副業の中でも比較的手軽で手堅いビジネス「せどり」　リサーチから仕入れ、販売、梱包・発送について解説

2018年は副業元年とも呼ばれ、多くの企業が社員の副業を認めるようになりました。

そんな中、現在も多くの人が儲かる副業を探して、書籍やネットを見ているのではないでしょうか。

副業を探していると投資やアフィリエイトなどと一緒に、必ずと言っていいほど目にするのが「せどり」です。

物を転売して稼ぐ、という事はなんとなくイメージできても、実際どういう事をやっているのか分からない方もいると思います。

せどりは副業の中でも比較的手軽で、現実的な手堅いビジネスです。

ですが、よくわからない、難しそう、怪しいと感じている人が多いのも事実です。

そこで今回は人気の副業せどりをわかりやすく解説します。

「せどり」は どうやって儲けているのか

「せどり」は、普段の生活ではなかなか聞かない単語で、言葉の語源は諸説あります。

共通しているのが「物の売買で差益・手数料を得る」という点です。

現代のせどりも目的は同じで「商品の売買・転売で利益を得る」ビジネスです。

「お店から仕入れてフリマアプリやAmazonで販売する」と言い換えるとわかりやすいかもしれません。

このせどりが成り立つ理由は「各店舗、地域で物の値段が違う」からです。

商品の値段というのは全国すべての店舗で同じではありません。

売っているお店や地域によって価格には差があります。

分かりやすく高額商品で一例を見てみましょう。

※価格が変動する場合があり、記事内の価格は執筆当時のものです。

例えばAmazonで売られている55型のテレビです。

8万1,800円で売られています。

ではこれをライバルの楽天市場で見てみましょう。

するとなんと10万2,000円もします。

まったく同じ商品にもかかわらず、2万200円も価格が違います。

楽天の方が安くAmazonの方が高いという商品も無数に存在します。

このような「価格差のある商品を安く仕入れ、高く売れる所で売る」のがせどりです。

ただ、Amazonや楽天市場に一般の人が気軽に出品するのは難しく、できなくはありませんが決してお手軽、とは言い難いです。

そこで初心者におすすめなのがヤフオクやメルカリです。

ここなら誰でも簡単に商品を販売することができます。

メルカリでも同じ商品が9万4,500円、しかも開封品にもかかわらずAmazonより高く売れています。

未開封ならもう少し高く売れそうです。

8万1,800円でAmazonから仕入れ、メルカリで9万4,500円で売れば1万2,700円の差額が発生します。

これがせどりです。

ただ、実際はこの1万2,700円からメルカリ手数料や送料等が発生するので、実際はほぼ利益にはならず、ギリギリ黒字になればいいくらいです。

仕入れ先はAmazonじゃなくても、ドン・キホーテでもホームセンターでもリサイクルショップでも構いません。

初心者に特におすすめなのがリサイクルショップを利用した「中古せどり」です。

中古品は価格がバラバラで価格差を大きく取りやすいのが特徴で、仕入れ価格が安く済むので、少ない資金でもある程度の利益を出しやすいです。

一般的なせどりのやり方

実際に一連の流れを見てみましょう。

せどりで行う作業は大きく分けて5つです。

リサーチ

まずは「売れそうな」商品を探します。

このリサーチがせどり最大のポイントといっても過言ではありません。

たったこれだけのことですがものすごく難しいです。

上級者でさえ仕入れを間違えることはあります。

リサーチの方法は無数に手法があり、解説すると記事がものすごく長くなってしまいます。

今回は「せどり」の説明なので詳しいリサーチ方法については割愛します。

実際に筆者が見つけた商品で流れを解説します。

LOHACOというサイトのアウトレットコーナーを見ていた時に見つけた化粧品です。

筆者は化粧品にあまり詳しくないのですが、定価は2,500円以上です。

それがこのサイトでは1個1,256円で買えました（現在は売り切れです）。

さらにLOHACOでは3,300円以上購入すると送料が無料なので、3個買えば送料がかかりません。

なんとなく売れそうな気がします。

リサーチの段階ではこのように、「なんとなく売れそうな気がする」程度の物でも構いません。

このような商品を見つけたら本当に売れるかどうか見てみましょう。

裏付け

先ほどのリサーチは「売れそう」な商品探しですが、「売れそう」という理由で仕入れてはいけません。

