最近、ヤフー知恵袋で医療費控除などの還付申告をすると税務調査が入ることを懸念している書き込みがありました。

「確定申告=税務調査」という思い込みがあることに少々驚いています。

そんな誤解を解くためにこのテーマを記事にしました。

そもそも税務調査とは何ですか?

そもそも税務調査とは、申告納税方式に則って、自分で税金を計算・申告・納税した金額が正しいかどうかを税務署がチェックする行為です。

正式名称は質問検査権といいます。

調査項目のひとつに、申告した税金の計算根拠となる領収証などの原始証憑のチェックがあります。

「確定申告=税務調査」は杞憂です

サラリーマンの場合、副業でもしない限り、源泉徴収票や医療費控除の領収書などの原始証憑を確定申告書に添付することができます。

また、初年度の住宅ローン控除では住宅の登記簿謄本のコピーなども提出します。

添付された原始証憑で確定申告書の内容をチェックすればすむ話なので、わざわざ納税者に対して実地調査する意味はありません。

したがって、サラリーマンが確定申告をすると税務調査のリスクは限りなく低いです

税務調査の選定先を決める方法

ところで、1.0%という税務調査にまつわる数値をご存じですか。

これは個人に対する実調率です。調査すべき対象者のうち、税務調査が行われている割合です。

税務署も人員削減により、調査する人のターゲットを選定せざるを得ない状況です

以下の表が国税庁の定員と実調率の推移です。

国税庁の組織

実調率

≪画像元:グラフは国税庁HP(pdf)を筆者が加工≫

その選定先の基準はおもに次のとおりです。

1. 副業しているのに確定申告をしない人

税務署は確定申告書だけをチェックしているわけではありません。

国税総合管理(KSK)システムという、ホストコンピュータで全国津々浦の情報を一元管理しています

だから、収入先が遠隔地でも申告しないことが発覚する仕組みが出来上がっています

2. 経営が軌道に乗っている個人事業主や会社

軌道に乗っている目安は開業してから5年ぐらいです。

過去に遡って税務調査ができるのが原則5年間だからです。

3. 確定申告書の数値に不自然な点がある場合

確定申告書は一目で生活が成り立っているかどうかが分かるようになっています

たとえば、所得別の収入金額が極端に少ない場合には裏金で生活していると疑われます。

その裏金は収入金額に計上していないと考えるのが税務署の発想です。

還付申告をするときは所得控除の書類を確定申告書に添付しましょう

給料収入だけのサラリーマンは、税務調査が入る可能性は確定申告書に医療費控除の領収証などを添付せず、保存する方法を選択している場合ぐらいでしょう。

領収書をチェックするためです。副業収入を確定申告していない人を除いては申告するときに必要書類を添付すれば、税務調査が入るリスクは限りなく少なくなります。(執筆者:阿部 正仁)