親が一人暮らししていた実家を相続して売却した場合の「3,000万円の特別控除の特例」とは?»マネーの達人

親が一人暮らししていた実家を相続して売却した場合の「3,000万円の特別控除の特例」とは?

「空き家」相続問題



筆者も相続のご相談を多くお受けしておりますが、その中でも実家が今後空き家になるという問題を抱えている方非常に多い傾向があります。

地方の実家は往々にして相続人はその家に住むことはなく、若い世代は利便性の良い都市部に住居を構え、空き家になって放置してしまうという現状があります。

空き家を取り壊すと固定資産税の軽減を受ける特例から外れてしまい、最大で6倍になることも空き家のまま放置する原因となっていると思われます

こういった空き家に対する対策として国は「空き家の発生を抑制するための特別措置」として「空き家に係る譲渡所得の3,000万円の特別控除の特例」を創設しました。

どのような制度かというと…

相続時から3年を経過する日の年の年末までに、お亡くなりになられた方の居住用の家を相続した相続人が、この家を(耐震性がない場合はリフォームして)売却または家を取り壊した後の更地を譲渡した場合には、譲渡した所得から3,000万円分を特別に控除するというものです

【例】相続した家を取り壊して更地を1,000万円で売却した場合


・ 特例を使って所得税・住民税を計算

{1,000万円-1,000万円 × 5%(取得費として計算)-200万円(取り壊し費用)-3,000万円}× 20.315%=0円

・ 特例なしの場合

{1,000万円-1,000万円 × 5%(取得費として計算)-200万円(取り壊し費用)}× 20.315%=152万3,625円

特例を使うと税額が0円になります。

この特例を適用するためにはいくつかの要件があります。

(1) 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(マンションは除く)
(2) お亡くなりになられた方が一人で住んでいた家屋であること
(3) 相続開始の日から3年目の年末までにまでに譲渡すること
(4) 譲渡の価格が1億円以下であること
(5) 家屋を譲渡する場合、譲渡の時に耐震基準に適合していること
(6) 更地で譲渡する場合、譲渡する側が取り壊しを行うこと
(7) 相続発生後、事業用・貸し付け用・居住用に供されたことがない事
(8) 平成28年4月1日から平成31年12月31日までに譲渡を行うこと
などがあります。

実は上記の中でポイントがあります。

住民票を老人ホームに移しての入居の場合は認められない


(2)の被相続人が一人で住んでいたことの証明です。高齢になってくると老人ホームなどを利用する場合が多くあります。

「この場合適用されるのか?」という事ですが、住民票を老人ホームに移しての入居の場合は認められないとのことのようです。

住民票を移さないで老人ホームに入居している場合はまだグレーのようです

では、一人で居住していたという事を証明するにはどうしたらよいのか? どのような書類を用意したらよいのか?

それには、「被相続人居住用家屋等確認書」という書類を市区町村役場において交付を受ける必要があります。

交付を受けるために

そのために以下の書類が必要になります。

(1) 被相続人(お亡くなりになられた方)の除票住民票の写し
(2) 被相続人が住んでいた家屋の譲渡時の相続人の住民票の写し
(3) 家屋またはその敷地等の売買契約書の写し等(取り壊し後売却する場合には取り壊し工事請負契約書の写し)
(4) 電気・ガスの閉栓証明書または水道の使用廃止届出書
(5) 家屋の売却時の仲介業者である宅地建物取引業者が当該家屋の現況が空き家であり、かつ、当該空き家は除去または取り壊しの予定があることを表示して広告をしていることを証明書面の写し
(6) 当該家屋の取り壊しの時から譲渡の時までの、被相続人居住用家屋の敷地等の使用状況が分かる写真
(7) 当該家屋取り壊しの時から敷地等の譲渡の時までの間の、当該敷地における相続人の固定資産課税台帳の写しまたは固定資産税の課税証明書の写し

適用を受けるためには様々な要件と用意しなくてはならない書類が多くあります。

しかし、この適用を受けることにより上記に計算例で見ても約150万円もの税金を支払う必要がなくなりますなおかつ売却代金も受け取ることが出来ます

最後に



地方の実家、先祖代々の土地など簡単に売却できない思い入れや事情もあると思います。

しかし、今後放置した空き家が特定空き家に指定されてしまうと固定資産税の軽減措置も外されてしまい、最終的には倒壊の恐れがある場合等においては行政代執行もされてしまう可能性があります

 ※行政代執行とは 行政上の強制執行の一種。義務者が行政上の義務を履行しない場合に、行政庁が、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収すること(wikipediaより)

地方においては人口減少問題もあり、土地家屋の売買がより一層難しくなっていくことが予想されます(需要と供給のバランスにより)

家屋を耐震リフォームして売却するという形はなかなか現実的には難しいのかもしれませんが、更地にして売却できるようなら是非この制度を利用したいものです。(執筆者:瀧澤 宏行)

この記事を書いた人

瀧澤 宏行 瀧澤 宏行»筆者の記事一覧 http://www.fp-takizawa.com

瀧澤ファイナンシャルプランナー事務所 代表
住宅ローン相談・資金計画相談は山梨県中央市の瀧澤FP事務所に御相談下さい。ローンの知識・選択・返済計画・借り換え等様々なお悩みを解決いたします。なお初回は相談無料にて行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。また、家計・教育資金・老後資金・保険等の相談もお受けいたしております。ご家庭のお金に関する疑問ご質問等、様々なお悩みもご一緒に解決いたします。
【保有資格】1級FP技能士 / CFP(日本FP協会)/宅地建物取引士/住宅ローンアドバイザー/証券外務員2種/ビジネス法務エキスパート

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