これで失敗する人が多いです。

裏付けを取って「売れる」と確信が持てたものだけ仕入れます。

これがせどりで失敗をしないコツです。

今回はメルカリで売る予定ですので、メルカリで同じ商品の相場を調べてみましょう。

メルカリは「新品か中古か」、「売れているものだけ表示」といった機能があるので相場を調べやすいです。

1,256円で買えるものが、メルカリではなんと2,200円～2,400円で売れています。

売れることが分かったら、しっかりと利益計算をします。

ここから少し細かい話になりますが、メルカリで2,400円で売れたとします。

メルカリは商品代金の10％が手数料として引かれますので、ここから240円引かれます。

送料も出品者負担なので、この商品はメルカリ便コンパクトで380円の送料がかかります。

最後に仕入れ値の1,256円を引きます。

先ほどの商品をロハコで仕入れてメルカリで売ると1個あたり524円稼げるわけです。

たった524円と思うかもしれませんが、仕入れられるかどうかは別にしても、100個（仕入れ値12万5,600円）売ったら5万2,400円の利益です。

10個（仕入れ値1万2,560円）でも5,240円の利益です。

化粧品は消耗品ですし、人気商品なら10個なんてすぐに売れてしまいます。

仕入れ

売れる確証が持てたら仕入れます。

ここは特に難しくないです。

今回は3個以上買えば送料無料でしたが、何個買っても送料がかかる商品もありますので、注意しましょう。

最終的な利益から仕入れにかかった送料もきちんと差し引かなくてはいけません。

販売

仕入れたものが届いたらメルカリに出品します。

家の不用品を処分する要領とほぼ一緒で構いませんが、より売れやすくするポイントがあります。

以上に気を付けて出品してみましょう。

梱包・発送

商品が無事売れたら商品を梱包して発送します。

梱包方法は商品によって変わりますが、基本は「清潔」、「丁寧」です。

受け取った側が不快な思いをしないようプチプチや綺麗な袋に入れて梱包しましょう。

隙間を埋めて、配送中に箱の中で商品がガサガサ動かないようにするのも破損を防ぐポイントです。

発送方法はメルカリならメルカリ便、ヤフオクならヤフネコパック、ラクマならかんたんラクマパックを使えば間違いありません。

商品を発送したらあとは受け取りを待つだけです。

購入者が受け取り通知を行えば各アプリの口座に売上金が入ります。

その売上金を振込申請して、自分の口座に振り込めば終了です。

ふえたお金を元手に新しい仕入れを行い、利益を出す。

これを繰り返すことで、「複利」の効果でお金がどんどん殖えていきます。

自己資金が1万円や10万円しかなくても、取引を重ねることでどんどんお金をふやしていけます。

なぜ「せどり」は副業として人気なのか

せどりはなぜ副業に適しているのでしょうか。

せどりが副業として人気を集めている理由を解説します。

自分の生活に合わせて始められる

せどりにはいろいろなメリットがありますが、中でも最も優れている点が「自分の生活に合わせてできる」ことです。

自己資金は確かに多ければ多いほど利益を出しやすくなりますが、極端な話、1万円からでも始められます。

個人的な話になりますが、筆者も最初お小遣い稼ぎとして3万円の自己資金から初めて3か月ほどで10万円までふやしました。

わずか3万円の元手で月に1～2万円稼げるビジネスなんて他になかなかありません。

また、せどりはネットを使えば24時間いつでもできます。

楽天やAmazonを利用すれば仕事帰りや夜寝る前の数時間、通勤時間や休日など24時間いつでも仕入れが可能です。

売る時も、メルカリやヤフオクなら24時間出品が可能ですし、出品さえしてしまえば24時間商品は売れます。

仕事中や寝てる時に売れても、その日や翌日の時間のある時に梱包し、発送すれば問題ありません。

現在コンビニ受け取りやコンビニ発送も主流になっているので、よほどの僻地に住んでいない限り、都市部・地方による優劣といった地域差もほとんどありません。

「だれでも、いつでも、どこででも」。

その人にライフスタイルや資金に合わせて行えるビジネスがせどりです。

ビジネスの中ではリスクが低い

せどりはやり方さえ間違えなければ、非常にリスクの低いビジネスです。

起業とか、ビジネスというと、「一か八か」とか「赤字や借金になるかも」というイメージがあります。

ですが、せどりは相場のリサーチさえしっかり行えばまず損をしません。

