働き盛りの世帯で子どもがいると何かと家計は大変でないでしょうか。一部の富裕層を除いて、学費や住宅ローンの返済で可処分所得が決して多いとはいえないでしょう。

そのようなサラリーマンの中には、少しでも年末調整で還付金を多くもらうために唯一の脱税手法に手を染める人が少なからず存在します。

その手法とは扶養親族のパート・アルバイトの年収が103万円を超えているのに、配偶者控除・扶養控除の対象になると虚偽の申告をする手口です。

税務署と市区町村の連係プレイで扶養親族の年収は把握できる

会社にバレないという思惑とは裏腹に、時間が立てば虚偽の申告は発覚します。その仕組みを説明しましょう。

結論から申し上げれば、税務署が市区町村に照会をして扶養親族の年収が103万円を超えていることがいずれバレます。

虚偽の申告が発覚するカラクリ

(1) 扶養親族の住んでいる市区町村に、年末調整の結果を給与支払報告書という様式で提出します。この段階で全国の給与所得者の年収が捕捉されるのです。

(2) 年収500万円を超えるサラリーマンの源泉徴収票を税務署に提出します。そこには扶養親族の氏名が記載されているので、誰を調べればよいのか一目瞭然です。

マイナンバー制度でサラリーマンの脱税は簡単に補足できる

今までも上記のようなサラリーマンの脱税は税務署にあぶり出されていましたが、マイナンバー制度により効率的になります。市区町村に番号で紹介すればコンピュータから扶養親族の年収はすぐに出力されるのではないでしょうか。

その証拠に会社に提出する扶養控除等申告書に配偶者や扶養親族のマイナンバーを記載する欄があります。

本人には気づかない方法で税務署が情報を入手している

源泉徴収票のうち、税務署提出用だけ配偶者や扶養親族のマイナンバーを記載することが義務づけされています。このようにマイナンバー制度の導入によって、サラリーマンができる唯一の脱税手法は封じ込まれました。

あなたの脱税で迷惑するのは会社。

扶養親族の年収が103万円以下という虚偽の申告は単に会社に対して事務負担を増やすだけではありません。通常は数年分まとめて発覚するので、税務署から指摘される脱税額は多くなります

ということは、追徴課税の金額もそれに比例するので、会社が支払う税金はバカになりません。

当然、経理部や総務部からそのサラリーマンは会社が負担した脱税金額と追徴課税分を請求されます。同時に税務署に対する信用ダウンは避けられません。

安易に配偶者控除・扶養控除の対象になると虚偽の申告をするのはとても危険です。

来年から年末調整後に会社が住民税を電子申告(eLtax)している場合は自動的に源泉徴収票のデータが税務署に送信されるシステムになることが、平成28年11月22日付けで地方税ポータルサイトのHPに掲載されました。したがって、配偶者・扶養親族の年収の把握がより強化されます。(執筆者:阿部 正仁)