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返せない時でも神対応 住宅ローンが銀行ローンの「聖域」である2つの理由

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返せない時でも神対応 住宅ローンが銀行ローンの「聖域」である2つの理由

銀行にはいろいろな種類のローンがあります。

住宅ローン、自動車ローン、カードローン、教育ローンなどあげるとキリがありません。

ところでこうしたローンの中で、住宅ローンは特別扱いされています。

住宅ローンは他のローンと違い、いろいろな面で特別扱いされており、銀行ローンの中でまさに「聖域」とも呼べるものです。

どうして聖域なのか? 他のローンと何が違うのか?

今回は、銀行員として多くのローンを扱ってきた私がこの点についてお話ししていきます。

多くの人がいつか利用を考えるこの住宅ローンについて、ぜひ今後の参考にしてください。

なぜ住宅ローンは聖域なのか?

神様の手

住宅ローンは銀行ローンの中でも中核的なものです。

住宅ローン取扱の多寡や金利、審査などの優劣がその銀行の評判さえも左右するほど、銀行にとっては重要です。

そして、こうした営業面の理由だけで無く、別の面でも銀行にとって住宅ローンが重要な理由があります。

以下その理由について、そしてどのように特別扱いされているのか? を説明していきます。

住宅ローンが特別扱いされる2つの理由

まず住宅ローンが特別扱いされる理由は2つあります。

1つ目は「住宅ローンは生活の根源だから」
2つ目は「住宅ローンを融資するのは銀行の使命だから」

理由その1.住宅ローンは生活の根源だから

仕事を持ち、家庭を持ち、自分名義の家を持つこと。

人間として生活の根源である「衣食住」の中でいろいろな意味で大きいのが「住」の家でしょう。

賃貸を選択する人もいるでしょうし、人それぞれ生活スタイルや住まいに対する考えは違います。

しかしながら、やはり「自分の家を持ちたい!」という希望は多くの人が抱く、ごく自然な希望だと思います。

このように、生活の根源である家を手に入れる手段として住宅ローンの存在意義があります。

そのため特別扱いされているのです。

理由その2.住宅ローンを融資するのは銀行の使命だから

これには特別な説明は不要でしょう。

文字どおり、銀行の使命だからです。

最近では銀行以外の業態でも住宅ローンを融資するところがありますが、やはり大多数の住宅ローンは銀行(信金、信組など含む)で融資しています

もちろん審査があり、すべての人へ平等に融資できるわけではありませんが、住宅ローンの融資審査は基本的に「融資するにはどうしたら良いか?」という目線に終止します。

つまり「貸すために障壁や問題点をクリアする」ことをお客様と一緒に考えていくのが住宅ローン融資審査の基本なのです。

他のローンや事業資金では、このように「貸すためにはどうすれば良いか」という思考は優先されず、どちらかと言えば問題点を探す減点法が多いものです。

この点からも住宅ローンを融資するのが銀行の使命であると言えます。

どのように特別扱いされているのか?

これはいくつもあります。

以下細かく見ていきましょう。

返済期間

住宅ローンの返済期間は最長で35年程度と銀行ローンの中でも最長の部類です。

住宅ローン以外で、これほど長い返済期間のローンはありません。

これは住宅ローンだから長くても良い、というよりは「35年という長期間でなければ毎月ムリのない返済額にならないから」といったほうが妥当です。

毎月ムリせず返済できる金額になるよう計算すると35年程度になってしまうのです。

また個人差はありますが、サラリーマンが住宅ローンを借りてから返し終えるまでの平均的年数と、入社から定年までの年数、あるいは平均余命(この場合はローンを借りてから病気などで死亡するまでの年数)などは不思議と35年程度が多いのです。

金利

平均的な住宅ローン金利は、変動なら1%未満のものもあるように、大変低金利です。

住宅ローン以外でこれほど低金利なローンはありません。

基本的に銀行融資では、返済期間が長ければ長いほど金利は比例的に高くなる仕組みになっています。

住宅ローンと同水準の金利になるのは、事業資金融資では数か月、しかも決算内容が素晴らしい銀行にとってVIP取引先以外ではまずあり得ません。

このように金利面で見ても、住宅ローンは特別扱いされているのです。

担保

銀行が融資するとき、原則その融資額に見合う価値の担保が必要になります。

しかし、住宅ローンの場合は少し話しが違ってきます。

そもそも家を持っていない人が、住宅ローンを借りて、初めて手に入れる不動産が自宅なわけです。

融資の対象物として当然自宅は担保にされますが、銀行の評価は相場よりかなり低いのが一般的です。

他の融資、例えば事業資金融資では、担保にした不動産の価値が融資額より少ない場合、他の不動産を担保に追加するよう求められることがよくあります。

住宅ローンでも、以前は同様に自宅だけでは担保が不足する場合他の不動産、例えば両親の家(つまり実家)を追加担保にしなければ貸してもらえないこともありました。

しかし、最近は担保より借りる人の収入や勤務先といった個人の属性を重視するようになり、自宅だけで担保が不足していても融資してもらえるのが一般的になりました。

このように担保が不足している状態でも融資してもらえるのが住宅ローンの特長です。

返せなくなった時も銀行は優しい対応

太陽と家

住宅ローンの場合、リストラや病気などやむを得ない理由があると、毎月返済額を一定期間減らしてもらえたり、返済ができるまで待ってもらえたりします。

住宅ローンに対する銀行の対応は優しく、他のローンではこのようなことはあまりありません。

これも「家族が住む家を奪ってはいけない」という原則が作用しているからです。

ローン返済できなくなるのは自己責任と言えばそれまでですし、返済ができなくなれば担保になっている家を銀行に処分されることもあり得ます。

しかし、銀行は滅多なことでそうした手段に出ることはありません。

表現はいろいろあるでしょうが、

「ローンが返済できなくなってあの家は銀行に取上げられた」

と社会的批判を覚悟で回収策をとるか?

あるいは

「住宅ローン返済で困っているお客様に、あの銀行はやさしい対応をしてくれた」

と評判を上げて、ローン返済を猶予(リスケ)したほうが良いか?

当然、銀行は迷わず後者を選びます

だから、返せなくなっても住宅ローンには優しい対応をしてくれるのです。(執筆者:加藤 隆二)

《加藤 隆二》
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加藤 隆二

執筆者:銀行員一筋30年 加藤 隆二 加藤 隆二

バブル期に入社して、以来銀行一筋30年。お金にまつわるさまざまな相談にこたえてきました。時には返せなくなってしまった人からの相談にも、可能な限り親身になって対応してきたつもりです。銀行員として「あなたのために、なにができるか考えます」 最初の挨拶はいつもそう言ってきました。年を重ねた今も、気持ちは変わっていません。銀行員として、読者である「あなたのために」役に立つ文章を書いていきたいと思っています。 寄稿者にメッセージを送る

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