2019年の大きな台風によって、東京圏の多くの住宅が被災しました。

中でも想像以上にマンションの被害が多かったようです。

都内のマンションでも漏水の影響でエレベーターが1週間ほど使えなくなったり、排水用のポンプが漏水で故障してしまい、トイレが使えなくなるなど生活に大きな影響を与える被災が確認されています。

中でも被害が多かったのが、「網戸の破損」です。

しかしこの網戸は個人のお金で復旧する必要はない場合もあります

マンションの「台風被害」

共有部と専有部

マンション(区分所有建物)には「共有部」と「専有部」があります。

「専有部」とは、101号室のように所有者が使用及び管理をして良い住戸部分のことです。

共有部」とは、専有部分以外の全てで一般的には廊下や階段、エレベーター、エントランスポーチなどマンションの居住者がみんなで使う部分のことです。

専有部分の工事、例えばキッチンやトイレの更新工事は個人の判断と費用で実施できますが、共有部は所有者の集まりである管理組合の決定がなければ工事ができません

網戸は専用部ではない

今回の台風で網戸が破損してしまったので直そうとしている人がいると思いますが、網戸は専有部ではなく、共有部の可能性が高いです。

バルコニーや網戸、窓ガラス、玄関扉などは専有部と認識している方が多いのですが、実際には「共有部」です

網戸には専用使用権が設定されている

「共有部」の中にも網戸や窓ガラスなど日常的にはその住人が使用するものには、「専用使用権」が設定されています。

「専有使用権」とは、共有部だけど一部の住民が専用で使える権利です。

一般的にはバルコニーや網戸、窓ガラス、1階住戸についている庭なども専用使用権が設定されています

専用使用部分の費用負担について

網戸や窓の台風被害は管理会社に任せられる

では、今回の台風によって破損してしまった網戸の復旧はどうすれば良いのでしょう。

原則として専用使用権のある網戸や窓ガラスについては、日常の使用中に破損させてしまった場合は個人の費用で復旧が必要です。

しかし、台風のように災害によって破損した場合は共有部の補修となるので、管理組合のお金で行います

よって個人のお金を出して復旧する必要はありません。

日常的な使用による破損 → 個人負担
台風などの災害による破損 → 管理組合負担
管理会社へ連絡する

台風によって破損した網戸の復旧は個人の費用でやる必要はないことはわかりました。

では、実際にどうやって直してもらえば良いのでしょうか。

まずは管理会社へ連絡しましょう。

マンションに常駐している管理員がいる場合は、管理員への連絡でも構いません

連絡さえすれば管理会社の担当から管理組合の理事長と話し合って、工事を手配してくれます。

管理会社が対応してくれない場合

今回の台風のように被害地域が広大である場合は、管理会社の対応が遅れてしまうことも考えられます。

その場合は、管理組合の理事長または管理会社の担当者と相談して、個人で工事の手配をすることも可能です。

網戸などであれば生活に大きな支障はありませんが、窓ガラスが割れてしまった場合はすぐに復旧しなければなりません。

費用については一時的に立替が必要になることもありますが、後に管理組合へ請求することが可能です。

もちろん以前と同等程度のものをつけることになるので、必ず相談してください。(執筆者:FP2級、一級建築施工管理技士 田中 かな太)