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相続税の節税対策には「申告書の提出」が必須 節税メリットの大きい2つの制度も要チェック

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相続税の節税対策には「申告書の提出」が必須 節税メリットの大きい2つの制度も要チェック

相続税増税時代となり、自分なりに勉強して相続税額を試算したりする人も多いかと思います。

勉強する中で節税対策を知り、試算した結果「相続税額0円」となることがあるかもしれません。

この場合、喜ぶだけでなく注意が必要です。

相続税の節税対策の前提には「申告書の提出」あり

相続税のイメージ図

相続税の節税対策の中でももっとも注目を集めるのが、節税額の大きい制度です。

ただ、他の税法と同じく、メリットが大きい分だけ求められる要件が厳しいのが現実です。

この適用要件で意識が向きがちなのが「面積」、「婚姻期間」、「被相続人との関係」といった「そもそもこの制度を適用できるだけの状況にあるか」という点です。

もちろん、制度の適用要件に自分の世帯の状況が合致するかどうかをチェックするのは大事なことです。

しかし、これだけに目を向けていると、うっかり申告書を提出し忘れ、結果、節税できるものもできなくなり、課税となる恐れがあります。

2つの代表的な節税対策も、申告書の提出が必須

申告書を提出しないと適用対象外となってしまう制度にはどんなものがあるのでしょうか?

メリットが大きいことで知られる次の2つの制度が該当します。 

1. 小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、「被相続人から居住用あるいは事業用の宅地を相続や遺贈で取得した場合に、居住要件や事業要件、相続人の要件などを満たせば、一定面積まで相続した宅地の評価額が50%~80%減額される」というものです。

最近の税制改正で、「持ち家を一度でも持った別居の親族が居住用宅地を相続した場合、小規模宅地等の特例の適用を受けることはできない」という点が注目を集めています。

仮にこの要件をクリアしたとしても、申告書の提出がなければ小規模宅地等の特例の適用を受けられません

2. 配偶者の税額軽減

遺産を配偶者へ相続

配偶者の税額軽減とは、「被相続人から相続や遺贈で遺産を取得した被相続人の配偶者については、その取得した正味の遺産額が「1億6,000万円」、「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い金額に達するまでは、配偶者に関する相続税はかからない」というものです。

1億6,000万円はかなり大きい金額であるため、適用対象となる世帯も多いのではないかと思われます。

ただし、こちらも申告書の提出がなければ適用対象外となります。

上記2つの制度は、期限内申告が原則です。

ただ、遺産分割協議が完了していないなどの事情がある場合には、期限後申告を行うことで適用を受けることが認められています

申告書を提出しなくていいのは「基礎控除額以下」だけ

なお、申告書を提出しなくても相続税額0円として認められるのは、課税価格の合計額(各相続人ごとに計算した課税価格の総額)が基礎控除額( = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)以下である場合のみです。

そのため、相続税課税の有無をチェックしたい場合には、最初から節税策に意識を向けるのではなく、まずは被相続人候補の所有財産の総額が基礎控除額を超えるか否かを確認したほうがよいでしょう。(執筆者:鈴木 まゆ子)

《鈴木 まゆ子》
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鈴木 まゆ子

鈴木 まゆ子

税理士・税務ライター 中央大学法学部法律学科卒業後、㈱ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。朝日新聞『相続会議』、納税通信、KaikeiZineなどメディアで税務・会計・お金に関する記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著) 寄稿者にメッセージを送る

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