売れる、という裏付けを取ってから仕入れますので、赤字にはなりにくいです。

もちろん100％ではないです。

時には市場価値の暴落で商品が思った価格で売れず損をすることもあります。

ですが、「仕入れた商品」という現物がある以上、投資したお金が0になることはありません。

しかし大量の在庫を抱えてしまったり、仕入れ値よりも低い値段でしか売れなかったりするリスクはあるので注意してください。

手軽に始められる

今はメルカリやヤフオクがあり、「一般の人が商品を売る」のは簡単で、誰でも商品を仕入れて売れます。

家の不用品をメルカリで売るのと感覚は一緒です。

そこに「仕入れ」が追加されるだけなので、副業として優れていると言えます。

せどりのデメリット

せどりは確かにリスクの低いビジネスですが、全くデメリットやリスクがないわけではありません。

仕入れ資金が必要

真っ先に考えるリスクはこの仕入れ資金、「自己資金」でしょう。

確かに、商品を売るためには最初に仕入れをする必要があり、仕入れにはお金が必要になります。

ただ、先述したように、せどりはその人の生活に合わせた資金で始められます。

何十万円も用意する必要はなく、仕入れに慣れないうちから多額の資金でやると失敗します。

10万円あれば副業としては十分な額を稼げます。

1万円でも構いません。

自分の中の「無理のない」金額で始めましょう。

保管スペースが必要

個人的に副業でやる場合、自己資金より問題というかデメリットに感じるのがこのスペースです。

何をどれだけ扱うかにもよりますが、月数万円を稼ぐ場合、結構な商品保管スペースが必要になります。

特に、おもちゃのような箱がかさばるものや、洋服（特に秋冬物）はびっくりするくらい部屋のスペースを占拠します。

本格的にやるなら、部屋の半分や1つ丸々明け渡すくらいの覚悟は必要かもしれません。

副業としてせどりを行う際の注意点

副業としてせどりを行う際にはいくつか注意点があります。

会社の規約を確認する事

副業解禁・副業元年といってもそれは一部の企業の話です。

世の中にはまだまだ副業禁止の会社がたくさんあります。

副業を始める前に必ず会社の規約を確認しておきましょう。

副業禁止の会社で副業がばれると罰を受ける可能性があります。

古物商が必要

せどりを行い、継続的に利益を出す場合は必ず都道府県から「古物商許可」を受ける必要があります。

これを所持せずせどりを行うと「古物営業法」に抵触し、罰則、行政処分の対象となります。（無許可販売は3年以下の懲役または100万円以下の罰金もしくは併科、と結構重いです）

古物というと「掛け軸」とか「壺」みたいな骨董品をイメージする人もいると思いますが、小売店で購入した物は新品でも「古物」とみなされます。

例えばユニクロで買ってきた新品のTシャツも消費者である我々が購入した瞬間から法律上は「古物」になるのです。

それを売って利益を出すために上記古物商許可が必要になります。

単純に「物の売買で継続的に利益を得るなら古物商許可が必要」と覚えておいてください。

古物商許可がいらないケースもありますが、初心者はほぼ当てはまらないので、取っておけば間違いありません。

古物商許可は警察署へ行って数枚の書類と申請料1万9,000円（住民票取得費用等は別途かかります）、を払えば取得できます。

申請してから取得までに1～2か月かかるので、せどりをやると決めたら早めに申請しておきましょう。

ただし、「欠格要件」というものがあり、未成年や過去に犯罪歴がある、自己破産をした、といった人は古物許可を取得できません。

年間20万円以上の利益が出た場合は確定申告が必要

会社員は年間20万円までの雑所得は課税対象になりません。

つまり19万9,999円までの所得（利益）については特に申告も必要ありません。

ですが20万円を超えた場合は確定申告を行い、税金を納める必要が出てきます。

これを怠ると「無申告」として追徴課税の対象になることもあります。

時間も多額の資金も不要です

せどりは小資金からでも始められる手軽な副業です。

安く売っている場所から仕入れて、利益を乗せて売るだけで、メルカリやヤフオクを使えばだれでも簡単に商品を販売できます。

もちろん最初のうちはリサーチが大変ですが、何回かやってみてコツを掴めばある程度売れる商品もわかってきます。

時間も関係なし、多額の資金も不要の手軽に始められ、自分の力でしっかりと収入を得られる副業です。

ぜひ1度チャレンジしてみてください。（執筆者：菊池 貴弘）