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「確定申告書」を提出した後に医療費のレシートを発見… 安心して下さい「還付」まだ受けられます

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「確定申告書」を提出した後に医療費のレシートを発見… 安心して下さい「還付」まだ受けられます
「確定申告書を提出してホッとしていたら、後から医療費のレシートが出てきた

…こんなことはありませんか?

集計したらそれなりの金額だし、ちゃんと知っておけばもっと税金が戻ってくるはずだったのに…」と泣きたくなるかもしれません。

けれど安心してください。それでも還付を受けることができます

ただし、見つかった時期によって手続きが異なります

確定申告、医療費、レシート

申告期限前なら「確定申告のやり直し」を

確定申告書を提出し、その後レシートが見つかった時期が確定申告期限前、つまり3月15日前ならば、確定申告を作成しなおし、期限内に再度提出します。

具体的な作成方法は次の通りです。

1. 収受印が押してある確定申告書の控と白紙の確定申告書、白紙の医療費控除の明細書を用意する

※確定申告書を提出すると、提出用と控用それぞれの第一表に「〇〇税務署・収受年月日・文書収受」と記されたハンコ(収受印)が押されます。

2. 白紙の医療費控除の明細書で、再度医療費を計算しなおす

この場合、収受印が押してある確定申告書の第二表の「支払医療費等」の額に今回発見されたレシートの医療費の額を加算し、計算しなおします。

3. 白紙の確定申告書に修正の必要な箇所を正しく記入する

今回の医療費控除の件については、「提出済みの申告書の医療費控除の額 + 今回発見された医療費控除の額」を計算し、訂正する箇所に記入します。

訂正する箇所と内容は次のようになります。

・ 第一表の「医療費控除」の欄に「訂正後の支払医療費等の額 ― 補填される金額 ― 10万円または総所得金額等の5%」を記載

・ 第二表の「支払医療費等」の欄に「訂正後の支払医療費等の額」を記載

4. 先ほどの3.以外の箇所については、収受印の押してある確定申告書の内容を転記します

「所得から差し引かれる金額」、「税金の計算」など、訂正により変更になる箇所については正しく計算し、記入してください。

5. 新しく作り直した確定申告書の一番上に「訂正申告」と赤字で書きます

6. 次の書類を期限内に税務署に提出します

提出用書類

・ 収受印が押してある確定申告書のコピー
・ 作成しなおした確定申告書
・ 作成しなおした医療費控除の明細書
・ 新しく発見された医療費のレシート

控用書類

・ 収受印が押してある確定申告書のコピー
・ 作成しなおした確定申告書のコピー
・ 作成しなおした医療費控除の明細書のコピー(必要であれば)

控用書類は、収受印を押してもらった後、手元で控えとして保管してください。

なお、e-taxで確定申告を行った場合はオンラインで申告内容の訂正をすることができます

この場合、「申告・申請等一覧」の画面を開き、再送信するデータを選択、訂正する帳票を開いてそこで訂正します

訂正した申告内容は既に送信した申告内容に上書きせず、別名で保存するようにしてください。

申告期限後なら「更正の請求」

レシート発覚時期が確定申告期限から5年以内の場合、「更正の請求」という方法で還付を受けることができます。

この場合、「更正の請求書」で必要事項を記入し、すみやかに税務署に提出して行います。

1.記載内容

記載の流れはさきほどの訂正申告とほぼ同じですが、更正の請求書では訂正の元となった確定申告書の内容を訂正する内容と併記します。

確定申告書

また、以下の各項目は次のように記載します。

請求の目的となった申告又は処分の種類

「平成〇〇年分確定申告」というように、更正の請求の根拠となった申告の年分を書きます

申告書を提出した日、処分の通知を受けた日または請求の目的となった事実が生じた日

更正の請求の根拠となった確定申告の提出年月日を書きます。収受印を参照してください。

更正の請求をする理由、請求をするに至った事情の詳細等

「あとからレシートが出てきました」などとざっくり書きたいところですが、ここではそうせずに、レシートと事実に基づいて記載します。

例えば、出てきたレシートが平成29年10月3日、○○歯科(住所:△△区×-×-×)で長男が受けた虫歯の治療3万円に関するものならば、次のように書きます。

「平成29年10月3日、〇〇歯科(住所:△△区×-×-×)で長男が虫歯の治療を行い、医療費3万円を支払ったが、これについて記載漏れがあった。よって医療費控除が過少となっていたため」

あまりにもレシートが多くて書き切れないようであれば、この欄には「別紙参照」と書き、別の用紙に「医療を受けた年月日」「病院名とその住所」「医療を受けた人」「医療の内容」「支払医療費の額」をまとめてください。

通常の「医療費控除の明細」と書く内容はほぼ同じです。

最後に、「以上について記載漏れがあったので医療費控除が過少となったため、今回の更正の請求に至りました」と書いてくださいね。

また、還付請求となる場合には、還付先の口座の記載も忘れずに行ってください。マイナンバーの記載も必要です。

2.提出書類

提出書類は次のようになります。

提出用

・ 更正の請求書
・ 提出し忘れたレシート
・ 更正の請求の元となる確定申告書(収受印が押されているもの)のコピー
・ その他必要書類
・ 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)のコピー

控用

・ 更正の請求書のコピー
・ 更正の請求の元となる確定申告書(収受印が押されているもの)のコピー
・ その他必要書類のコピー

注意事項

申告期限

更正の請求は、その元となる確定申告の申告期限から5年超経過すると行うことができません

また、還付金額は基本的に「医療費の額 × 税率」となります。

5千円の医療費が出てきたとしても、ご自身の適用税率が20%なら1,000円が実質還付金額となります

それを多いと見るか少ないと見るかは人によって異なります。

場合によっては請求に5時間かけて1,000円還付されるよりも、同じ時間で1万円稼げることだってあるはずです。

かける労力と還付される金額とのバランスを考えてから作業に取り掛かるようにしてください。(執筆者:鈴木 まゆ子)

《鈴木 まゆ子》
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鈴木 まゆ子

鈴木 まゆ子

税理士・税務ライター 中央大学法学部法律学科卒業後、㈱ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。朝日新聞『相続会議』、納税通信、KaikeiZineなどメディアで税務・会計・お金に関する記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著) 寄稿者にメッセージを送る

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