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連続増配への意欲がすごい2社をご紹介
投資した企業が毎年増配してくれたら、とても嬉しいですよね。
何十年も連続増配している企業などは、今後もきっと連続増配を継続するだろうと予測しやすいですが、たいていは連続増配するかどうかは判断できません。
配当は企業の業績や余剰資金と密接に関わっているため、「毎年増配しますよ」とはなかなか言えないのも当然です。
しかし「連続増配宣言」をしている珍しい企業がありましたのでご紹介致します。
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1. 三菱総合研究所[3636]
![三菱総合研究所[3636]](/imgs/zoom1/28137.jpg)
売買単位:100株
必要投資金額:47万8,000円
1株あたりの年間配当:80円(2018年9月期予想)
配当利回り:1.67%
会社概要
経済・経営・政策などのコンサルティングやITサービスを提供する会社です。
官公庁や金融関連、民間企業など、顧客層は多岐に渡ります。
配当方針
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企業のIRサイトを見ると、「利益配分に関する基本方針」として下記の記載があります。
「増配する」という言葉ではありませんが、「配当水準の引き上げに努める」と明記されています。
当たり前のように思えるかもしれませんが、このように明記している企業は実はなかなかありません。
これまでの業績と配当実績

業績は年によって一進一退もありますが、2017年9月期には過去最高益を更新しました。
配当については利益の状況に関わらず、方針通り毎年増配をしています。
利益が減っている時でも増配という点についての良し悪しはさておき、増配を継続できるだけの財務基盤があり、また経営方針として株主還元が重要視されていることが伺えます。
株価動向
2009年に上場してから、株価は上場来高値の水準にあります。
4月に2018年9月期の第二四半期決算が発表されてから、株価は3,300円台から一気に上昇、高値5,010円を付けています。
現在の株価で配当利回りは1.67%と決して高くはありませんが、長期保有で今後の増配の恩恵を受けられたら、利回りは結果的により高くなりそうです。
2. ラクス[3923]

売買単位:100株
必要投資金額:17万5,400円
1株あたりの年間配当:4.15円(2018年9月期予想)
配当利回り:0.23%
会社概要
中小企業向けのクラウドサービスやIT技術者派遣を行っている企業です。
2000年に設立され、2015年に上場しました。
配当方針
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
2018年3月期の決算説明会資料に、「【重要指標】株主還元」の項目があり、「長期にわたる増配を継続」と記載されています。
つまり、増配を継続すると明言されています。
これまでの業績と配当実績
上記資料には上場前の2012年からの配当が記載されており、2019年3月期での7期連続増配を計画しています。
連続で増配するという方針がかなり重要視されていると言えそうです。
企業としては成長期にあり、売り上げの伸びは目覚ましいものがあります。
事業拡大への投資も必要としており、配当自体は決して高いとは言えません。
配当利回りだけ見れば、魅力の高い企業とは言えないかもしれませんが、将来的な企業価値の増大や増配を考えると、長期投資としての魅力は高いと言えるのではないでしょうか。
株価動向
上場後は株価が大きく下がっていましたが、その後着実に右肩上がりの動きをしています。
この半年は1,400円から1,900円の間を上下していましたが、そろそろ2,000円台に乗りそうな印象です。
まとめ
企業にとって「毎年増配する」という宣言は、強い覚悟がないとできません。
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もし業績が思わしくなく減配あるいは現状維持となれば、すぐに投資家が離れてしまうでしょう。
今回ご紹介した2社は、リスクを覚悟して「増配宣言」をしており、その姿勢だけで個人的には魅力を感じました。(執筆者:高橋 珠実)