各種保険に加入すると、必ずご契約のしおりと「約款」を手渡されます。 

しかし、分厚い上に小さな文字で書かれた約款に目を通さない人も多いのではないでしょうか。

しかし、約款は契約において極めて重要なものです。

今回は、約款にはどんなことが記載されているのか、また、約款を確認しないことでどのようなことが起こりうるのかをお伝えします。

保険の約款とは

保険契約は、保険会社と加入者との合意によって成立します。

その上で、両者ともが守るべき「約束事」をまとめたのが約款なのです。

約款は、保険会社が金融庁の認可を受けて作成したもので、契約者に渡すことが義務付けられています。

約款には、主に以下のようなことが記されています。

・ 保険の責任開始期(日)
・ 保険金の支払要件
・ 告知義務
・ 保険契約の無効および解除条件
・ 保険料の払い込み
・ 保険契約の失効と復活
・ 配当
・ 契約の解約および解約返戻金
・ 契約内容の変更
・ 契約者に対する貸付 など

なお、約款は保険に特有のものではなく、不動産取引、旅行などにも存在します。

契約が成立し、約款を受け取った時点で拘束力が生じる

保険契約は、保険会社と大勢の人々との間に結ばれるため、保険契約の条件、内容を個別に定めることは事実上困難です。

そのために約款があり、契約者が読んでいようとなかろうと、それに合意したとみなされるのです。

「知らなかった」は通用しない

例えば、保険には2か月間保険料の振り込みが滞れば「失効」するという規定があり、約款に明記されています。

しかし、これを知らず、保険料を振り込まないまま失効してしまったとき、保険会社に「そんなこと知らなかった」と主張しても、まず覆ることはないでしょう。

理由は、「約款に書いてあるから」です。

他にも、告知を正しく行わなければ契約が解除になることもはっきりと約款に書かれています

告知義務違反により契約を解除されたとしても、約款記載の告知義務を守らなかった契約者の責任ですから、「知らなかった」は通用しません。

このように、「知らなかった」が不利な事態をもたらすおそれもありますから、契約者が約款の内容を把握することは大切なのです。

わからない点は確認

小さな文字で、わかりづらい言葉を用いて書かれているのは確かですが、隅々まで読めなくても、大まかにどのようなことが書かれているのかを把握しておきましょう

わからないことは担当募集人に確認するなどして、不明点をなくすことが大切です。

「ご契約のしおり」は約款を簡略化したもの

契約時には、約款の他にご契約のしおりも渡されます。

こちらは、約款よりもわかりやすい言葉を用いて書かれているため、取っつきやすいと思います。

しかし、ご契約のしおりは、あくまで約款の重要な部分を抜き出し、平易に解説したものです。

約款にしか記載されていない内容もありますから、やはり、約款は必ず読む必要があります

約款の重要性をおわかりいただけたでしょうか。保険に加入したら、必ず約款に目を通してくださいね。(執筆者:近藤 あやこ)