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思わず二度見する優待内容
株主優待についていろいろ調べていると、「えっ、何これ?!」と思う優待に出会うことがあります。
これって欲しいと思う人がいるのかと思うような内容や、おもしろいから欲しいかもと思うような内容など、企業によって特色があります。
今回はその中でも、もしかしたら大きな利益を生んでくれるかも、と思う優待を実施している2社をご紹介します。
マサル[1795]
株価:549円(10/2終値)
売買単位:1000株
最低投資金額:54万9,000円
権利確定月:3月・9月
1株当たりの年間配当:10円(2017年9月期予想)
配当利回り:1.82%
優待内容
1000株以上「サマージャンボ宝くじ」10枚(3月のみ)
3000株以上「年末ジャンボ宝くじ」10枚(9月のみ)
JASDAQに上場している会社で、外壁防水工事で大きなシェアがあります。特に首都圏の高層ビル建設の7割に関わってきたそうです。
創業は1957年で、長年に渡り防水事業で日本のビルを支えてきました。現在ではリニューアル事業も行っています。
そんな堅い印象の業種にも関わらず、株主優待の内容はなんと「宝くじ」。いったい誰が考えたのか! と思わず笑ってしまいました。
タダでもらった宝くじがもし大当たりだったら…なんて夢は広がりますが、外れたら優待なし。必要投資金額も比較的大きく、優待狙いの株としては候補には上がりにくいですね。
企業業績
直近4年間の売上や営業利益はほぼ横ばいです。
業種として、大型案件の有無によって、どうしても業績が大きく左右されてしまう面がありますが、リニューアル案件を増やすことによって補っているようです。
5月1日に発表された業績修正では、2017年月期の売上はほぼ変わらないものの、建築業界全体の利益率が改善し、純利益では当初から41%増となっています。
マサルは日々の売買数量(出来高)が非常に少ない株なので、値が付かない日も少なくありません。売りたいときに売れない可能性があります。
業績も外部要因に左右される印象が強く、値上がり期待としての投資も難しい面がありそうです。
リミックスポイント[3825]
株価:1,167円(10/2終値)
売買単位:100株
最低投資金額:11万6,700円
権利確定月:3月・9月
1株当たりの年間配当:70円(2018年3月期予想)
配当利回り:1.83%
優待内容
100株を1口とし、1口当たり8円相当のビットコインの配布
業務用のアプリケーションやソフトウェアの開発を目的として、2004年に設立されたリミックスポイントは、現在では事業の幅を広げ、電力や省エネ、また省エネに関わる補助金支援や自動車関連の事業を行っています。
そして新たに仮想通貨事業やトラベル事業も開始しました。省エネ事業も仮想通貨事業・トラベル事業も、政策の変更を受けて即座に参入し、新たな市場開拓を行っています。
今年の3月末には、初めて株主に対してビットコインの配布を行いました。
厳密には「株主優待」としての位置づけではないのですが、株主還元の一環といえます。時代を感じる内容ですね。
ビットコインの価格は今年5月以降急騰しており、株主からは良い反響があったようで、9月末の株主に対しても配布することを決定しました。
ビットコインへという新たな通貨への不安もある中では、お試し感覚でビットコインに触れられる機会があるというのはおもしろいですね。
今後継続するかどうかは未定としていますが、同社にとっては自社傘下の企業でビットコインの口座を開設してくれる顧客が増えるというメリットもあり、問題がない限り継続されるのではないでしょうか。
企業業績
新たな事業に次々参入しているということもあるためか、良いときと悪いときのブレがあり非常に不安定です。
2017年3月期は最終赤字となりました。2018年3月期の予想も当初は赤字予想でしたが、8月に業績予想を修正し、通期の売上は前期比30%以上、最終利益では235%超となる見通しです。
「夢」を与えてくれる優待
今回ご紹介した企業の優待は、「宝くじ」と「ビットコイン」と、他ではあまり見られない内容です。
確実にメリットを得られるわけではない点が他の優待と違いますが、ちょっとした夢を与えてくれる優待とは言えるかもしれません。(執筆者:高橋 珠実)