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異例となる「長期金利操作決定」を受け、今後のマーケットにどう向き合うべきか?

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異例となる「長期金利操作決定」を受け、今後のマーケットにどう向き合うべきか?

9月21日、日米で今後のマーケットの先行きを左右する重要会合が行われました。国内では、日銀金融政策決定会合、米国ではFOMC。

米国で利上げが見送られたことは、ある程度想定の範囲内と言えるでしょう。その点に関しては、前回のコラムでも述べさせて頂きました。

一方で、金融政策決定会合では長期金利を操作する異例とも言える金融政策を決定。今後のマーケットとはどのように対峙すればいいのでしょうか。


ひとまずは苦境が続く銀行に配慮した日銀

21日のマーケットは日銀の発表を受け、銀行株中心に大幅反発。日経平均は300円の上昇、為替も一時103円処まで円安進展しました。長期金利操作、ひいては、イールドカーブをスティープ化させることをマーケットが好感した訳です。

イールドカーブのスティープ化とは

イールドカーブが急な右肩上がりになることを意味します。つまり、日銀は今まで以上に

長期金利を上昇させたい

その思惑の表れなのです。

では、なぜ長期金利が上昇する局面では、銀行株が買われるのでしょうか。それは「短期調達、長期貸出」を信条とする銀行の旧来のビジネスモデルに起因します

長期金利0%誘導が意味するもの「変貌を遂げる銀行ビジネス」

21日単日で見ると、銀行株は大幅高を演じました。イールドカーブがスティープ化すれば、銀行の貸出金利も上昇します。銀行の収益環境が良くなる訳ですから、金融株が買われるのはまさにセオリー通りの動きと言えます。しかし、その上昇も長くは続きません

実際に、翌営業日には銀行株は軒並み下落。利益確定の売りに押されました。しかし、この下落の本当の理由は銀行のビジネスモデルの変貌にあります。現在の銀行のビジネスモデルは短期貸出が主力。長期貸出でも5年程度が中心です。

つまり、いくら日銀がイールドカーブをスティープ化するよう調整しても、長期金利の誘導目標が0%であれば意味がないのです。意味がないとは言い過ぎかもしれませんが、銀行が受ける恩恵は限定的であると想定されます。


今後はマイナス金利の深堀も!? 銀行株の売り建ても視野に入れた投資戦略を

では、今後どのような投資戦略を取るべきなのでしょうか?

個人的には銀行株の売り建てを視野にいれるべきだと思っています。今後イールドカーブをスティープ化させるためには、必ずマイナス金利の深堀も必要になってくるでしょう。

実際に、21日の会合ではマイナス金利の深堀について繰り返し言及されています。つまり、引き続き銀行の収益環境が悪くなることが予想される訳です。だとすれば、銀行株は売りと言えるでしょう。

また、仮に銀行株の動きが冴えない場合には、主力株の動きが冴えないことも想定されます。よって、引き続き物色対象は中小型のテーマ株になると想定されます。フィンテック、自動運転、Ai等の新分野の一角に注目したいですね。(執筆者:徳田 陽太)

《徳田 陽太》
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徳田 陽太

徳田 陽太

立命館大学卒業後、大和証券株式会社に入社。法人・個人営業に従事し、5年間で4年連続4度社長賞を受賞。退職後、Finanzaを設立し独立。FP業務や金融ライティング業務に従事。また、近年では企業向けのコピーライティングを行い、企業のブランディングにも参画。米国への留学経験があり、海外スタートアップ事情にも精通。 <保有資格>:証券外務員一種、AFP 寄稿者にメッセージを送る

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