前回は払済保険・延長保険という以後の保険料の支払いをまったくなくす方法を説明しました。
今回は、「少しでも負担を減らせれば」とお考えの方に役立つ保険の機能をご紹介します。
前回の記事はこちら→「保険料の支払いが苦しい」解約を検討する前に活用したい保険の機能 第1弾:払済保険と延長保険
目次
減額・特約解約
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減額とは、保障の一部を解約することを言います。
例えば死亡保障3,000万円の契約を、1,000万円に変えるような手続きです。
2,000万円の保障に充てられる部分の保険料は下がります。このとき、解約返戻金があれば受け取ることも可能です。
また、特約の解約によって保険料を下げることもできます。特約保障の減額を行うことも可能です。
本当に必要のない保障だけを減額の対象にする
いずれも、単純に保険料負担を減らしたいから、という理由で行うのではなく、本当に必要のない保障だけを減額の対象としましょう。
・ 住宅購入の際団体信用生命保険に加入したため、生命保険で大きな死亡保障を備える必要がなくなった
などのケースに有効と言えるでしょう。
ただし、保険会社によっては最低保障金額を設定している場合があり、それを下回る金額へ減額することはできません。
また、主契約の減額を行うと同時に特約部分も減額の対象となるケースもあります。
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転換
転換とは、現在加入する保険を活用し、新しい保険に加入する手続きを言います。イメージとしては、車の乗り換えに似ています。
新しい車(保険)を購入する経済的負担を少しでもやわらげるため、古い車(保険)を下取りに出すのです。
保険を手厚くもできます
転換は、保険料を下げる以外にも、今と同じ保険料で保障を手厚くすることに役立てられる場合もあります。
・ 保障額
・ 保険料の払込方法
・ 保険期間および保険料払込期間
・ 配当方法
など、さまざまな要素を見直し、新しい保険へ切り替えを行います。
注意!転換は慎重に
掛け捨て型の定期保険に変わっていた、払い込み期間が延長されていたなど、保険料を下げるため、本意でない変更が行われることも少なくありません。
また、予定利率が高水準の、昔に加入したいわゆる「お宝保険」は、転換すると結局損をしてしまうことがほとんどです。
転換をすると、その時点での予定利率で保険料が計算されるためです。
一見お得に見えても、後々トラブルを引き起こすおそれのある転換。保険会社の営業社員の勧めに飛びつかず、冷静に判断することが大切です。
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まとめ
保険料負担を減らす方法として
・ 特約解約(減額)
・ 転換
を紹介しました。
いずれも保険料を減らすには有効な手段ですが、慎重に行わなければ後のトラブルにつながるので注意してください。
次回は、契約者貸付、自動振替貸付といった保険の継続方法について解説します。(執筆者:近藤 あやこ)
【「保険料の支払いが苦しい」時の対応シリーズ】
第1弾:払済保険と延長保険
第2弾:減額・特約解約と転換 ←いまここ
第3弾:自動振替貸付と契約者貸付
第4弾:高度障害保険金