「相続税申告」の依頼

会計事務所がまず調べること

奥さんや関係者から「相続税申告」を依頼されたら会計事務所はどう対応するか…

妻が相続人か否かの確認作業

から始まります。

相続人になれるのは死亡時の配偶者のみです。

事実婚ではダメであくまで戸籍上の妻かどうかです。

ひょっとすると死亡前に籍を抜いていたかもしれないですよね。

遺産がもらえるのは、

法定相続人と遺言であげると書かれた人のみ

です。

子供がいなかったとの話ですが、認知した子やら「ドン・ファンの子です」と名乗りでてくることもありえます。

まずは戸籍上の確認が必要です。

家政婦は相続人になれるのか?

家政婦に相続権はあるのか

遺言があり

「家政婦さんに遺贈する」

書かれていたら遺産はもらえます

但し、相続税額の2割加算という制度があり、配偶者と一親等(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含みます)以外の人は相続税額に2割加算されます。

相続人になれないかも…「相続人欠格」

民法891条の(1)故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたため、刑に処せられた者

とあります。

そのため相続権のある人が犯人となった場合は「相続人欠格」となり財産はもらえません

相続権のある「代襲相続人」

孫がいたら相続権はある

ドン・ファンに子供がいて、子が犯人だった場合はその子は相続人になれませんがその子の子(孫)がいたとすると、その子には「代襲相続人」として相続権があります

代襲するのは直系卑属のみです。

妻に別の方との間の子がいたとしても、その子には相続権がありません

小規模宅地等の特例

原則、故人と同居していると適用できる制度の、相続税評価が80%引き下げられる小規模宅地等の特例は誰だと適用されるか。

情報では妻とは半同居のような状態でしたが、実は妻には同居の条件がありませんので適用できます

家政婦

家政婦さんとも半同居ようです。

自宅を家政婦さんにあげると遺言に書いてあったら、事実認定として同居していていれば適用できるのか?

適用できません

なぜなら、小規模宅地等と適用は親族のみに適用となっているためです。

ドン・ファンの「きょうだい」の相続権

ドン・ファンにはお子さんがいなかったようですので、両親等直系尊属が亡くなっていれば「きょうだい」に相続権があります

だだし、遺言で

「きょうだいにはあげない」

と書いていた場合は、きょうだいには遺留分もないため、きょうだいに相続権はありません

「きょうだい」に財産が行くケースもある

妻が逮捕されたら相続権はどうなるか

「特別縁故者」という制度があり、もし妻が犯人だった場合は、結果的に遺産が「きょうだい」に行くこともあります。(執筆者:橋本 玄也)