新築住宅の購入は、晴れがましい「一国一城の主」気分が味わえるものです。
しかし、現実を直視すると「新築」って……どうでしょうか。収入は目減りし、教育費はうなぎのぼり。老後の貯えも心配。電卓をたたく前に、新築住宅の購入が夢の選択肢から外れている人も少なくないと思います。
また、単身世帯が増えている中で「一生賃貸は難しいから、どこかで自分の家を持っておきたい」と思う人もいると思います。
一般的には、大体60歳を過ぎると、法的には制限がないものの、大家さん側の条件で賃貸住宅への入居が難しくなってくるとも言われています。夢はあれこれ思い描けども、現実は冷たく立ちはだかります。
購入となれば、新築よりも中古物件の選択がより現実的に。しかしリフォームにかかる費用もばかになりません。
空き家問題とDIYのマッチング
街を見渡せば、高層マンションがいつもどこかで建築されており、マンション販売のチラシも、毎日のようにポストに差し込まれています。しかし古くなり、賃貸に出しても借り手が見つからなずに空き家になってしまった物件も増えているのが現状です。
この「空き家問題」は国土交通省でも問題視されており、このような空き住宅の有効活用を促進する「DIY型賃貸のすすめ(pfd)」というガイドブックを策定して、空き住宅をDIYという切り口で国土交通省が推進するようになりました。
はしょって言うと、
というところでしょうか。
DIYとは日曜大工ではない。外注しない選択である。
確かに最近は、釘一本打てないものと思い込んでいた賃貸住宅でも、探すと「DIY可」の物件をちらほら見受けるようになりました。古めの物件が多いのは確かですが、広さや立地条件にしては格安です。
手ごろな中古住宅を購入し、できるだけ安く、自力でリフォームしてみたいという気持ちがあれば、その前にDIY物件に入居し、経験値を上げることも悪くありません。
入り口はコスト問題であっても、「リフォームを外注しない選択」は、確実に次の住まい方、暮らし方への足がかりを得られると思います。
また、前入居者のDIYによって、次の貸主へ高い賃料で貸し出すことができれば、一定期間前入居者にキャッシュバックを行う気鋭の不動産業者も生まれています。
MAD Cityを運営する株式会社まちづクリエイティブは、国土交通省がDIY賃貸を推す前から、地域活性化目線で「DIY×賃貸」の可能性を拡げる取り組みをはじめておられます。
DIY賃貸は、先々の住まいを見据えながら暮らすことのできる、新しいステージのようではありませんか?
これから増えていくと思われるDIY賃貸・DIY住戸は、住居にかかる費用を抑えながら、新しい住まい方のロールモデルになっていくでしょう。あなたも日曜大工から一歩踏み出してみませんか? スキルを磨き、レベルを上げて、到達と達成のファンファーレを聴きましょう!(執筆者:酒井 菫)