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これからも「専業主婦」のままでいいの? 収入ゼロが抱える2つのリスク

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これからも「専業主婦」のままでいいの? 収入ゼロが抱える2つのリスク
「結婚したら専業主婦になりたい」

「子供との毎日を大事にして家事や趣味を楽しみたい」

このように考える女性は少なくありません。

特に、就職氷河期などで苦労してきた人ほど「結婚してラクになりたい」願望が強いものです。

ただ、今後については、専業主婦という結婚後の選択肢を外した方がよいような社会状況になってきています。

専業主婦という結婚後の選択肢を外した方がよいような社会状況になってきている

【理由1】パートナーの合計所得が1,000万円超だと配偶者控除も配偶者特別控除も受けられない

今年の1月から、配偶者控除及び配偶者特別控除の制度が変わりました。

変更された点は次のようになります。

・ 納税者(ここでは夫。以下同じ)の合計所得金額が1,000万円超だと配偶者控除も配偶者特別控除も受けられない。

・ 納税者の合計所得金額が1,000万円以下の場合、その合計所得金額と配偶者(ここでは妻。以下同じ)の稼ぐ金額に応じて配偶者控除及び配偶者特別控除の金額が変わる。

・ 納税者の合計所得金額が900万円以下かつ配偶者の合計所得金額が85万円以下の場合、配偶者控除がこれまでと同じ38万円適用される。

国税庁のパンフレットにその制度の詳細が出ているので見ていただくとよいかと思います。

一言で表すと「専業主婦でいるより積極的に稼いだ方がいい」傾向になったということです。

社会保険料の130万円の壁があるため「稼いだ分だけ必ず手取りが増える」とは言い切れません

ですが、特に夫の合計所得金額が900万円(給与年収でいうと1,120万円)を超えるのならば、積極的に稼ぎに行ったほうが家計にプラスに働く可能性があります

【理由2】経済的DVというリスクで身動きが取れなくなる可能性

2000年以降、DVやモラハラによる被害が増えています。

離婚の原因としても上位に上がるようになりました。

妻の離婚動機において「精神的虐待」の占める割合が1975年には17%前後だったのですが、2013年には25%と1.5倍近く増えています。

言葉や態度による虐待が「暴力」としてやっと認識されてきました。

ただ、妻である自分の苦しさの原因がモラハラであることに気づいたとしても、自力で稼いだお金がまったくない状態では抜け出すのが困難になります

さらに、モラハラが行われている場合、経済的DVをも受けているケースが多いものです。

なぜかというと、お金は人間の生活や生命と深く結びついている存在だから。

そのため、言葉や態度だけでなく、お金という存在を夫婦間に上下関係を作り、精神的な暴力が行われやすくなります。

経済的DVとは主に次のような状況です。

・ 必要な生活費がなかなかもらえない、あるいは理由をつけて払おうとしない

・ お金の使途について細かくチェック・管理・叱責される

・ 「誰が稼いでやっているんだ」「ムダめし食い」といったお金にまつわる暴言

・ 妻にナイショで借金をする、財産額を教えない

・ 専業主婦でいることを妻に強要する

特に、妊娠・出産など、妻の身動きのとれない時期に経済的DVがもっともひどくなります。

言葉や態度だけでなく、お金という存在を夫婦間に上下関係を作り、精神的な暴力が行われやすくなる

妻自身も稼いでいない罪悪感から精神的に追い詰められ、八方塞がりの感覚に陥りやすくなります。

ただ、逆に言うと、もともと自力で得ている収入があったり、あるいは自分の状況を客観視し、自分で稼ぐ方向に意識を向けたりすることができるならば、状況を変えることが可能だということです。

「つきあっていたときは優しかったのに、結婚したとたんに彼が豹変した」ということはよくあること。

だからこそ、稼ぐ手段は失わないほうがよいのです。

さいごに

今回は税制面とメンタル面から「女性も稼ぎ続けた方がいい」という点についてお話ししました

自分で稼ぐことは自分の命そのものを自力で守る力をつけることにもなります。

状況によって難しいこともあるかもしれませんが、少子高齢化や年金受給年齢の引き上げのことなどを考えると、稼ぐことへのハードルは下げておいたほうがメリットが大きいと言えます。(執筆者:鈴木 まゆ子)

《鈴木 まゆ子》
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鈴木 まゆ子

鈴木 まゆ子

税理士・税務ライター 中央大学法学部法律学科卒業後、㈱ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。朝日新聞『相続会議』、納税通信、KaikeiZineなどメディアで税務・会計・お金に関する記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著) 寄稿者にメッセージを送る

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