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遺灰を大自然に還す「海洋散骨」の3つの方法と費用 違法性についても解説

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遺灰を大自然に還す「海洋散骨」の3つの方法と費用 違法性についても解説

亡くなった人の供養は多様化を見せています。

その中でも、お墓を建てない新たなスタイルとして散骨があります。

遺骨をパウダー状にして海や山や川などの自然に遺骨をまきます。

後になにも残らないこのスタイルは、一方では支持され一方では懸念されています。

この記事では、散骨について、その方法や違法性、さらにはどれくらいの費用がかかるのか分かりやすく説明いたします。

遺灰を大自然に還す「海洋散骨」

散骨を選ぶ人

「跡取りがいなくてお墓を建てられない」

「お墓という閉ざされた場所ではなく、広々とした大自然に帰りたい」

「お墓ほどの費用はかけられない」

このような考えや事情を持っている方が散骨を選んでいます。

最も多いのは海洋散骨

散骨で最も選ばれているのが海への散骨です。

これを海洋散骨と呼びます。

散骨は海のほかに山や川などでも行います近隣住民とのトラブルにならないよう、海洋散骨が一般的です。

遺骨をパウダー状にすれば誰でも実施できますが、実際には散骨業者を利用する人が多いでしょう。

散骨には、粉骨をしなければならない

郵送粉骨

≪画像元:アットマガジンズ有限会社『まごころ』事業部

散骨をするためには粉骨、つまり遺骨をパウダー状にしなければなりません

粉骨は専門業者に依頼するかあるいは自分自身で行います。

1. 粉骨業者に依頼する

業者に遺骨を持参して粉骨をしてもらう場合、費用は約1万円から3万円程度

です。

遺骨そのものは、2時間程度でパウダー状になります。

もしも近くに粉骨業者がない場合、あるいは遺骨を持参できない場合には、郵送で受け付けてくれる業者もありますのでこちらを利用しましょう。

申し込みをすると専用キットが送られてきて、指示通り遺骨を業者まで送ります。

パウダー状になった遺骨は、真空パックで自宅まで送られてきます。

2. 自分で粉骨する

自分自身の手で遺骨を砕くこともできます。

すり鉢やハンマーなどを用いて遺骨を細かく粉砕します。

これであれば、費用はかかりません。

海洋散骨を業者に依頼する3つの方法

遺骨をパウダー状にしましたら、いよいよ散骨です。

散骨も自分自身でも実施できますが、ここでは業者に依頼する場合の説明をします。

海洋散骨には3つの方法があります。

海洋散骨では、船をチャーターして沖合に出るのですが、どのように乗船するかによって費用は変わります。

(1) 家族で船をチャーターする

1艘の船を1家族が貸し切って沖合に出る場合、費用は20万円から30万円です。

(2) 合同散骨

複数の家族が1艘の船に乗り合わせて沖合に出る合同散骨の場合、費用は10万円から20万円です。

(3) 散骨を委託する

家族が沖合に出ることなく、業者に散骨を委託する場合、5万円から10万円程度の費用がかかります。

海洋散骨プラン

≪画像元:Blue Ocean Ceremony

散骨の違法性

散骨を行ううえで注意しなければならないのはその違法性です。

令和元年現在、散骨を取り締まる法律はなく、白でもなければ黒でもないいわゆる「グレー」の状態の中で行われています。

遺骨の埋葬はそもそも墓地と認められた場所以外にはできません

墓地以外の場所に埋葬した場合には、刑法第190条に抵触する恐れがあります。

(死体損壊等)
第百九十条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

これに対して法務省は1991年に非公式ではありますが、見解を出し、「節度をもって行う分には遺棄罪にはならない」と示しています。

この「節度」の解釈は実に曖昧で、自治体によっては業者と地域住民との間にトラブルでが起こったことから、条例やガイドラインを設けているところもあります。

散骨のほとんどが海洋散骨であるのはこのためで、漁場や海水浴場などの他の人の目に触れない沖合にて散骨する分には、誰の迷惑にもならず、法律に触れることもないでしょう。(執筆者:五十嵐 信博)

《五十嵐 信博》
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五十嵐 信博

五十嵐 信博

葬儀社、仏壇店、墓石店と、供養関連の会社に勤務するライターです。業界歴は15年。1級葬祭ディレクター、2級お墓ディレクターを取得しています。亡くなった人を手厚く弔うことや、目に見えないものを大切にお祀りすることは私たちの幸せにつながります。葬儀やお墓などの記事を通じて、みなさまの仏事でのお困りごとを解消できればと、祈りを込めて綴ります。 寄稿者にメッセージを送る

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