人生100年時代に、老後資金が夫婦で2,000万円不足するといわれ、私たちの積み立てている年金の運用がよく話題に上るようになりました。

しかし、多くの方が年金を、誰が、どのように運用しているか知らない、というのが実情です。

本記事では、私たちの年金を運用しているGPIFについて解説し、運用方針のESG投資から垣間見える、世界が将来に目指す方向も紹介します。

年金を運用しているGPIFを詳しく知ってますか?

年金手帳と積み木

私たちは毎月、国民年金や厚生年金を徴収されています。

この一部を運用しているのが、GPIF(年金積立管理運用独立行政法人)です。

GPIFは2006年に設立され、私たちの年金運用を開始しました。

2018年12月末で、運用資産は約150兆円となり、年金基金としては世界最大です。

GPIFは長期的に世界の経済活動などに資金を提供し、その対価として資産を増やせるように運用されています。

ポートフォリオの数字を守ることが運用益を生み出す

GPIFは長期的な運用の中で、世界経済の成長に寄与し資産を増やすといいましたが、具体的にどのような方針を取っているのでしょうか?

資産運用では、資産の構成割合のことをポートフォリオと呼びます

そして長期運用では、基本となる資産構成割合を決めて維持していくことが、効率的に良好な結果を得られる方法であると知られています。

この考え方をもとに、GPIFの基本ポートフォリオが次のように定められています。

国内債券…35%
国内株式…25%
外国債券…15%
外国株式…25%

株式投資をしている方ならご存知だと思いますが、株式や債券の価格は毎日変動します。

そのため、GPIFの基本ポートフォリオも日々調整が必要になります。

私たちの年金はこの表のポートフォリオを守ることで、長期間にわたって運用益を生み出しているのです。

これからの世界を創っていくESG投資とは?

地球を支える手

GPIFが基本ポートフォリオに基づいて私たちの年金を運用していることは、お分かりいただけたと思います。

では、そのポートフォリオに沿った具体的な投資対象はどのようにして決めているのでしょうか?

GPIFは巨額の運用資金を投資することで、世界経済に大きな影響を与えています。

逆に言えば、GPIFの投資方針は、世界の発展に寄与するものでなければなりません

そのGPIFが掲げる投資方針は、「ESG投資」と言います。

ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた造語です。

ESGを有名にしたのは、2006年にアナン国連事務総長が機関投資家に対しESGを投資プロセスに組み入れる「責任投資原則」を提唱したことが、きっかけです。

世界中の運用会社がこの署名に参加し、その運用資産残高は2,200兆円に達しています。

つまり、世界のお金がこのESG投資を志向しているわけです。

投資資金が集まる活動は、今後も発展していくでしょう。

私たちが積み立てる年金は、世界の発展につながっている

私たちの年金は、世界が志向するESG投資に使われています。

そして、そのESGが育った成果として、私たちの老後資金が返ってきます

私たちは個人的なお金の心配に気が向きがちです。

しかし、私たちのお金が、世界の目指す方向に投資され、その成果として年金が戻ってくるという仕組みを理解し、ポジティブに未来を考えることも忘れずにいましょう。(執筆者:卜部 友二)