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【確定申告】申告期限に全額納付できない時の最後の手段「振替納税制度」と「所得税の延納制度」について

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【確定申告】申告期限に全額納付できない時の最後の手段「振替納税制度」と「所得税の延納制度」について

大変だ!全額納付できそうにない!!


確定申告期間に入り、多くの事業主や投資家の方は申告作業にかかりきりのことと思います。

中には

「申告は間に合うけど資金が足りなくて申告期限までに全額納付できそうにない」

という人もいるのではないでしょうか。

このような場合、活用したいのが「振替納税制度」と「所得税の延納制度」です。

振替納税制度とは

振替納税制度とは、指定した金融機関の口座から税額が自動的に引落という形で納税を行う方法です。電気代や水道代などの引落とよく似ています。

通常、現金やクレジットカードで納付する場合には、納付期限は申告期限と同じ3月15日です。しかし、振替納税の場合、4月20日に納税額が引落されます

振替納税制度を活用すれば、1か月以上、納税を猶予できます

納税を先延ばしにしても、延滞税はかかりません

制度を受ける手続きが必要

制度の適用を受けたい場合には、本来の納期限である3月15日までに「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」(振替依頼書)に

・ 氏名
・ 住所
・ 金融機関名
・ 預貯金口座名

などを記入し、預貯金通帳に使用している印鑑を押印の上、所轄の税務署か振替先の金融機関に提出する必要があります。

延滞税

納付が納期限までに行われなかった場合のペナルティ

納期限の翌日から2か月を経過する日までの期間については年2.6%、納期限の翌日から2か月を経過する日の翌日以降は年8.9%の利率を日割りで課されます(平成30年1月1日から平成30年12月31日までの期間に限ります)。

所得税の延納制度


振替納税制度を使っても、税額を一度に納付できない場合があります。

先月下旬に発生したコインチェック事件のような突然の資産の盗難や取引先の倒産、口座の凍結などで納税資金が足りなくなってしまう場合がこれに該当します。

この場合、所得税の延納制度を活用することで納付を先延ばしにし、資金繰りをラクにできます。

所得税の延納制度とは

納付する税額を一度に納付できない場合に活用できる納付の延長制度のことです。

納税資金が足りず、3月15日までに一度に納付できない場合や振替口座の残高が足りない場合、放置しておけば延滞税が課されます

しかし、延納制度を活用すれば、延滞税が課されることなく、納付の一部を5月末まで先延ばしすることが可能です。

使用条件

無条件で延納制度が使えるわけではありません。

・ 確定申告書を申告期限である3月15日までに提出すること

・ 3月15日まで(振替納税の場合には4月20日まで)に納付すべき税額の2分の1以上を納付すること

延滞税はないが「利子税」はかかる

延納した場合、延滞税などはかからないものの、年1.6%の割合で利子税がかかります(平成30年1月1日から平成30年12月31日までの期間に限ります)。

平成30年における「確定申告分の所得税で延納制度を活用しても利子税がかからない延納可能税額」は、おおよそ29万円程度です。

仮に半分を延納するとして、全体の税額は58万円。

税額から逆算した課税所得額は約503万円です。延納制度を活用しても損しない可能性のある人は結構多そうな金額です。

延納制度を活用したい場合

確定申告書第一表の中にある「延納の届出」欄の「申告期限までに納付する金額」、「延納届出額」に上記要件を踏まえた上での必要金額を納税者自ら記入します。

これ以外に提出すべき届出書や添付書類などはありません。

注意点


頻繁に活用すると、かえって資金管理がルーズになる恐れもあります

あくまでも「最後の手段」として位置づけ、ご自身の状況と照らし合わせた上で上手に活用するようにしましょう。(執筆者:鈴木 まゆ子)

《鈴木 まゆ子》
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鈴木 まゆ子

鈴木 まゆ子

税理士・税務ライター 中央大学法学部法律学科卒業後、㈱ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。朝日新聞『相続会議』、納税通信、KaikeiZineなどメディアで税務・会計・お金に関する記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著) 寄稿者にメッセージを送る

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