銀行融資の高い敷居を攻略【第1回】 銀行員が教える「融資していい相手」3つの条件

銀行の敷居は高い

銀行融資は敷居が高い

世間でよくいわれます。

銀行融資の審査は厳しく、また融資取引をはじめるためにはかなりの労力を必要とします。

「なぜ銀行の融資審査は厳しいのか?」

「なぜ根掘り葉掘り聞いてくるのか?」

「なぜ印鑑証明や住民票など多くの書類が必要なのか?」

いちどでも銀行に融資相談をした経験があれば、きっと上記のような疑問を持ったことでしょう。

こうした疑問にお答えすべく、今回は銀行融資の入り口について、下記のように説明していきます。

第1回:銀行融資の対象先~銀行員が教える「融資していい相手」3つの条件

第2回:対象先のチェックポイント3点

これから融資をはじめたいと考えている方、融資取引中の方もぜひご参考にしてください。

なお今回の内容は、私の銀行で新人教育に使用するマニュアルを参考にしています。

つまり「銀行員の教科書」に書かれている内容なのです。

ここは新人の銀行員になったつもりで読み進めていただくとより理解しやすいと思います。

銀行と書いていますが、信金・信組など金融機関全般に共通する内容だと考えています。

「サービス業」である銀行ですが…

銀行は金融サービスを提供するサービス業です。

銀行はあくまで私企業、営利企業であることに変わりありません。

ただし銀行には他のサービス業と決定的に違うところがあります。

それはただひとつ、銀行は客を選べるという点です。

コンビニのレジで買い物を断わられたことがありますか?

理髪店で散髪を断わられたことがありますか?

周りに迷惑を掛ける、店のルールを守らないなどの例外を除き、サービス業がお客様を拒絶するや、提供を拒否することはまずありえません

しかし、銀行は違います。

銀行融資の対象先になるには、条件がいくつもあります。

融資には審査があり、当然融資を断わることもあります。

銀行は客を選べる

銀行が考える「融資しても良い相手」とはなんでしょう?

相手によって、銀行はサービスの提供を拒むことができるのです。

そうはいっても、あくまでサービス業でありながら銀行がこうして堂々と、いわば顧客の選別をできるのには、いくつか理由があるのです。

それが顧客選別の基準、つまりは銀行が考える「融資しても良い相手」なのです。

銀行の顧客選択基準という関門を突破しなければ、融資は受けられません。

銀行の顧客選択基準をクリアして、はじめて銀行融資の対象先になります。

次項では、対象先について詳細を説明していきます。

読み進めていくと、

「何をいまさら」

「あたりまえのことじゃないか」

そう感じる方もいるでしょう。

しかしながら、これらはすべて銀行が真面目に考え、実際に融資審査の基準としているものです。

銀行融資の対象先 その1:安全性がある

この場合の安全とは、

銀行にとって安全

という意味です。

預金を集める

融資する

利息を付けて元金を回収する

利息を加えて預金を返す

この銀行本来の機能を「金融仲介機能」と呼びます。

銀行から融資を受けたら、利息を付けて返済しなければいけません。

これについては説明するまでもなく、ひととしての常識です。

しかしながら、現実には全ての融資がちゃんと返済されるわけではありません
  
その理由は2つあります。

(1) 返す意志がないから
   
(2) 返す能力がないから(なくなったから)

(2) について説明は不要でしょう。

業績が悪化して返済できなくなったということです。
  
問題は(1) 返す意志がないから、のほうです。

借りても返す意思がない

意図的、計画的に銀行から融資金をだまし取ろうという詐欺が代表例

  
単にルーズで、返済するつもりがないというのもこちらに当てはまります。
  
安全性とは、融資を回収できるかどうかです。
  
銀行融資の第一関門を突破できるのは安全性を具備しているひと、つまり

「借りたカネを返す気持ちと、返す能力があるひと」

なのです。

銀行融資の対象先 その2:成長性がある

銀行融資は地域経済の発展に資するものでなくてはなりません。

融資相談をすると、銀行は必ず将来の希望・夢・ビジョンといったものを聞いてきます。

これは、

融資したお金がその企業の成長に役立っていくか?

それが重要だからです。

自ら起業して、あるいは親など先代から事業を引き継いだひとは、みんな夢や希望を持って経営に努力しているでしょう。

ですから、

「あと3年で店をたたみます」

「仕方なく継いだ家業なので、別にこの先どうなってもかまいません」

このような成長性のないひとに銀行は融資しません。

もちろん未来のことは誰にも予想できません。

しかしながら大事なのは気持ちです。

銀行融資の第二関門突破のため

「事業を成長、発展させようというやる気があるひと」

と銀行に認めさせるようにアピールすることです。

やる気をアピール

銀行融資の対象先 その3:収益性がある

「金融仲介機能」、「地域経済の発展に資する」など、高尚な表現ばかりつづきましたが、最後の関門はもっと現実的で生々しいものです。

それは収益性があるひと、ということです。

銀行も営利企業だと説明したとおり、銀行融資には必ず儲けがなくてはなりません。

つまり収益性があるとは「銀行にとって儲かるひと」のことなのです。

他行の住宅ローンや事業資金融資の肩代わりでは、当然ながら他行より低い金利でなければ話になりません。

銀行融資には儲けがなければダメ

金利で頑張っても儲けがなければ、銀行は肩代わりの話からサッサと手を引きます

繰り返しますが、銀行は赤字の融資はしないのです。

銀行の収益源はもちろん金利だけではありません。

銀行にはいろいろなサービスがあり、融資取引するということは、つまり銀行からいろいろなサービスの提供を受ける(押しつけられる?)ということなのです。

銀行の依頼(要求)にどこまでつきあうか?

ここが個人として銀行とつきあっていくうえで悩ましい部分といえるでしょう。(執筆者:加藤 隆二)

この記事を書いた人

加藤 隆二 加藤 隆二»筆者の記事一覧 (36)

バブル期に入社して、以来銀行一筋30年。お金にまつわるさまざまな相談にこたえてきました。時には返せなくなってしまった人からの相談にも、可能な限り親身になって対応してきたつもりです。銀行員として「あなたのために、なにができるか考えます」 最初の挨拶はいつもそう言ってきました。年を重ねた今も、気持ちは変わっていません。銀行員として、読者である「あなたのために」役に立つ文章を書いていきたいと思っています。
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