要求する数字に妥当性があること
…実際に他銀行で借り換えの試算をしてもらい、要求する数字に妥当性を持たせる。

(2) 金融機関に信用してもらうこと
…お金を貸す側の論理を知り、金融機関がお金を貸したい人になる。


(執筆者:楢戸 ひかる)





《楢戸 ひかる》
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HP「主婦er」を通じて、「これからの主婦の在り方」を、発信中。 吉祥寺の人気カフェ、A.K.Laboで、マネーライター歴20年の経験を生かしたお金についての個人セッションをしています。 <保有資格>:FP技能士2級 寄稿者にメッセージを送る

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